鈴木福、公開延期になった映画『ヒグマ!!』お披露目に安堵 映画公開の意義、真摯に語る

俳優の鈴木福が16日、TOHOシネマズ新宿で行われた主演映画『ヒグマ!!』(1月23日公開)完成披露舞台あいさつに、サプライズゲストとして登場した金田哲(はんにゃ.)、内藤瑛亮監督と共に登壇。鈴木は、昨年11月21日に公開が予定されていたものの、各地でのクマ出没による被害を受け延期になった作品がようやくお披露目できたことに「本当に嬉しい」と笑顔を見せていた。
本作は、闇バイトに手を染めた若者たちの運命を描くサバイバルスリラー。特殊詐欺により借金を負った父親(清水伸)が自殺してしまった18歳の小山内蒼空(鈴木福)は、進学をあきらめ金策のため、闇バイトである拉致工作に参加。その際に訪れた森で巨大なヒグマに遭遇する。
昨年の11月21日の公開が決まっていた本作だったが、10月24日に製作委員会から、「昨今のクマ被害に遭われた方々、そしてクマの出没警報の下で日々を過ごされている地域の皆さまに、心よりお見舞い申し上げます」と発表されると、現実の被害が続く状況を真摯に受け止め、関係者と綿密に協議を重ねた結果、公開を延期することが発表された。
鈴木は「本当にみんなで一生懸命、楽しく作った作品です。もともと昨年11月に公開予定だったのですが、昨今の状況もあり延期になりました。でもこの1月に公開できることになり、本当に嬉しく思います」としみじみ語る。
劇中、闇バイトに手を染め、クマに襲われるという役を演じた鈴木。「企画を聞いたときには、こんな映画だと思っていませんでした」と率直な胸の内を明かすと「最初はシリアスで怖い映画だと思っていたんです。でも台本をいただいたら、あまりにも面白くて。笑える要素が多くて、どう演じようかと思ったんです。いまの社会的な情勢を捉えすぎている内容にびっくりしました」と感想を述べていた。
紆余曲折しながらも映画はいよいよ公開される。内藤監督は「劇場で上映できて本当に良かった。新作映画が“新作”としていられる時間は限られていますが、この作品を10年、20年後に観たときには、また全く意味合いが変わってくると思うんです」と語ると「今、日本ではクマの問題が深刻化しており、我々はそれに苦しんでいます。だからこそ、クマをフィクションとして描く意味があると思っています。現実では解消しきれないフラストレーションやモヤモヤを、フィクションという形で距離を置きつつ、現実に起こりうる問題として見つめる。そうすることで、正解のない現実とも向き合っていけるのではないでしょうか」と客席に呼びかける。
鈴木も「本当に監督がおっしゃる通りだと思います」と述べると「ヒグマによる被害に遭われている方への共感や注意喚起も含め、また“闇バイトは絶対にダメだ”という学びを得られるのも、映画としての意義だと思います」と作品に込められたメッセージを真摯に伝えていた。
なお、イベントでは金田が闇バイトの黒幕・エンジェルを演じることが発表され、鈴木と2015年公開の『ピラメキ子役恋ものがたり~子役に憧れるすべての親子のために~』以来11年ぶりとなる共演について語り合う場面もあった。(磯部正和)


