「ウルトラマンオメガ」真面目で姉御肌な新ヒロイン誕生:工藤綾乃
シネマトゥデイ特撮部
工藤綾乃「ウルトラマンオメガ」(放送中)
特撮作品で活躍する魅力あふれる女性キャストをご紹介する「シネマトゥデイ特撮部」。今回は、ウルトラマン誕生60周年を目前にひかえた新テレビシリーズ「ウルトラマンオメガ」のヒロイン、イチドウ アユム役の工藤綾乃(くどう・あやの)さんを徹底解剖しました。
【PROFILE プロフィール】

生年月日:1996年5月28日
出身地:宮崎県
身長:168cm
血液型:O型
趣味・特技:ジャズダンス(2年)、モダンバレエ(6年)
芸歴:2009年8月、「第12回全日本国民的美少女コンテスト」グランプリ&モデル部門賞ダブル受賞。2010年に『劇場版 怪談レストラン』で主演を務める。主な出演作は「おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!」「星屑テレパス」「コスメティック・プレイラバー」、恋愛リアリティシリーズ「韓国ドラマな恋がしたい」ほか。
【INTERVIEW 作品について】
Q:ウルトラマンシリーズの原体験を教えてください。
5つ下に弟がいて、幼い頃からウルトラマンのフィギュアで“ウルトラマンごっこ”をしていたり、とても身近な存在でした。当時観ていたシリーズですと、「ウルトラマンダイナ」「ウルトラマンガイア」「ウルトラマンコスモス」です。現在は閉園している熊本の「ウルトラマンランド」に、両親によく連れていってもらったりもしました。
Q:ウルトラマンシリーズの一員になったと実感した瞬間は?
撮影現場でウルトラマンを見たとき、「あぁ、ウルトラマンの撮影をしているんだ!」という実感が改めて湧きました。放送が始まったら観てくださった方の反響に触れられると思うので、もっともっと実感するだろうといまからワクワクしています。
Q:イチドウ アユムを演じる上で、心掛けていることを教えてください。
アユムは生物学者で、真面目。地に足がついていて、物事に突き進む女の子です。ひたすら研究熱心で興味の湧くこと、怪獣については徹底的に調べる女性です。私自身は普段、しゃべり方が少しゆっくりなところがあるのですが、アユムが好きなことを突き詰めるときには、セリフをしゃべるスピードを上げるようにしています。
Q:特撮作品の撮影現場はいかがですか?
ウルトラマンと怪獣が戦うシーンの撮影は、実際にその場にいないものを想像しなければならないので、そこが一番難しいかもしれません。目印があり、「ここに、これくらいの大きさのものがあってこう動きます」などと説明がありますが、想像力は人それぞれで、「これくらいかな?」と思って演じても、「もっと大きく」というアドバイスをいただいたりします。“特撮あるある”かもしれませんね。
Q:爆破シーンに驚かれたそうですが…?
ビックリしました! スタッフは長年ウルトラマンシリーズに携わっている方ばかりで、「次は爆破だから」というので、「えっ、そんなにナチュラルな感じなんですか!?」と(笑)。自分の近くで爆発が起きて「きゃあ!」と叫ぶシーンで、爆発がどのくらいの大きさなのか、正確にはわかりません。なおかつ、絶対に失敗できない。それで「爆破はどのくらいの大きさですか?」と聞いたのですが、「大丈夫! 大丈夫!」という感じで。念入りにリハーサルをさせていただきましたが、本当にドキドキしました。
Q:主人公オオキダ ソラトを演じる近藤頌利さん、そのバディとなるホシミ コウセイ役の吉田晴登さんの印象は?
俳優としてのキャリアがあり、安心感のある二人です。多くの言葉を交わさなくても、信頼感を持ってお芝居ができます。10代から現場を知っていることもあり、息抜きの仕方も分かっていて、関西人のソラトさんとイジリがいのあるコウセイ、2人のバランスもとてもよく、居心地がよかったです。頌利君は年上で座長でもあって、現場の楽しい雰囲気を作ってくれていました。面白いお兄さん、という感じです。晴登君は熱量が高くて熱心な方ですが、少し抜けている部分があってかわいらしい。ひょんなときにポンッと、突拍子もないことを言い出したりするのでツッコんだりしていました。私には弟がいるせいか、年下の男の子はみんな弟に見えてしまうんです(笑)。
Q:近藤さんと吉田さんは「三人のなかで工藤さんが一番大人」とおっしゃっていました。
絶対そうだと思います! あの二人に比べたら大人です(笑)。弟は晴登くんのひとつ下なのですが、とても仲が良いんです。それで弟の友達も、よく一緒にご飯に連れていったりして仲良くしているのですが、なんか本当にそんな感じでした(笑)。役柄との関係性と近い? 確かにそうかもしれません。アユムは二人から「アユ姉」と呼ばれています。
Q:「ウルトラマンオメガ」の撮影はいかがでしたか?
昨夏にクランクインしたのですが、とにかく暑かったです。36~37度のなかで防護服を着ていたので、毎日サウナに入っているようでした。汗が出るけど、撮影中は汗を出してはいけないし。しかも長ゼリフがあったりして。楽しかったですが、体力的にも精神的にもなかなかアグレッシブな現場でした。
Q:作品を楽しみにしている視聴者にメッセージをお願いします。
ソラトは宇宙から来た、人間ではない主人公です。地球では人間がどうやって人と関わるのか? 仲間ってなんだろう? そんなことを改めて考えさせてくれる物語になっています。お子さんにはこういう仲間がいれば救われると思っていただけるだろうし、大人の方には少年や少女の気持ちに戻り、人間とは、地球とはこういうもの、というのを改めて感じさせてくれるはずです。そんな出来事がどんどん起こるので、楽しみにしていただけたら嬉しいです!
【PRIVATE 素顔に迫る一問一答】
Q:もともとダンスをやっていたそうですね?
幼稚園の年長さんの頃、ダンスを習う友達が「楽しいからやってみない?」と誘ってくれました。体を動かすことが好きだったのもあって、体験に行くと楽しくて。表現するというところにより面白さを感じてダンスを始めました。モダンバレエ、ジャズダンス、ヒップホップといろいろなジャンルを教えてくれる教室でした。人前に立って何かを表現し、拍手をもらう。自分のしたことで、人が笑っている姿を見て、小さいながらも楽しいなって。中学一年生まで続けました。唯一、長く続いた習い事でした。
Q:そこから芸能界への道のりは?
幼い頃は、テレビがいちばん身近なエンタメでした。それで「この中の人になりたい!」と思うようになりましたが、地元の宮崎には芸能事務所がなくて。そんなころに雑誌でコンテストを知り、「これに応募して東京へ行ったら、テレビの中の人に会えるかも!?」と思って応募したら、グランプリをいただいたのです。自分でも、いまだに信じられません。
Q:もともと女優志望だったのですか?
最初は背が高かったのもあって、モデル志望でした。事務所のレッスンやいろいろな現場を経験させていただき、そこからお芝居って楽しいなと思うようになりました。
Q:地元の高校に通われていたそうですが、どんなキャラでしたか?
ほぼ女子高のような学校で、男子はクラスに3人しかいませんでした。国際系の学科で帰国子女がたくさんいたり、将来的に留学を志していたり、各々目的を持って頑張っている、強い子ばかりでした。私自身は英語がしゃべれるというほどではなく、聞き取りはできるというくらい。でもみんなに負けないように、と私も強く生きていました(笑)。
Q:大学の専攻は?
経済の国際コース。三分の二が英語の授業でした。
Q:性格を自己分析すると?
良い意味でも悪い意味でも、真面目。それがプラスに働くこともあるし、マイナスに働くこともある、両方ですね(笑)。でもようやく自分を理解できるようになり、だいぶ力の抜き方がわかるようになりました。これからは、もっと大人の女性になれる気がします!
Q:今考える理想の演技は?
難しいですけど、ナチュラルに。自分と役と、似ている部分と違う部分をしっかりと理解して私なりに演じられたら。それがいちばんの理想です。理想がとっても高いんです(笑)。
Q:芸能活動を始めた15歳のころから、緊張しないタイプでしたか?
10代の後半くらいまでは何も知りませんから、全然緊張しなかったんです。でも20代前半になると、常に緊張していました。いろいろなことを知り、こうしなきゃいけない、ああしなきゃ! と頭が固くなってしまって。それが抜け始めたのが20代半ばで。(拍手して)我ながら、よく頑張った! と(笑)。
Q:力を抜けるようになったきっかけは?
お仕事で韓国に1か月半ほど行ったのですが、毎日オーディションを受け、いろいろな人と共同生活をして。そこで鍛えられました。いろいろなことが起きて、これ以上に楽しくて刺激的な毎日はなかなかないと思って。そこからプツン! と、緊張しなくなりました。
Q:お休み中は海外へ旅行に行くことも?
以前は、ひとりで行ったりしていました。以前、オランダのロッテルダム国際映画祭に、私が出演させていただいた作品がノミネートされて。クルーが参加すると聞き、じゃあ私も行きます! とひとりで行って、現地でみなさんと合流しました。オランダにいる友達にも会ったりして、本当に楽しくて刺激的でした。作品を愛し、「こういうところが面白かった」と感想や質問をくださる方が沢山いましたし、国によって全然反応が違っていました。また是非、映画祭に行きたいです。
Q:いまハマっていることは?
編み物です。棒針編みではなくカギ針編み。いま編み物が流行っていますが、友達がやっていて、「熱中できるよ、頭の整理ができるし、考え事ができる」と聞いて。試してみたら、ハマってしまったんです。不器用なのですが、編み物は唯一、無心でできます。サマーニットを編み終えて、次はバッグを作ろうと思っています。
Q:もし一日お休みがあったら?
編み物をします(笑)。あと体を動かすことが好きなのですが、走るのが苦手で……。歩くことは好きなので、散歩がてら何キロもウォーキングします。それで緑が好きなので公園へ行き、ベンチに座って編み物をすると(笑)。
Q:好きな映画を一本挙げるなら?
『ウォールフラワー』。エマ・ワトソンさんが出演する青春映画です。高校時代にいろいろ悩んでいた時期があり、そのときにレンタルビデオ屋さんで何気なく、「パッケージがかわいい」と思って観たんです。悩みを抱えた男の子が主人公で、ちょっと変わった兄妹と出会い、はみ出し者の3人で高校生活を謳歌するという作品で、そのときの自分の悩みと映画の題材がリンクしたんです。いちばん感銘を受けた映画でした。最後、3人が車に乗り、主人公が「We are infinite!」(僕らは無限だ!)って言うんですけど、そこで号泣しました。そうだよな、無限だよなって。トンネルを抜けたときにいうんですけど、彼らの高校時代があまりにまぶしく感じて。それからお気に入りで、大好きな映画です。
Q:俳優としての野望は?
一生、俳優。とにかく続けることが大事、続けられたらと思っています。
Q:憧れの人は?
草笛光子さんが素敵だなって。一生、俳優というのを体現されている方でもあります。私も常に新人のつもりで、毎日現場を務められたらいい。海外も大好きで。特にどの国というのはありませんが、海外のお仕事もできたらいいなと思っています。
(取材・文:浅見祥子 写真:高野広美)
【TV INFO インフォメーション】
「ウルトラマンオメガ」
ヒーローも怪獣も存在しない地球に突然宇宙から落ちてきたソラトが、赤き宇宙ブーメラン「オメガスラッガー」をシンボルとするウルトラマンオメガに変身し、次々と出現する巨大生物「怪獣」に立ち向かう物語。メイン監督は、「ウルトラマンR/B(ルーブ)」「ウルトラマンデッカー」の武居正能が務める。
「ウルトラマンオメガ」テレ東系6局ネットほかにて毎週土曜午前9時~放送中
(c)円谷プロ (c)ウルトラマンオメガ製作委員会・テレビ東京


