高杉真宙主演、家族の嘘と絆を描く『架空の犬と嘘をつく猫』2026年1月公開決定

　高杉真宙が主演し、本屋大賞にノミネートされた寺地はるな氏の同名小説を実写化する映画『架空の犬と嘘をつく猫』が、2026年1月9日より全国公開されることが決まった。併せて、初映像となる予告編とポスタービジュアルが公開された。

【動画】家族の嘘と絆を描く…映画『架空の犬と嘘をつく猫』予告編

　本作は、弟の死により現実を見なくなった母親を筆頭に、家族誰もが“不都合な真実”から目をそらしながらも一緒に暮らす、機能不全の羽猫家の約30年間を描く物語。不完全でやっかいで、でもどこか愛おしい家族の“嘘”と“絆”を丁寧に映し出していく。監督は『愛に乱暴』の森ガキ侑大、脚本は『浅田家！』で日本アカデミー賞脚本賞を受賞した菅野友恵が手掛ける。撮影は、原作の舞台である佐賀県で全編ロケが行われた。

　高杉が演じるのは、主人公の羽猫山吹。山吹の幼馴染で恋人となる佐藤頼を伊藤万理華、山吹の初恋の相手・遠山かな子を深川麻衣が務め、正反対の女性像を体現する。さらに、山吹の母親役に安藤裕子、姉役に向里祐香、父親役に安田顕、祖母役に余貴美子、祖父役に柄本明と、幅広い世代の実力派俳優が集結。また、お笑いタレントのヒコロヒーや佐賀出身のはなわなど、個性豊かなキャストが脇を固めている。

　公開された予告編映像では、山吹が子供の頃を「全然いいことがなかったとよ」と佐賀弁で回想するシーンから始まる。弟の死を受け入れられない母親や、山吹に現実を突きつけようとする姉、そして愛人と親密な時間を過ごす父親の姿などが描かれ、壊れていく家族の様子が映し出される。また、大人になった山吹が子供時代の自分を「けなげな子のフリばしとっただけ」と振り返る様子や、祖母が「あんたもあんたの人生ば生きんしゃい」と語りかけるシーンも収められ、30年の時を経て変化していく家族の姿が描かれる。ポスターは、羽猫一家と山吹の恋人・頼を写したもの。向き合うことなく一列に並び、全員がバラバラの方向を向いている様子が切り取られ、“機能不全”な家族を表現したビジュアルとなっている。監督とキャストのコメント全文は以下の通り。（加賀美光希）

森ガキ侑大監督

「家族」という集合体は、愛情や安心を与えてくれる存在であると同時に、葛藤や緊張の源にもなる。
私にとってまだ得体の知れない存在です。
そんな“やっかいで愛おしい家族”を、素晴らしいキャストとスタッフと共に佐賀の優しい風と風景の中で紡ぎました。
主演の高杉くんをはじめ、全員が本当に生き生きと輝いていて、その姿に何度も心を動かされました。
この映画は、ゆっくりと流れる川のように“時”が過ぎていく物語です。まさに人生そのもの。
そして、その“時”のほんの一部に、観客のみなさんの人生を重ねていただけたら、これほど幸せなことはありません。ぜひ劇場で体験していただきたいです。
そして、寺地先生に心から感謝しています。この繊細であたたかく、そして少しほろ苦い物語を映画として演出させていただけたこと。

高杉真宙／羽猫山吹役

家族のカタチは、それぞれの家庭にあり、他人には見えないだけで、
順風満帆なだけのカタチはないと知らないだけで、そこにはそこの苦労があるんだと。
それでも家族だから、カタチを維持するために、山吹含め、それぞれが嘘を抱えた家族の物語となっております。
嘘と愛の物語です。
よろしくお願いいたします。

伊藤万理華／佐藤頼役

自然がいっぱいな佐賀の景色は、人と人が関わるヒリヒリとした瞬間もやさしく見守り包んでくれていました。
季節が移り変わる中で、唯一変わらない山吹と頼の二人の時間がとても好きでした。
撮影に戻るたび、「おかえり！」と笑顔で迎えてくださったチームの皆さまに支えられ、大切に寄り添えた特別な作品です。

深川麻衣／遠山かな子役

タイトルに入っている“犬”と“猫”の意味が、読んだあととても愛おしく感じました。
なにが正解でも不正解でもなく、0でも100でもなく、それでいいんだよと、山吹の人生を通して自分まで丸ごと肯定してもらえるような、とてもあたたかい作品です。
ぜひ劇場で楽しんでいただけたら嬉しいです。