主役はペンギン？『ペンギン・レッスン』場面写真一挙公開
世界22か国で刊行された、実話に基づくベストセラーを映画化した『ペンギン・レッスン』 (12月5日公開)の場面写真が公開された。
1976年、軍事政権下のアルゼンチンで、夢を失い希望を見つけられずにいた英国人の英語教師トムは、名門寄宿学校に赴任する。混乱する社会と手ごわい生徒たちに向かう中、旅先で出会った女性と共に、重油にまみれた瀕死のペンギンを救うことになる。ところが女性にはふられ、残されたのはペンギンだけ。海に戻そうとしても不思議と彼の元に戻ってきてしまう。こうして奇妙な同居生活が始まった。彼は「フアン・サルバトール」と名付けたそのペンギンと、不器用に少しずつ心を通わせていき、「本当に大切なもの＝人生の意味と、生きる喜び」を取り戻していく。
世界中の映画祭で喝采を浴び、アメリカ、ヨーロッパでスマッシュヒットを記録した本作は、実在の教師トム・ミッチェルが自らの体験を綴った回顧録に基づいて描かれた。原作「人生を変えてくれたペンギン 海辺で君を見つけた日」（ハーパーコリンズ・ジャパン刊）は、世界22か国で刊行されベストセラーになっている。監督は大ヒットしたコメディ映画『フル・モンティ』（1997）のピーター・カッタネオ。主演を務めたのは、『ロスト・キング 500年越しの運命』（2022）などの名優スティーヴ・クーガン。『あなたを抱きしめる日まで』（2013）でクーガンと共に脚本を担当したジェフ・ポープが本作でも脚本を執筆し、人生を諦めかけていた英語教師トムの繊細なキャラクターをクーガンと一緒に丁寧に作り上げた。さらに、『2人のローマ教皇』（2019）でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたジョナサン・プライスが校長を好演。もう一人の主人公、ペンギンのフアン・サルバトール役は主に2羽のマゼランペンギンが担った。
今回公開されたのは、サルバトールに心奪われた登場人物たちを写したコミカルな場面カットの数々。サルバトールとトムが一緒に教壇に立つカットや、嬉しそうにサルバトールに魚をあげる生徒たち、教師の悩み相談に乗るサルバトール、海に戻るのを拒むサルバトールなど、愛らしい一羽のペンギンが人間たちを笑顔にする様子が伝わってくる。新宿ピカデリー、TOHOシネマズ シャンテほかで全国公開。（北山郁）
