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「べらぼう」百人一首にかけた忘八の会議話題 遊び心あふれる“粋”な演出

第14回より独り立ちを決意する蔦重(横浜流星)
第14回より独り立ちを決意する蔦重(横浜流星) - (C)NHK

 横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)の6日放送・第14回では、本屋として独り立ちしようとする蔦重を巡り、駿河屋(高橋克実)ら忘八たちが会議。百人一首の歌にかけた応酬が「粋な演出」と注目を浴びた。

【画像】瀬川、蔦重&鳥山検校に愛された日々

 第14回「蔦重瀬川夫婦道中」では、引手茶屋と本屋の掛け持ち状態となっていた蔦重が大文字屋(伊藤淳史)の「男たる者は一国一城の主となってこそ、だろ」との助言を受け、独立を決意。劇中、忘八たちの会議シーンは本作のお楽しみの場面として知られ、これまで猫自慢、三味線、歌舞伎などさまざまな趣向で盛り上げてきた。

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 第14回では蔦重の独り立ちについて親父たちの会議が始まると、りつ(安達祐実)が「店の場所を~うつらんとてか家田屋に~わが身世にふる ながめ狭しに~」(訳:店を家田のとこに移すのかい!? もう狭くなっちゃったもんねぇ)と歌で発言。これは小野小町の「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」からの引用と思われるもの。

 そこから蔦重の「嘆けとて~茶屋か本屋か惑わする~かこち顔なる我が馴染みかな」(訳:茶屋か本屋かわかんないって客も困ってんですよ)=「嘆けとて 月やはものを 思はする かこち顔なる わが涙かな」(西行法師)、丁子屋長十郎(島英臣)の「金の痛み~浅草紙の己の身~破けてものを思う事かな」(訳:金はどうするんだい!? 破綻してからじゃ遅いんだぜ!)=「風をいたみ 岩打つ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな」(源重之)、蔦重の「富本本~わが名はまだき立ちにけり~稽古本もと思い染めしか」(訳:富本本で名が売れたので次は稽古本をと考えてます!)=「恋すてふ 我が名はまだき 立ちにけり 人しれずこそ 思ひそめしか」(壬生忠見)、扇屋宇右衛門(山路和弘)の「ならばよし~ならば後押し憂いなく~吉原ゆえにもの思う身は」(訳:ならいいんじゃないかい!? 吉原のためにも後押ししてやるよ)=「人も惜し 人も恨めし あぢきなく 世を思ふ故に もの思ふ身は」(後鳥羽院)と続く。最後は照れ臭そうに証人になることを考えてやってもいいという駿河屋に対する蔦重の「ありがたや~それにつけてもありがたや~持つべきものは駿河の親父~」で締めくくられた。

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 そんな遊び心あふれる演出にSNSでは「なんて風流な」「和歌で会話してんのかい」「雅な会議しとるなぁ」「狂歌の会?」「ミュージカルかよw」「歌で会話、粋だね」と沸き、親切な訳も好評だった。

 一方、同回では大文字屋が神田に屋敷を買おうとしたことをきっかけに吉原が公に「四民の外」とされる憂き目に。蔦重が「吉原が四民の外にされてんのは忘八の里だからです。親父様たちの女郎の扱いはひでぇ。四民の外が嫌なら内から変わんなきゃいけねえんです」「困った女を食いもんにすんじゃなく助けるとこにする。そうすりゃ見る目が変わると思うんでさ」と駿河屋に訴える場面からも、吉原の転機の兆しが見られる。(石川友里恵)

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