「ばけばけ」遊女なみ役・さとうほなみ、ヒロインオーディションを受けていた

連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)で遊女・なみを演じているさとうほなみが、同作のヒロインオーディションに参加した時のエピソード、ヒロイン・高石あかり(高=はしごだか)らとの共演シーンについて語った。
朝ドラ113作目の「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘で、作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・小泉セツがモデルのオリジナルストーリー。島根や熊本などを舞台に、急速に西洋化が進む明治日本の中で埋もれていった人々や、怪談を愛する夫婦の何気ない日々を描く。
農家の家に生まれたなみは、境遇に沈まない、明るくたくましい女性。八人兄弟の長女として貧しい暮らしを支えてきたが、借金を背負った家族を養うため、天国遊郭の遊女となる。没落して近くに越してきた松野トキ(高石)を、なにかと気にかける。
Q:「ばけばけ」出演が決まったときの気持ち
実は私、「ばけばけ」のヒロインオーディションに参加させていただいたんです。年齢が募集要項ギリギリアウト!? ぐらいだったので(笑)まぁ無理だろうと思っていましたが、いざオーディションに行ってみるととても楽しくて! いい方たちに巡り会えた楽しいオーディションだったし、結果は無理でもいいかと思いながらほこほこした気持ちで帰っていたら、なみ役で出演のお話をいただきました。「またみんなに会える!」という思いが大きかったです。
Q:演じるなみについて
家柄に恵まれず、8人の兄弟と親孝行のために自分の身を売って遊女になるというなみの覚悟はすごいものだったと思います。なみには明るく、めげない人でいてほしいというリクエストがあったのですが、遊女を演じるに当たっていろいろ調べてみると、明るく生きていられるような人生じゃないんですよね。実際に松江の大橋川へ行ってみても風がすごく強くて橋もすごく長くて、遊郭から出られないなみにとって川がいかに大きな壁だったかがよくわかりました。
なみが自分だけでは気丈さを保てない時は、おトキやおサワ(円井わん)など町の面々が支えてくれているのを感じます。遊女への偏見はあるけれど、なみが関わる人たちはみんな温かく接してくれるんです。勘右衛門さん(小日向文世)以外は(笑)。
小さい町で大きな川をずっと目の当たりにしながら生きてきたなみは、おトキに「心の友よ」という気持ちも持っているはず。だからおトキの姿を見るとうれしいし、自分も彼女の力になりたいという気持ちが大きいんです。おサワには今のところ嫌われていますが、なみはおサワのこともたぶん好き。おサワには「本当は私のこと、好きなくせに~!」と思っている気がします。この先おトキ、おサワ、なみの心が近寄って3人が仲良くなれるといいなあ。
Q:撮影現場や共演者の雰囲気について
現場はもう和気あいあい。みんな割とマイペースに自分時間を楽しんでいますが、すごくまとまったいい雰囲気です
おトキ役の高石あかりちゃんは、一緒にやらせてもらうと目力が強くてカーン! ときます。なみを演じているとなぜか人に近寄りたくなってゼロ距離になってしまうので、カーン! と目力を浴びることがよくありますね。彼女自身のコミカルさやキュートさがお芝居でもすごく光る印象です。コメディーチックなほうにも、シリアスなほうにも行ける、どっちにも転べる方なので見ていてすごく楽しいです。
おサワ役の円井わんちゃんはシンプルにフラットにお芝居をされる印象。何もしなくても何かしている、構えてないのに技出てる! みたいな感じです。
Q:「ばけばけ」の見どころ、視聴者へのメッセージ
脚本家のふじきさんは「何も起きないです」と言ったけど、「どこが!? 全然起きてるけどなぁ!??」と思いながら台本を読ませてもらっています(笑)。脚本も本当に面白くて、それがドラマとして映像になるとさらにすごい力がプラスされていると思ったので、朝忙しいかもしれませんがぜひ釘付け(くぎづけ)になって隅々までご覧ください。朝に見て癒やされるドラマになっているはずです!
(編集部・倉本拓弥)


