「マーベル・ゾンビーズ」映画化が頓挫していた 理由はスパイダーマン参戦「契約上の問題」

ディズニープラスで配信中のマーベル新作アニメーション「マーベル・ゾンビーズ」は当初、全4話のシリーズではなく長編映画として企画されていた。本作の監督を務めたブライアン・アンドリュースが、アニメシリーズにシフトした経緯をVarietyに明かしている。
【画像】アベンジャーズ、サノスもゾンビ化…「マーベル・ゾンビーズ」場面写真
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のヒーローたちがゾンビ化した世界を描いたアニメ「ホワット・イフ…?」シーズン1第5話から派生した本作。パンデミックを終わらせるカギを発見したヒーローたちが、ゾンビ化したアベンジャーズと戦いを繰り広げる。
アンドリュース監督によると、「マーベル・ゾンビーズ」は時間や予算と睨めっこしながらの制作だったという。「『君たちに与えられるのはこれだけだ』と言われて、僕らも『なんてこった! 分かったよ』と受け入れるしかなかった。制作開始の時点では、どこまでできるのか、上限が分からなかったんです」
マーベルから釘を刺されたアンドリュース監督は、2時間尺の長編映画にしようと決断。「本当にエピックなものになるはずだったんです」と期待を膨らませていたが、ここで新たな問題が浮上した。
アンドリュース監督は、「スパイダーマンを登場させていたため、契約上の問題が出てきました」と証言。スパイダーマンは、マーベル・スタジオとソニー・ピクチャーズが実写シリーズを共同で製作しており、別途ソニーは長編アニメーション映画『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズを単独で展開している。マーベル・アニメーションが「マーベル・ゾンビーズ」を長編映画化した場合、スパイダーマン参戦は権利関係の問題に引っかかるということだ。
ソニーとの契約問題が関わってくることを知ったアンドリュース監督は、「それでは無理だ」と映画化を断念。結果的に、映画として練っていた物語を4つのチャプターに分割したことで、現在のアニメシリーズに着地している。
ちなみに、完成した全4話も「もっと時間があれば各エピソードを長めにして、じっくり描きたかった」とアンドリュース監督。「もし、皆さんが作品を気に入ってくれて、オンライン上で『もっと観たい!』と声を上げてくれれば、次はもっと多くの時間と予算を与えてもらえるかもしれません」とシーズン2への意欲も語っている。(編集部・倉本拓弥)
「マーベル・ゾンビーズ」はディズニープラスにて独占配信中


