芦田愛菜＆岡田将生、ベネチアで10分超えスタンディングオベーション『果てしなきスカーレット』世界初上映

　現地時間4日、俳優の芦田愛菜と岡田将生が、イタリアで開催されている第82回ベネチア国際映画祭の「アウト・オブ・コンペティション部門」に選出された映画『果てしなきスカーレット』（11月21日公開）の公式上映に出席。芦田はブルーのワンショルダードレス、岡田は襟から裾にかけてラメ生地があしらわれたオールブラックのタキシードをまとい、リムレスグラス姿で登場。ベネチアレッドカーペットデビューを飾った。会場には、細田守監督も出席した。

【画像】芦田愛菜、艶やかワンショルドレスで魅了！ベネチア映画祭レッドカーペット

　公式上映は映画祭のメイン劇場である「パラッツォ・デル・シネマ」にある「Sala Grande（サラ・グランデ）」で開催。上映に先立ちレッドカーペットを歩いた3人は、笑顔で手を振りながら、各国のカメラマンからのフラッシュを浴び、メディアの取材に応じるだけでなく、会場に詰め掛けたファンに対しても、本作の英語版チラシ、細田監督の過去作の書籍やポスターにサインや記念撮影を求められると快く応じ、初のレッドカーペットイベントを楽しんだ。

　カーペットを歩いた芦田は「作品を楽しみにしてくださっていたお客様がたくさんいらっしゃって、スカーレットや聖や監督の写真を持って、サインをお願いされる方もいて、その気持ちが嬉しかったです！」と感謝。岡田も「映画を愛する人たちが集まっていて、心から映画というものに関われる仕事ができてよかったなと思いながら歩きました」と喜びを噛みしめる。

　1,032席のチケットは発売開始後から20分で完売したといい、会場にはチケット争奪戦を勝ち抜いた性別・年齢を問わず幅広い層の観客が詰めかけた。いざ上映が始まると、ストーリーが進むにつれ、鼻をすする音や涙をぬぐう観客の姿も多く見られたといい、本編が終了すると、エンドロールの最中から拍手と歓声が巻き起こり、10分間を超える鳴りやまないスタンディングオベーション。惜しみない拍手が鳴り響いた。

　細田監督は、芦田、岡田と互いを讃え合うように握手を交わし、一緒に作品を鑑賞した関係者へは一人一人感謝の握手を求め、その姿に会場からはさらに大きな拍手が。世界初上映を終えた細田監督は「みんなに届いた感じがすごく分かって、届いたよって拍手をして伝えてくれたので、それがすごく嬉しかったです！」と会場の反応を受け、興奮冷めやらぬ様子。また、芦田も「皆さんと一緒に、同じ場面で同じ瞬間に見ることが出来て、すごく楽しかったですし、上映後に笑顔で拍手をしてくださったその笑顔が嬉しかったです」と喜びを明かし、岡田は「この空間が幸せ過ぎて、ダイレクトに観てくださった方々の映画に対する想いが伝わってきたので、すごく嬉しかったです。一生忘れない時間になったと思います」と笑顔で語った。

　上映後の観客からは「アニメーションの表現も、前作と比べてすごく進化していると感じました。手描きとは違った、より立体感のある表現がとても綺麗だと思いました」（30代女性）、「これまで細田監督の作品は観たことがなかったのですが、本当に素晴らしかったです。“生と死”が混じる混沌とした世界から始まった物語が、あのようなフィナーレを迎えることに大変感動し、泣いてしまいました」（20代女性）、「スカーレットを演じた芦田さんの演じる声が素晴らしかったです。特にスカーレットが苦しんでいるところなどの内面の演技に胸を撃たれました」（20代女性）などの声があがっていた。

　『果てしなきスカーレット』は、父の復讐に失敗したある国の王女スカーレットが、≪死者の国≫で、再び宿敵に復讐を果たそうとする姿を描く細田監督の最新作。スカーレットの声を芦田が、スカーレットと共に旅をする現代の日本人看護師・聖（ひじり）の声を岡田が担当。二人の前に立ちはだかる最凶の宿敵・クローディアスを役所広司が演じるほか、市村正親、吉田鋼太郎、斉藤由貴、松重豊、山路和弘、柄本時生、青木崇高、染谷将太、白山乃愛、白石加代子ら豪華俳優陣がボイスキャストを務める。（編集部・入倉功一）