『仮面ライダーガヴ』宮部のぞみ×鎌田英怜奈「幸果の優しさに救われた」ヒロイン&悪役を超えた距離感

特撮ドラマ「仮面ライダーガヴ」テレビシリーズ最終話のその後を描くVシネクスト『仮面ライダーガヴ ギルティ・パルフェ』。1年間かけて紡がれてきた「ガヴ」物語の集大成となる同作で、ヒロイン・甘根幸果を演じた宮部のぞみと、リゼル・ジャルダック役の鎌田英怜奈がインタビューに応じ、Vシネクストで実現した幸果とリゼルの共演シーン、1年間かけて向き合ったキャラクターへの思いを語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥、写真:中村好伸)
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『仮面ライダーガヴ ギルティ・パルフェ』の舞台は、主人公・ショウマ(知念英和)たちの戦いによって、闇菓子が消えてからしばらく経った世界。人間とグラニュートとの共存が進む中、ある日、傷ついた少女たちと狩藤医院を訪れた絆斗(日野友輔)は、彼女たちのグループにグラニュートのリゼル・ジャルダック(鎌田)と闇菓子を流通させようとしている若い男性がいることを知る。複雑な心境を抱く絆斗だが、彼の身体はかつての改造手術によりむしばまれていた。
幸果はどんな時も味方でいてくれる
Q:「仮面ライダーガヴ ファイナルステージ」が全公演を終え、残すはVシネクストのみとなりました。「ガヴ」の本当の終わりが迫る中、現在の心境は?
宮部のぞみ(以降、宮部):ファイナルステージが終わり、一つの区切りを迎えていたので、今はすごく新鮮な気持ちでVシネクストの上映を迎えています。
鎌田英怜奈(以降、鎌田):Vシネクストが上映されたら本当に終わりだと思うと寂しいです……。次はいつみんなに会えるのか、明確な予定はありませんが「また戻ってこられる日はいつかな?」と少し未来のことも考えちゃったりしています。
Q:(宮部さんへ)幸果はショウマたちの心の拠り所であり、彼女の包容力に救われた視聴者の方も多かったです。宮部さんがこの1年間で、幸果に救われた瞬間はありましたか?
宮部:私が何か上手くいかなかったことがあった時に「幸果だったら私の今までの努力を認めてくれる」と思ったりして、撮影中はしょっちゅう幸果に助けられていました。幸果だったらどんな時も味方でいてくれると思っているので、心のお守りみたいな存在でした。
Q:テレビシリーズ終盤で印象的だったのは、第46話「決意のショウマ」で幸果がショウマに対して繰り出した愛ある頭突きです。台本上には「頭突きする」とは書いていなかったそうですが、あれは宮部さん発案だったのでしょうか?
宮部:みんなと撮影現場で話し合って、その日に決まりました。本当に頭突きをすると危ないので、実際はスローで撮影しています。裏話になりますが、一回だけ気持ちが入ってしまい、間違えてショウマに本気で頭突きをしてしまったんです。でも、そこから気持ちをぶつけられるイメージがつきやすくなりました。言葉以上の感情を出すことができた不思議な瞬間でした。
家族以上に一緒に過ごしたジープ&リゼル
Q:(鎌田さんへ)リゼル・ジャルダックを演じる上で意識していたことはありますか?
鎌田:リゼルはすごく怖いセリフをニコニコしながら話すので、その不気味さを意識しながら演じていました。眼力があると言っていただけることも多く、外見と発言内容のギャップから、彼女の怖さを表現できたらいいなと思ってました。
Q:リゼルの結婚相手・ジープを演じた古賀瑠さんとの共演はいかがでしたか?
鎌田:瑠くんとは同じ事務所で、仮面ライダーで共演する前からお友達でした。「仮面ライダーガヴ」の撮影期間中も一緒に同じ舞台に出演していたので、稽古を終えた後にジープ&リゼルとして撮影したり、「ガヴ」の撮影現場からそのまま一緒に劇場入りして舞台の公演に挑んだり、家族以上に一緒に過ごす時間がありました。ある意味“ジープ&リゼル夫婦”みたいで楽しかった思い出です。
Q:テレビシリーズでは幸果&リゼルの共演シーンがほとんどありませんでしたが、お二人は撮影の空き時間などで交流を深めていったのですか?
宮部:テレビシリーズの撮影では、空き時間もほとんど被らなかったよね……。
鎌田:リゼルが高いところから話すシーンは、撮影が被っていた気がします。実は以前、のんちゃん(宮部)が撮影所から帰る途中ですれ違っていたんです。気づいてたかな……?
宮部:えっ、そうなの!? 声かけてよ~!!
鎌田:その時は(リゼルとして)撮影に入る前で、私が一方的に知っている状態でした。私は心の中で「幸果さんだ~!」と思いながらも、制服姿だったので声をかけられず……。「いつかお会いしましょう」と思いながら歩いていました。
宮部:初対面は、ジープも一緒にいる時でした。初めて挨拶した時に「幸果さんだ~! 会いたかった!」と来てくれたんです。私の中では、不気味な笑顔の闇深いリゼルのイメージが強かったので、実際に会ってみたら(当時)15歳の少女で本当に可愛いかったです。
Q:お二人が意気投合した趣味やトークテーマはありましたか?
宮部:女子トークが多かったよね!
鎌田:恋バナが多いです!
宮部:「友達にこういうことがあったんだ~」とか! そういった話題で盛り上がっていました。
「私も味方だよ」幸果に恩返しがしたい
Q:Vシネクストでは、ついに幸果とリゼルの共演シーンが誕生しました。二人のシーンを撮影してみた感想は?
宮部:リゼルとは(テレビシリーズで)実際に戦ったりはしていませんが、怖い存在として見ていました。しかし、今作で深く関わってみたら、怖いと思っていた部分も、辛いことが重なった結果でこうなってしまったのかなと感じたり、リゼルの弱い一面が垣間見えたので、“敵”から“守りたい存在”に変わりました。
鎌田:リゼルは人間界にひとり取り残された状態だったので、「幸果さん~!」とも言える立場ではありません。でも、幸果さんの「絶対に見捨てない!」という優しさに、リゼルとしても、私自身もすごく救われましたし、みんなが本当に幸果さんのことを好きな理由がわかりました。
Q:1年間演じてきた幸果とリゼルに、何か言葉をかけてあげるとしたら?
宮部:「私も味方だよ」です。幸果は常にみんなの味方で、みんなのことを励ましてきた存在なので、次は私が幸果の支えになりたい。幸果に恩返しがしたいです。
鎌田:「その時その時を大切に生きてほしい」です。あと、一回でいいから出来上がった食べ物をグチャグチャにしないで、そのまま食べてほしい(笑)。キレイに食べる美味しさもあるよって伝えてあげたいです。
Vシネクスト『仮面ライダーガヴ ギルティ・パルフェ』は新宿バルト9ほかにて全国期間限定上映中、Blu-ray&DVDは2026年6月10日(水)発売


