小栗旬、豪華客船で新型コロナ集団感染…最前線の戦い描く『フロントライン』モデル医師からの手紙に感激

俳優の小栗旬が13日、丸の内ピカデリーで行われた映画『フロントライン』初日舞台あいさつに、松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介、森七菜、桜井ユキ、関根光才監督、増本淳プロデューサーと共に登壇。小栗は渾身の思いを込めて取り組んだ作品を共にした仲間に感謝を述べた。
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本作は、2020年に、日本で初となる新型コロナウイルスの集団感染が起きた豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」を舞台に、未知のウイルスに直面した災害派遣医療チームDMATのメンバーたちの壮絶な戦いを事実基に描く。小栗はDMATの指揮官で、湘南市民病院救命部部長の結城英晴を演じた。
小栗は公開初日を迎え「やっと映画が公開できました。この日を迎えられて非常に嬉しく思っています」としみじみ。さらにこの日は、小栗が演じた結城のモデルとなった、阿南英明医師から小栗宛に手紙が届けられた。
阿南医師は、5年前を振り返り「苦しくて苦しくて、早く終わりたい、早く忘れたいという思いでした」とつづると「急に悲劇に見舞われた人たちを放置できない、できることはしたいと思いましたが、世界中から注目され、現場、組織、政治、マスコミ、世間との間で信念がぐらつくこともあったのは事実です」と胸の内を明かし、小栗が演じた結城は「絶対的なヒーロー像ではないところに共感ができました」と伝える。
小栗は、阿南医師の手紙に「素晴らしいメッセージをいただき本当に嬉しいです」と感無量な表情を浮かべ、「DMATの皆さんが、5年前にこの映画の中の戦いを実際にされていました。映画にはない大変さもたくさんあったと思います。それを乗り越えてきたからこそ今があり、今でもDMATの皆さんは活動されています。今後もご自身の無事を第一に、いろいろな災害に向き合っていただきたいです」と感謝とエールを送った。
とにかく人々の熱い思いが刻まれているという本作。小栗は「この場を借りて、この映画を企画・プロデュース・脚本でここまで導いてくれた増本プロデューサーと、監督を務めてくれた関根監督に心から感謝します」と述べると「この映画は、もしかしたら“医療もの”“コロナ禍”ということで敬遠される方もいるかもしれません。しかし、本当に勇気をもらえる映画ですし、明日からの生活がまた少し違う色で見えるような、素晴らしい映画体験ができる作品になっていると思います」と熱い思いを明かしていた。(磯部正和)