綾野剛、撮影現場も舞台挨拶も仕切る大活躍 「マイク通しちゃだめですよ」監督フォロー

綾野剛が18日、都内で行われた主演映画『星と月は天の穴』(12月19日公開)の完成披露上映会に登壇し、荒井晴彦監督の代わりに現場を仕切っていたことが明かされた。また、咲耶、田中麗奈、荒井監督も来場した同イベントでも、綾野の気遣いで会場は和やかな空気に包まれた。
映画『ヴァイブレータ』などの脚本や『火口のふたり』などの監督作で知られる荒井晴彦が、芥川賞作家・吉行淳之介の小説を映画化。1969年。過去の離婚経験から恋愛に尻込みする一方で、愛されたい願望をこじらせる小説家・矢添克二(綾野)は、執筆する小説の主人公に自分を重ねて精神的な愛の可能性を探ることを日課にしていた。そんな中で知り合った大学生・瀬川紀子(咲耶)との情事をきっかけに、彼の日常と心が揺らぎ始める。
映画『花腐し』(2023)以来のタッグとなった綾野について、荒井監督は「俺よりも役について考えてくる役者」と評し、本作の現場では「俺はあんまり何も言わないんで、綾野が代わりに彼女(咲耶)にコーチしていた」と打ち明ける。田中演じる娼婦・千枝子がタバコをくわえてペディキュアを塗るシーンも綾野のアイデアであることを明かす荒井監督は「監督はあっち」と綾野を見やる。
綾野は「違いますよ」と笑い、「助監督の竹田(正明)さんと共に監督の話を聞いて、『多分こういうことを言ってるよね?』と話をして、それをそのまま(田中に)伝えに行った」と、あくまでも仲介したに過ぎないと強調した。
荒井監督は、たまたまインカムを通して聞いてしまった綾野と田中の会話も報告。「『あの人のK点がよくわからないよね』とか言っていてゾッとした」と苦笑いすると、田中は「(荒井監督は)何もおっしゃらない感じがありますよね。(ご一緒するのは)初めてだから緊張して、本当に(自分は)できているのかな? というのはあった」と伝え、「『あの人、何言ってるかわからない』とは言わないです(笑)」と否定。綾野は「カットがかかってからOKかOKじゃないか、ぼやーとする時があって、監督を見に行くと、寝てる? お休みになられてる? みたいな(時があった)。それくらい静かだったので(反応がわかりにくかった)」と荒井監督をフォローした。
舞台挨拶でも綾野に助けられっぱなしの荒井監督。MCから原作に惹かれた理由を問われた場面では「ちょっと言いづらい。言わなくちゃダメなのかな?」とモジモジ。綾野が「確認しましょうか?」と荒井監督の口元に耳を寄せるが、荒井監督はマイクを持って話そうとしたため、綾野は「マイク通しちゃだめですよ。そういう場合は」とツッコみ、会場は笑いに包まれる。要するにセクシーな話になるため言えなかったのだが、綾野はどうにかこうにかオブラートに包んでいるかのように説明するも、意外とわかりやすかったため、「結構つぶさに伝わっているかもしれません」とMCを焦らせていた。
降壇時、綾野は階段を下りる田中と咲耶をスマートにエスコート。撮影現場でも舞台挨拶でも大活躍だった。(錦怜那)


