オダギリジョー「なるべく黒沢組には参加したくない」 黒沢清監督作品に緊張と喜び

俳優のオダギリジョーが19日、都内で行われた映画『黒牢城』(公開中)の初日舞台挨拶に黒沢清監督と共に登壇。オダギリは黒沢監督に対する素直な思いを打ち明けた。この日は主演の本木雅弘をはじめ、菅田将暉、吉高由里子、青木崇高、宮舘涼太(Snow Man)、柄本佑も来場した。
本作は、米澤穂信の直木賞受賞作を映画『CURE キュア』や『スパイの妻<劇場版>』などの黒沢監督が映画化。織田信長に反旗を翻し籠城作戦を決行した武将・荒木村重(本木)が、城内で相次ぐ怪事件の解明に挑む。第79回カンヌ国際映画祭では「カンヌ・プレミア部門」に出品され、大きな反響を得た。
村重の隠し刀として暗躍する郡十右衛門(こおりじゅうえもん)役のオダギリは「なかなか郡十右衛門という名前が覚えられなくて、今日やっと、朝、覚えたとこなんです」と明かし、「本当は言うまいと思っていたんですけど、急に出ちゃいました」と苦笑し、会場の笑いを誘った。
黒沢監督による映画『アカルイミライ』(2003)で映画初主演を果たしたオダギリは「(黒沢監督とは)心の師匠というか先生(と生徒)のような関係だと勝手に思っているので、毎回緊張します。芝居をするのを見られるのが一番緊張します」と打ち明け、「だから、なるべく黒沢組には参加したくないんですけど、お声をかけてくれることの喜びが上回ってしまい、最後には『やります』と言ってしまう自分が許せないというか……」と吐露。そして、「今回、初の黒沢監督の時代劇に参加できて、とてもスリリングな空気感を味わいました」と喜んだ。
一方で「時代劇の台詞は難しいじゃないですか。あんまり自分なりに変えちゃいけないし……」と苦労ものぞかせるオダギリ。すると本木は「オダギリさんがやった郡十右衛門の佇まいとか話しぶりは、とても黒沢的な演出というか、キャラクター作りだったと思う。もっと時代劇然としていてもおかしくないのに、オダギリさんベースのスパイ感というか、味わいが出ていてよかった」と絶賛。オダギリは「ありがとうございます」と笑顔を見せた。
「言葉で斬られたエピソード」を発表することになると、オダギリは「ベートーヴェンの言葉ですごい好きなのがあって、『苦悩を突き抜けて歓喜に至れ』という言葉がある」と紹介。続けて、「芝居をしていても物を作っていても、僕はどうしても苦悩の方に行ってしまい、とても楽しいと思えるタイプではないので、やるだけ苦しいんですけど、その奥にある『歓喜に至れ』というベートーヴェンの言葉で頑張れている気はします」と語った。
MCが「素敵な言葉ですね」と伝えると、オダギリは「ありがとうございます。前半を取り返しました。記事はここだけにしてください」と報道陣にリクエストし、会場を笑いに包んでいた。(錦怜那)


