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「ウルトラマンオメガ」ソラト&コウセイに衝撃の結末 武居正能監督が紐解く最終話の真実【総括インタビュー】

衝撃の結末!- 画像は「ウルトラマンオメガ」最終話より
衝撃の結末!- 画像は「ウルトラマンオメガ」最終話より - (c)円谷プロ (c)ウルトラマンオメガ製作委員会・テレビ東京

 特撮ドラマ「ウルトラマンオメガ」が、17日放送の第25話「重なる未来」で完結した。ついに明らかになった宇宙観測隊員としてのオメガの正体、記憶の狭間で苦悩するソラト、人類がその手で生んでしまった最大の脅威ゾメラ。そして迎えた衝撃の結末ーー。2クール・全25話を走り終えた今、ファンはどのように本作を受け止めているだろうか。最終2話を手がけたメイン監督の武居正能がインタビューに応じ、これまで語れなかった作品成立に至る背景、最終話に込めた想いを明かした。(以下、最終話のネタバレを含みます)

【動画】衝撃の最終回!近藤頌利&吉田晴登が明かすラストの解釈&サプライズの裏側

最終話は「ウルトラマンオメガ」の“エピソードゼロ”

ラスボスとしてオメガの前に現れた殲滅細胞怪獣ゾメラ(右)- (c)円谷プロ (c)ウルトラマンオメガ製作委員会・テレビ東京

 「ウルトラマンオメガ」の最終話。ゾメラの攻撃を受けたコウセイ(吉田晴登)の命を繋ぎとめるため、ウルトラマンオメガ=オオキダ ソラト(近藤頌利)の取った行動は、自らがコウセイと一体化することだった。これに関して武居監督は「全25話を費やしてエピソード0、いわゆる第1話の最後を作ろうと思いました」と大胆な構想を明かす。

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 武居監督は「最後の最後で変身者が変ってしまうことに関しては『果たしてこれが受け入れられるか?』との難色も一部ではありましたが、何より僕自身がやりたかった、それに尽きます。今回、プロデューサーの村山和之さん、シリーズ構成の根元歳三さん、足木淳一郎さんと共にかなり難しいテーマに挑戦していることは自覚していて、今までのウルトラマンシリーズではこういった作り方はなかったはずです」と大きな挑戦であったことを述べる。

 また、監督自身がこの結末を導き出したのは、心境の変化もあったという。「僕が最初に撮ったウルトラマンは『ウルトラマンオーブ』の第18話『ハードボイルドリバー』(※)で、この回は自分でプロットも書いたんですけど、主人公のクレナイ ガイに“太陽は沈んだら見えなくなる。だけど、地平線の向こうでずっと輝いている”と言わせていて、要は“ヒーローは孤独だ”ということをテーマにしていたんです。当時の自分は、ウルトラマンは正体を知られてはいけないし、見返りを求めず、あくまで自信の信念に基づいて戦い続ける孤独な存在だと考えていました」(※放送順は第13話「心の大掃除」が先になるが、こちらは総集編パートを含む振り返り回となるため、純粋な1エピソードとしては第18話が「最初」ということになる)

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メイン監督を務めた武居正能監督

 その「オーブ」から約10年の歳月が流れ、時代の変遷も手伝い、武居監督の中で「ずっとヒーローは孤独であれば孤独であるほどカッコいいと思っていたけど、必ずしもそうじゃなくてもいいんじゃないか」との考えに至り、そうした思いは『オメガ』の作中にも反映されることとなった。ソラトは第1話で早々にコウセイにオメガとしての正体を知られ、共に戦うようになり、再定義されたヒーローの在り方は、最終話において結実。それがソラトの「ずっと一人だったから、一緒に笑い合える仲間が欲しかったんだろうな」のセリフに表れている。

 「あれがまさにソラトの本音ですね。孤独なヒーローが孤独を抱え続けるわけじゃなく、心の支えがほしいんだなと。ただ、一人でやっていけないことが心の弱さではなく、二人いればより強い存在になれる、それが子供たちにも伝えたかったテーマです。だから月面での戦いではゾヴァラスに負けたし、第22話からは逆に自分から孤独を選んでしまったけど、最終話ではコウセイという仲間と一緒に命をかけて戦い、それによって強くなった。全25話を使って僕らが言いたかったのは、ヒーローは決して孤独じゃないし、誰かに助けを求めてもいいんです」

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 また、こうした結末について「近藤頌利くんが話してくれたのは“ヒーローは受け継がれていくもの”だということ。また、ウタ サユキ役の山本未來さんは“ウルトラマンがこんなにも周囲の人間と協力して戦う展開は珍しいんじゃないですか?”と仰っていて、そこは新鮮に受け取ってもらえたということだと思っています」とキャストが受け取った印象からも、その手応えを今一度確かなものとした。

最終話で描かれたインナースペース

最終話ではコウセイもインナースペースに! - (c)円谷プロ (c)ウルトラマンオメガ製作委員会・テレビ東京

 本作を第1クールから辿って行くと、「ウルトラQ」から始まるウルトラマンシリーズの歴史を俯瞰しているかのようにも思えるが、武居監督が言うには「ニュージェネレーションウルトラマンシリーズのど真ん中」を狙ったという。

 「だいたい10話くらいまでは、TDG(※『ウルトラマンティガ』『ウルトラマンダイナ』『ウルトラマンガイア』の平成3部作)や『ウルトラマンコスモス』辺りの1話完結形式の怪獣を主軸にした話をメインにしていて、そこに防衛隊がいないのが、まずはニュージェネらしさ。テイストとしては、ちょっと昭和の頃に寄せたハートフルなものだったり、子供たちが非常に見やすいものになっていたと思います。そこから終盤は一気に最近のハードなニュージェネに舵を切り、最後の最後にニュージェネのど真ん中だということを示すために、インナースペースを使いました」

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 ここで武居監督が挙げたインナースペースとは、主人公がウルトラマンに変身した後で描かれる、いわゆるイメージ空間を表す。主人公がアイテムを操作することで、ウルトラマンが技を発動させたり、或いは変身者とウルトラマンが会話する、はたまたウルトラマンがピンチに陥った際には、インナースペース内の主人公もまた苦悩の表情を浮かべるなど、変身前後の描写を繋げる重要なファクターとなった。

 「ニュージェネで代表的な表現が、このインナースペースだと思うんですよ。始まりはやらざるを得ない状況もあったそうなんですけど、監督陣が徐々にこれを上手く使いこなすようになってきて、たとえば田口清隆監督は『ウルトラマンジード』(※第12話)で、ジードとペダニウムゼットンを四つに組み合わせると共にインナースペースで変身者のリクと伏井出ケイを同じように組み合わせたり、実にいいアクセントになった。結果的にニュージェネの特徴的な演出に繋がったと思っています。こうした演出は以前のシリーズにはなかったものです。今回の『オメガ』では、これもニュージェネでお馴染みの『変身バンク』だけは最初に作っていて、最後の最後でインナースペースを使うことで、ソラトとコウセイの2人をシンクロさせて共闘を描きました」

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ソラト&コウセイ、二人でオメガに変身! - (c)円谷プロ (c)ウルトラマンオメガ製作委員会・テレビ東京

 最終話では、ソラトとコウセイがインナースペースで見せた、最初で最後の「ダブル変身」も観る者の胸を熱くするものがあった。「近藤くんと違って、吉田くんはいきなり変身ポーズをやるわけだから、なかなか決まるわけじゃないし、撮影自体は大変な面もありました。ただ、ソラトとコウセイはずっと一緒に戦って来て、演じる2人はずっと同じマインドを持ち続けて来たわけです。そういう意味では、自然と熱量が伝わってきたし、いちいち気持ちの部分を説明する必要はありませんでした」。その上で、武居監督はこうも語る。「『オメガ』はあくまでソラトの物語であってコウセイではないんです。特に最終話は人間側の描写が多くて、客観的にどう受け取られるかは分からないけど、ソラトとコウセイのバランスには気を使いました」

 コウセイと一体化したソラトは果たしてどうなったのか? そこは視聴者に委ねられる形となっているが、武居監督自身は「最後はハッピーエンドで終わらせたかった」と述べるに留めた。ここで最終話を今一度振り返ってみると、エンドロールを兼ねたエピローグでは、ゾメラとの戦いを終えた一年後、アユムとコウセイは怪特隊を発展させた新たな組織「怪獣科学特別捜査隊(KSSIT)」へ所属が描かれ、メテオを見詰めるコウセイの前にソラトが現れ、互いに言葉を交わして共に駆け出すーー。そうして本作は締め括られたが、この一連から一つの答えを見出すことができる。

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 「なぜ最後に科学特捜隊のような組織が作られる設定にしたのかというと、最終的に地球を守るのは人間自身なんです。ウルトラマンがこれからも守ってくれます、だけで終わらせたくなかった。彼らは『怪獣科学特別捜査隊』を職業として、これからの人生を歩むこととなり、それに手を貸してくれる仲間がウルトラマンオメガである。そういう印象にしたかったんです。それが、自分が考える『オメガ』らしさだと思っています」

「ウルトラマンオメガ」=変革の物語

“変革”がテーマの「ウルトラマンオメガ」 - (c)円谷プロ (c)ウルトラマンオメガ製作委員会・テレビ東京

 かくして見事、完結を迎えた「ウルトラマンオメガ」。武居は「メイン監督として主軸を担うと、シリーズそのものを知ることができる」と語る。そして「僕がこれまでに撮った『ウルトラマンR/B(ルーブ)』『ウルトラマンデッカー』では、若い子たちが大人に見守られながら成長して、未来へ旅立って行く物語を描いてきました。それに対して『オメガ』は、前半と後半で大きく展開が変わり、話数を重ねる毎にどんどん人格が形成されて行ったりと、成長ではなく、変わって行く……つまり“変革”していく物語だったんです」と総括した。

 また、ニュージェネでは縦軸が重要視される一方、王道の1話完結の面白さも持ち続けている。本作の2クール目も「ウルトラマンブレーザー」他でメイン監督を務めた田口清隆監督の第19話&第20話、前作「ウルトラマンアーク」のメイン監督・辻本貴則が撮った第21話&第22話などが単発回として視聴者を楽しませてくれた。最後に、今後シリーズでの単発回を手掛ける機会があるとしたら、どのようなエピソードを撮ってみたいかを訊ねてみた。

 「自分は単発回だと『オーブ』の渋川さん、『Z』のバコさん(※第20話)、『ブレーザー』のテルアキ(※第20話)と、大人の男性の話がなぜか多いんです(笑)。もちろん、そういう話も自分の好みではあるんだけど、たとえば人間と宇宙人の恋バナとか、ラブストーリーを一話完結で撮ってみるのも面白いかもしれないですね」(取材・文:トヨタトモヒサ)

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