西島秀俊、“親の子殺し”描くドラマ「葛藤しながら撮影」

俳優の西島秀俊が13日、都内で行われたPrime Videoのドラマ「人間標本」(全5話、12月19日より一挙配信)制作発表会見に出席し、“親の子殺し”という禁断のテーマを描くドラマに臨んだ複雑な心境を打ち明けた。この日は共演の市川染五郎、湊かなえ(原作)、廣木隆一監督も来場した。
【画像】西島秀俊&市川染五郎“親子”登壇!制作発表会見の様子
本作は、「告白」「母性」など数々の衝撃作を世に放つベストセラー作家で“イヤミスの女王”と呼ばれる湊かなえが、デビュー15周年を記念して、10年来温めて来た“親の子殺し”というセンセーショナルなテーマで書き下ろした同名小説の実写化。蝶の研究者である榊史朗教授(西島)が、息子・榊至(市川)を含む 6 人の少年たちを「人間標本」にしたという衝撃の告白から始まる……。
西島は「話を聞いて、とにかく参加したいと飛びついたんですけど、撮影前に準備をはじめてみると(物語の)構造が複雑でとても難しくて、ここの時はどうなってるんだ? とか、最初から(シーン毎の状況や感情などを)考えておかなきゃいけなくて、廣木監督やプロデューサーと話し合いながら進めました。蝶に関しては東京大学の先生に講義のことや蝶の特性、蝶と人間を対比させた素晴らしさなどをお聞きして、一歩一歩作品に向かったという感じです」と振り返った。
“親の子殺し”というテーマにおいては「その思いに至るシーンがもっとも難しかったです。人として越えることがほぼ不可能に近い壁ですよね。そこをどう演じるかは監督やプロデューサーとすごく話し合いました。この物語は最後まで観ると深い愛の物語で、そこがキーになるのではないかということで最後まで話し合いましたし、葛藤しながら撮影していたのが正直な気持ちです」と吐露した。
そして、「二転三転して結末が読めない物語です。誰も真実を当てる人はいないんじゃないかな。今すごく、いろいろ考察しながら観てくださる方が多くて、いろんな考察をされると思うんですけど、原作を読んでいない人は絶対にわからないと思います」と自信をのぞかせる西島。最後に「実は深い深い愛の物語だということがわかります。ぜひ最後の最後まで観ていただきたいと思います。楽しみにお待ちください」と呼びかけた。
湊は「子供が成長してエンターテイメントとして楽しめるようになるまで書いてはいけないと思っていた【親の子殺し】というテーマ、『告白』の頃からいろんな形で問い続けてきた“人は同じものを見ているのか?”。新しい試みとして“父と息子の物語”。たくさんのことに挑んだ作品を蝶の目や芸術を通して描こうと思いました」と語り、廣木監督や西島らによって生み出された本作に大満足していた。(錦怜那)


