宇宙飛行士の野口聡一がピクサー新作『星つなぎのエリオ』で声優に!

ディズニー&ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』(8月1日全国公開)の劇中で使用されている天文学者で作家の故カール・セーガン博士の実際の音声の日本語吹き替えを、宇宙飛行士の野口聡一が担当することが決まった。
本作は、両親を亡くしたことから周囲になじめず、ひとりぼっちだと感じているの少年エリオが、何光年も離れた星で大切なつながりを見つける感動のファンタジー・アドベンチャー。ここではないどこかに自分の居場所があると信じ、宇宙へ行くことを夢見ているエリオは、ある日、星々のリーダーが集う「コミュニバース」に“地球のリーダー”と間違えられて転送されてしまう。銀河を越えて星と星をつなぐ壮大な冒険と運命を変える出会いを通し、エリオが成長していく姿を描く。
本作の劇中では、セーガン博士が「宇宙に存在するのは人類だけか、我々は孤独か」と語る実際の音声が使用されており、野口はその日本語吹き替えを務める。セーガン博士のこの言葉は、主人公エリオが宇宙に憧れるきっかけのひとつでもあり、“つながり”を描く本作を象徴する大切なセリフとなっている。
故・セーガン博士は、野口に影響を与えた人でもあったという。劇中にも登場する、1977年に打ち上げられた“地球からのメッセージ”を届けるためのゴールデンレコードを作った人物で、世界中の宇宙ファンにとっても憧れの存在。野口もセーガン博士の宇宙をテーマにしたドキュメンタリー番組「コスモス」の大ファンで、宇宙飛行士を目指す上で影響を受けたという。吹き替えを担当することになり「大変光栄でした。我々世代にとってカール・セーガンさんの『コスモス』というテレビ番組は非常に影響力があって、あの番組を見て宇宙飛行士になりたいと、宇宙科学関係で働きたいと思った人はいっぱいいると思うんです。私も高校生くらいの時だったのですが、毎回放送を楽しみにしていたことを覚えています」と喜びを語っている。
さらに野口は、「はるか遠い宇宙の冒険活劇のようだけど、これは孤独と絶望に苛まれる少年エリオが大切な人との心の絆を取り戻す、魂の再生の物語です。さまざまな出会いを通して、姿の違いや意見の衝突を乗り越えながら、エリオは共生することのすばらしさを学んでいきます。誰からも愛されない、必要とされてないと嘆いているあなたにこそ、この映画を観てほしい」と語り、「かつて世界中の宇宙ファンをとりこにしたカール・セーガン博士の温かい言葉が、あなたの凍った心をきっと解かしてくれるはずです」と、エリオと同じように宇宙に憧れたひとりの宇宙ファンとしてあたかかいコメントを寄せた。
また、本作で監督を務めたマデリン・シャラフィアンは「SETI(地球外知的生命体探査)や、カール・セーガン、ボイジャー計画、実在の宇宙飛行士たちが言ったことも参考にしています」と制作の裏側を明かしており、プロデューサーのメアリー・アリス・ドラムは「SETI研究所の創設メンバーの一人で、カール・セーガンと一緒に仕事した天文学者のジル・ターター博士と会いました。彼女は私たちに、宇宙についてもっと広い視野で考えることを教えてくれました。この物語には、つながりという強いテーマがあり、私たち全員の心に響きました」と、作品に込めたメッセージについて語っている。(加賀美光希)


