竹野内豊らイベントで黙祷「助け舟の本当の意味を感じた」 駆逐艦「雪風」描く映画公開

太平洋戦争中に実在した駆逐艦「雪風」を題材にした映画『雪風 YUKIKAZE』(公開中)の初日舞台あいさつが15日、都内で行われ、主演の竹野内豊をはじめ玉木宏、奥平大兼、當真あみ、田中麗奈、中井貴一、脚本の長谷川康夫、山田敏久監督が登壇。終戦の日となるこの日、冒頭、登壇者全員による黙祷が行われた。
本作はミッドウェー海戦、レイテ沖海戦など、太平洋戦争の激戦をくぐり抜けてきた、実在の大日本帝国海軍駆逐艦「雪風」の乗組員やその家族らの姿を描く人間ドラマ。
「雪風」の艦長・寺澤一利を演じる竹野内は、本作について「今まで何気なく使っていた『助け舟』の言葉の本当の意味を『雪風』という作品から感じることができました。今、この時代も多くの人が助け舟を求めていて、それが必要な時代にこの映画を送り出すのは必然だったのではと思います」と感慨深げに話す。
また竹野内は「戦後80年という節目で、人々の記憶から戦争の実感が薄れる中、当時生きていた人がどのような思いで生きていたのかや、当時の人々の心情などをこの映画で体感してもらうことで、より多くの人の記憶に戦争を残すことができると思います」と願いを込めた。
「雪風」の水雷員・井上壮太役の奥平についても言及し、竹野内は「奥平さんが水の中に入るシーンがあるんですけど、タイミングが合わなかったりして一発で決まらなかった。何度も撮り直すのですが、『何度でもやります』って言って挑戦していて、根性があるなと思いました」と奥平を絶賛。奥平はこの言葉に恐縮気味で「水が怖いのでビビりながらやっていたんです。なんとか気合いを入れてやってよかったです」と笑顔を見せる。先任伍長・早瀬幸平を演じる玉木も同じように奥平の海での撮影の演技を絶賛していた。
竹野内は玉木についても「玉木さんとは、会話の長いシーンがあるんですけど、役者同士にしかわからない間合い、空気感を感じました。本番直後にはすごくいい空気が流れていた気がします。玉木さんのおかげでいいシーンになった」と玉木の現場での佇まいもしみじみと回顧。
玉木も「僕たちの間にしか流れていない空気を僕も感じました。最初から最後まで長回しで撮ると、わかるんです。すごくリアリティを感じながら撮影をすることができました」と竹野内に同調し、妻役の田中も「竹野内さんとのシーンは『ただいま』というシーンから始まりました。竹野内豊さんの持つ温かい空気感にすっと入らせてもらった気がします。幸せで温かい時間を一緒に過ごすことができた」と振り返っていた。(取材・文:名鹿祥史)
お詫びと訂正:初出時に一部のキャスト名に誤りがありました。お詫びして訂正致します。


