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「ばけばけ」フミ・池脇千鶴は“キーマン” 24年ぶり朝ドラ凱旋、制作統括が明かす起用理由

池脇千鶴ふんする松野フミ(中央)
池脇千鶴ふんする松野フミ(中央) - (C) NHK

 14日に放送された連続テレビ小説「ばけばけ」(NHK総合・月~土、午前8時~ほか ※土曜は1週間の振り返り)第7週・第35回では、ヒロイン・松野トキ(高石あかり※高=はしごだか)が母・フミ(池脇千鶴)や三之丞(板垣李光人)を前に、激しく感情を高ぶらせるシーンが描かれた。制作統括の橋爪國臣が、松野家における“キーマン”だという池脇の起用秘話や、撮影現場でのエピソードを語った。

トキ(高石あかり)の秘密がすべてバレてしまい…【第35回場面写真】

 連続テレビ小説の第113作「ばけばけ」は、松江の没落士族の娘・小泉セツとラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルに、西洋化で急速に時代が移り変わっていく明治日本の中で埋もれていった人々をフィクションとして描く。「怪談」を愛し、外国人の夫と共に、何気ない日常の日々を歩んでいく夫婦の物語。

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 橋爪は「松野家は池脇さん演じるフミでもっている」とフミの重要性を説く。「トキも勘右衛門(小日向文世)も司之介(岡部たかし)も自由にやっていますが、そこに楔を打つ芝居をするのが池脇さんです。みんながコミカルな芝居をしても最終的にリアルに引き戻していく役割で、池脇さんがいるからこそ松野家は締まるんです」

 池脇は、2001年度後期放送の「ほんまもん」で朝ドラヒロインを務め、本作で24年ぶりに朝ドラ凱旋を果たした。橋爪は「池脇さんは朝ドラのヒロインの経験があって、アイデアをたくさん話してくれます。みんなを引っ張ってくれて、本当に頼りになる存在です。出演していただけて嬉しいと思いながら、いつも池脇さんの芝居を見ています」と撮影現場での池脇の様子を紹介する。

 「ヒロインの時はほぼ毎日撮影があって、それをこなされてきた。今回も母親役で出番が多くて大変ですが、役同様、母親のような存在感で現場を盛り上げてくれています」

第35回でのトキ&フミ - (C) NHK

 撮影現場では、池脇が高石にアドバイスをする瞬間もあるといい、「松野家はみんな仲がいいんです。楽しく笑いながら、撮影の合間もいろんな話をして盛り上がっています。岡部さんが8割くらい一人で話しているんですけど(笑)、池脇さんは角が立たないように現場がより良くなるよう振る舞われていて、高石さんもそんな池脇さんの存在に随分助けられていると思います」と振り返る。

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 橋爪によると、当初、フミ役のキャスティングは悩んでいたという。「最初は誰に声をかければいいか、正直迷いました。誰だったらこの役をやれるだろう、めちゃくちゃ難しいぞ、と。いろいろな方の名前が挙がりましたが、なんとか池脇さんに出てもらえないかと思い、声をかけました。コメディエンヌのようだけど、みんなをうまくまとめていく力を持った人。ダメもとでいいから聞いてみようと思ったら、数日で出ますとお返事をもらえて嬉しかったです。脚本を読んで『やってみようと思った』と言われ、すごくありがたいと感じました」

 橋爪は「みんなで顔合わせをして本読みをした時、フミさんについて『どう演じればいいんですか』と池脇さんに聞かれました」と撮影前の池脇の様子も回顧する。「コメディエンヌみたいですけど…と言われたので、『真面目に演じてください』と返しました。岡部さんはふじき(みつ彦)さんの台本をうまく掴んでいて、岡部さんの読み方を見て、池脇さんもそういう風にやった方がいいんだと理解されたようです。真面目に生きているから楽しいんだ、彼らが一生懸命やって、周りがそれを面白く感じてくれればいいということを話しました」

 第35回では、そんなフミや三之丞の前でトキが感情を爆発させ、啖呵をきるシーンが登場した。橋爪は、高石の演技を「あの爆発力はすごい」と絶賛すると、「気合の入ったシーンでした。あのシーンの前、現場はすごく緊張感がありました。絶対撮り逃さないよう、みんなが気持ちを入れて撮影に臨んだんです。気合の入り方が本当にすごかった」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)

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