ADVERTISEMENT

『国宝』李相日監督「映画の神が細部まで宿った」毎日映画コンクール最多7冠に感慨

『国宝』で監督賞を受賞した李相日監督
『国宝』で監督賞を受賞した李相日監督

 映画『国宝』の李相日監督が10日、都内で開催された「第80回毎日映画コンクール」の贈呈式に出席した。『国宝』は、李監督が監督賞を受賞したほか、主演俳優賞(吉沢亮)、脚本賞、撮影賞、美術賞、音楽賞、録音賞の最多7冠を獲得。受賞の感想を聞かれた李監督は「映画の神が細部まで宿った」と作品に関わったキャストやスタッフの仕事ぶりを労った。

【画像】『国宝』吉沢亮・横浜流星・渡辺謙・田中泯、圧巻の歌舞伎シーン<16枚>

 吉田修一が歌舞伎の世界を舞台に書き上げた小説を映画化した『国宝』は、任侠(にんきょう)の家に生まれるも、数奇な運命によって歌舞伎界に飛び込んだ男・喜久雄(吉沢)が芸に身をささげ、歌舞伎役者としての才能を開花させていく姿を描く。喜久雄が引き取られた家の息子で、名門の跡取りとして歌舞伎役者になることを運命づけられた俊介(横浜流星)との切磋琢磨のライバル関係も見どころだった。

ADVERTISEMENT

 第80回毎日映画コンクールでは、李監督&吉沢のほか、奥寺佐渡子が脚本賞、 ソフィアン・エル・ファニが撮影賞、種田陽平下山奈緒が美術賞、原摩利彦が音楽賞、白取貢が録音賞を受賞している。

 李監督は奥寺や下山、原、白取らと壇上に立ち「後ろにずらっと『国宝』チームが……」と照れくさそうにスピーチ。「白取さんは『フラガール』の撮影からご一緒させてもらったんですが、かなり泥酔された白取さんから、『お前は才能がない』と言われたのを今でも覚えています。翌日は白取さん、僕に何を言ったのか全く覚えていなかったみたいで……」と白取との思い出をユーモアを交えて振り返る。

 李監督は「歯に衣着せぬ意見を投げかけてくれるスタッフがたくさん周りにいてくれて、僕を支えてくれた。『国宝』は映画の神が細部にまで宿っていた。皆さんが、誠心誠意、プライドをかけてこの作品に臨んでくれた証拠です。吉沢さんもとてつもない努力で本作に臨んでくれた。それを隣で支えた横浜流星、渡辺謙さん……。いろんな人たちと関われたことで彼も大きく成長できたと思います」と主演俳優賞を受賞した吉沢にも労いの言葉をかけた。

 脚本賞の奥寺も「大きな作品に参加できたこと、歴史ある賞までいただき光栄です。チーム一丸となって作った作品だからこそいただけた賞」と感慨深げにスピーチ。撮影賞のソフィアン・エル・ファニはこの日欠席したが、李監督が代わりにトロフィーを受け取り、「このような賞をいただき、名だたる映画人の隣に私を並べてくれて感謝します。私にとってみのりの多い日でした」とソフィアンから預かったメッセージを代読した。

ADVERTISEMENT

 美術賞の種田も欠席のため、下山が代理でトロフィーを受け取ると
「種田さんにお話をもらった時に、この作品をなんとしても完成させるという気迫が伝わりました」とオファーを受けた当時を回顧。種田からの「歌舞伎という稀有な題材の作品を紹介してくれた李監督に感謝します」というメッセージも代読した。また、音楽賞の原も「尊敬する大先輩ももらった賞で嬉しい」と述べ、録音賞の白取も「死ぬまでにあと3本くらいこの賞を受賞してトロフィーを部屋のインテリアにしたい。1,400万人くらいがご覧になっていただいた。まさしく国民的映画になった。このような愛される映画に関われて光栄です。これからも素晴らしい映画を発信できればと思います」と話していた。

 毎日映画コンクールは1946年(昭和21年)、日本の映画産業の振興に寄与し、国民に映画の楽しさを広く伝えることを目的に、毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社によって創設された映画賞。今年の対象作品は2025年1月1日から12月31日までに国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品。アニメーションおよびドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品が対象となる。(取材・文:名鹿祥史)

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT