吉岡秀隆、11年ぶりWOWOWドラマ主演「夜の道標」9月放送・配信決定

俳優の吉岡秀隆が、ミステリー作家・芦沢央の作家生活10周年記念作をWOWOWが実写化する「連続ドラマW 夜の道標-ある容疑者を巡る記録-」(9月放送・配信)で主演を務めることが決定した。
本作は、1996年に起こった塾講師・戸川勝弘殺人事件を担当する刑事・平良正太郎が、2年間逃亡する容疑者・阿久津の足取り、殺人の理由を捜査しながら事件の真実に迫っていく社会派ミステリー。主人公・平良を演じる吉岡は「連続ドラマW トクソウ」以来、11年ぶりのWOWOWドラマ主演となる。
吉岡が演じる平良は、家庭に問題を抱える窓際刑事。部下の大矢とともに捜査の行き詰った戸川殺人事件の捜査を担当することになり、事件の容疑者・阿久津弦が犯した殺人の動機について地道な捜査を続け、やがて一つの真実にたどり着く。吉岡は本作について「見ていただく方にも、僕自身にも心に問い続ける事が出来るような作品である事を祈っております」とコメントしている。
脚本にドラマ「PICU 小児集中治療室」(2022)などの倉光泰子、共同脚本・監督に映画『見えない目撃者』(2019)、『重力ピエロ』(2009)の森淳一を迎え、音楽は Jun Futamata が担当する。吉岡秀隆、森淳一監督、原作・芦沢央のコメントは以下の通り。(編集部・入倉功一)
「連続ドラマW 夜の道標-ある容疑者を巡る記録-」9月WOWOWプライムにて放送、WOWOWオンデマンドにて配信
<平良正太郎役・吉岡秀隆コメント>
WOWOWのドラマでは作品とその役を通して、いつも勉強させて頂いております。「CO 移植コーディネーター」、「トクソウ」、「コールドケース」などもそうでしたが役を演じるというより、作品作りにおいてその人間を体現させてもらっている感覚があります。社会派ヒューマンミステリーと言ってしまえばそれまでですが、 見ていただく方にも、僕自身にも心に問い続ける事が出来るような作品である事を祈っております。
<脚本・監督・森淳一コメント>
今作は社会派ドラマですが、単に問題を提示するだけでなく、そこに希望の光を見出せるような構成を心がけました。また、登場人物には複雑な背景や動機があり、単なる善悪で区別されることがないよう注意を払いました。吉岡秀隆さん演じる平良正太郎は、強い正義感を抱く一方で、社会の不正とどう向き合うべきか苦悩します。しかし、その姿勢が子どもに精神的な負担を与え、親子の関係にひずみが生じてしまいます。吉岡さんは「刑事」と「父親」という二つの役割を繊細に演じ分け、物語に深みと説得力を加えてくださいました。余韻の残る表情をモニターで見ながら、何度も唸ったのを覚えています。本作の登場人物たちは、それぞれに複雑な背景や事情を抱えています。人生に翻弄されながらも、自らの道を探していくーそんな人間ドラマの行方を、見届けていただければ幸いです。
<原作・芦沢央コメント>
撮影見学をさせていただいた際、主演の吉岡秀隆さんから(本作の容疑者である)阿久津への思いを語っていただき、ああ、こういうまなざしで阿久津と向き合ってくださる方がこの事件を担当する刑事さんで本当によかった、と胸が熱くなりました。原作は、一人一人の切実な人生の断片が絡み合うことで浮かび上がる光景、奇跡的な化学反応のようなものを私自身が見たくて書いた物語ですが、その物語に、こうしてたくさんの方が人生の大事な時間を懸けて向き合ってくださることを、とても嬉しく、ありがたく感じています。このドラマの制作に関わる皆さんの化学反応の結果、どんな光景に出会えるのか、心から楽しみにしております。


