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福原遥「べらぼう」恋する花魁役で自主練の日々 初の大河&時代劇で学び「少し首をかしげるだけでも色っぽさが出る」

誰袖(福原遥)と田沼意知(宮沢氷魚)
誰袖(福原遥)と田沼意知(宮沢氷魚) - (C)NHK

 横浜流星主演の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(毎週日曜NHK総合よる8時~ほか)で花魁・誰袖(たがそで)を演じた福原遥。自身初となる時代劇、大河ドラマで苦戦したという花魁の所作や、誰袖の恋の相手・田沼意知役の宮沢氷魚、主人公・蔦屋重三郎役の横浜との再共演について振り返った。

【画像】蔦重の“仇討ち”に誰袖は…

 子役時代にはNHKの教育番組「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」(2009~2013)の主人公“まいんちゃん”として親しまれ、モデル、声優、俳優など多岐にわたって才能を発揮してきた福原。2022~2023年放送の連続テレビ小説「舞いあがれ!」では朝ドラ初出演にして主演に抜擢。初の大河ドラマ出演となる「べらぼう」では、吉原の新興勢力・大文字屋の女郎・誰袖に。禿(かむろ)上がりの振袖新造(ふりそでしんぞう)の時には「かをり」と名乗り、やがて吉原を代表する花魁となる。

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花魁の柔らかくしなやかな動きを表現

ひょうろく演じる松前廣年を誘惑する誰袖

 花魁を演じるにあたり、自分にできるのかと緊張、不安がありながらも、花魁が登場する映像作品を観て研究したという福原。ドラマの所作指導のもと、いちから所作を学んでいったという。

 「軸がぶれないように胸を使って動くこと、柔らかくしなやかに見せることを心がけていたのですが、そうした所作をお芝居の中に自然に入れるのが本当に難しくて。初めのころは実際にお芝居をして、その映像を観てみると全くできていなかったので、毎回収録が始まるギリギリまで所作ご指導の先生に教えていただいて練習を重ねて収録に挑んでいました。歩き方、しゃがみ方、立ち方のほか、話す時のちょっとした体の使い方も普段から気にして過ごしていました。キセルのほか、花魁道中のシーンでは高下駄をお借りして自宅で練習させていただきました。先生がおっしゃるには少し首をかしげる、胸を前に出すだけでも色っぽさを出せるのだと。セリフのテンポ、間の空け方においては演出の方やスタッフの方々に教えていただきながら。少しゆったり話すとミステリアスな雰囲気が出るとか、いろいろと試行錯誤していました」

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誰袖の猪突猛進な生きざまが「かっこいい!」

麗しの田沼意知(宮沢氷魚)にくびったけの誰袖

 少女時代から蔦重に思いを寄せ身請けされることを夢見ていたが、ある宴席の場で老中・田沼意次(渡辺謙)の嫡男である田沼意知(宮沢氷魚)と出会い、一目ぼれ。当時、父・意次のもと蝦夷の上知(あげち)実現に向け奔走していた意知に、協力と引き換えに身請けを迫るという大胆な行動に出る。福原は、そんな誰袖の生きざまを「かっこいい」と評する。 

 「誰袖は天真爛漫で笑顔を絶やさず生きていますが、きっと多くの苦労を秘めているんだと思います。肝が据わっていて、計算高いと言いますか、賢く生きる姿が本当にたくましいなと。台本に書かれた誰袖の“んふ”という笑い方は、誰袖らしさが前面に出る描写だなと思っていて、小悪魔的な部分や無邪気さがあのセリフだけですごく出ると感じられたので、“こうやってみようかな”とか試しながらお芝居をしていて、楽しかったです。意知に猛アタックして、全然返ってこなくても負けずにどんどんアタックしている姿もかっこよくて。意知への“責だけは果たしておくんなんし”っていう言葉だったり。意知にちょっかいを出している女郎を見て屋根から飛び降りて取っ組み合いのけんかを繰り広げたり、次にどんな行動をするのか読めない猪突猛進なところは自分とは真逆なので、必死にくらいついていきました(笑)」

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 猪突猛進な誰袖は、意知のため、松前家の江戸家老・松前廣年(ひょうろく)を誘惑して琥珀の抜荷(密貿易)をさせようと画策。スパイのような行動に出て視聴者を驚かせていたが、なぜそこまでするのか? 身請けされ吉原を出たい打算と、恋心、どちらが勝っていたのか。

 「わたしは本当にもう一目惚れと言いますか、初めて会った瞬間から“この人が好き”っていう思いでいました。理屈抜きにこの人と一緒にいたい、もっと知りたい、そういう思い。もちろん身請けされたいという思いは幼いころからあったと思いますし、いつかは……という思いでいたと思うんですけど、“この人”と思ったから意知にまっすぐぶつかっていったんだと思います」

 福原にとって特に思い出深いのが、放送時にも反響を呼んだ膝枕のシーン。「初めて意知の思いがわかって、愛情が伝わってきたすごく幸せなシーン」と振り返る。その前には誰袖が意知に初めて化粧を落とし髪を下ろした姿を見せる場面があったが、福原は「誰袖の不安が初めて垣間見えた場面」だという。

 「誰袖が初めて見せるオフの部分と言いますか。自分が本当は意知に愛されていないんじゃないかという不安が高まって、(玉田志織演じる女郎のわかなみと)取っ組み合いになって。余裕がない状態で、恥ずかしい姿を見せてしまっているけど意知の思いは知りたい。いつもは強気で、前へ前へと突き進む女の子なんですけど、あの場面だけは少し自信がなくなりそうというか、不安が初めて垣間見えた場面だったのかなと思います」

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宮沢氷魚&横浜流星との再共演

 意知を演じた宮沢とは『映画 賭ケグルイ』(2019)以来、約6年ぶりの共演となった。「当時はあまりお話しできないまま終わってしまっていたので、今回初めていろいろお話しさせていただいたのですが、柔らかく、優しく穏やかな方で。お芝居のこと、役のこと、いろいろとお話ししながら収録できたのですごくありがたかったです」と振り返る。

少女の頃から見守ってきた誰袖を見送るはずだった蔦重(横浜流星)だが……

 誰袖と意知の恋は長く続かず、第28回では意知が佐野政言(矢本悠馬)に斬られて絶命。田沼の家臣・土山(柳俊太郎※「柳」は木へんに夘)に代理として身請けされるかたちで意知と結ばれようとしていた矢先だった。悲しみのあまり生ける屍と化した誰袖を救ったのが蔦重。蔦重は刀の代わりに筆で意知の仇討ちを果たそうとし、誰袖の笑顔を取り戻すこととなる。

 「蔦重は誰袖が幼いころからお兄ちゃんのような、身内のような、いつもそばにいてくれた存在。あの瞬間も誰袖の笑顔を見たい、どうにかして助けたいっていう思いがすごく伝わってきて。ずっとそばにいてすべてを知ってくれている蔦重だからこそ、誰袖を笑顔にできたんじゃないかと思います。特に、意知が亡くなる前、身請けされる誰袖に蔦重が“とびきり幸せになれよ”と言うシーンが印象に残っています。今まで“誰袖花魁”と呼んでいたのが、最後に“かをり”って呼んでくれたんですよね」

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 蔦重を演じる横浜とは、2015年公開の映画『烈車戦隊トッキュウジャーVSキョウリュウジャー THE MOVIE』以来、約10年ぶりの共演。「本当に誰袖と蔦重のような、お兄ちゃんのように接してくださった」といい、「花魁はなるべく柔らかく、ふっと抜けたような所作が大事だったりするんですけど、初めはわたしが緊張のあまりガチガチになっていてうまくいかず“もう一回”となった時も“全然大丈夫だから”と励ましてくださって。絶対、疲れていらっしゃるはずなのに、たくさん話しかけて緊張をほぐしてくださり、本当に感謝しています」と横浜が座長として支えてくれたことを思い返す。

 現在、主演を務めるフジテレビの月9ドラマ「明日はもっと、いい日になる」が放送中、ヒロインを演じた「正直不動産」の映画版、スピッツの名曲を原案にした映画『』(12月19日全国公開)などの公開を控え、快進撃が続く福原。初めての大河ドラマ出演を振り返り「すべてが学びでした。同時に自分の力のなさを痛感することにもなり、もっともっと勉強して力をつけて、いつかまた出させていただけたらと思っています」と意欲を見せていた。(編集部・石井百合子)

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