完全新作『バイオハザード』なぜ戦う準備ゼロの配達人が主人公?監督が込めたゲーム愛 過去のバイオ映画にも一言

カプコンの大ヒットゲームを完全新作として映画化した『バイオハザード』が10月9日より日本公開を迎える。『WEAPONS/ウェポンズ』(2025)で一躍ヒットメイカーの仲間入りを果たしたザック・クレッガー監督と、主人公ブライアンを演じるオースティン・エイブラムズが、映画に込めたゲーム愛と役づくりについて語った。
本作の主人公ブライアンは、クリスやレオンといったゲームのヒーローたちではなく、ただの配達人。ある雪の夜、ラクーンシティ総合病院に医療品を届ける依頼を受けたことから、彼の恐怖の一夜が幕を開ける。
これまで幾度も「バイオハザード」シリーズをプレイしてきたというクレッガー監督だが、主人公に選んだのはゲームのヒーローたちではなく、普通の男。その理由は、プレイヤーたちが体験した、「バイオハザード」をプレイした時の恐怖や緊張感を再現するためだったといえるだろう。
「特殊部隊員の主人公を描くより、戦闘スキルのない人間がサバイブする物語の方が面白くなると思ったんです。ブライアンは、とても『バイオハザード』の世界では生き残れないような、ソファで『バイオハザード』をプレイしている方が似合うような人物。そんなキャラクターが銃の扱いにとまどったり、僕らと同じように(恐怖に)圧倒されている姿を見る方が、ずっと皆さんに楽しんでもらえると思いました」(クレッガー監督)
主演のオースティンは、クレッガー監督の前作『WEAPONS/ウェポンズ』(2025)で演じた、薬物依存の青年役が話題を呼んだばかり。本作では、クレッガー監督の求める普通の主人公像を見事に体現した。
「役づくりで最初に意識したのは増量ですね。少しだけ体重を増やし、パッと見で『あ、こいつぜんぜん(戦う)準備ができてないな』って思ってもらえるようにしました。とにかく、ブライアンを“ふさわしくない”奴にしたかったんです。走る姿も不格好で、とにかく何も対応できないように見えるほど良い。皆さんに『おいおい、こいつ普段から走り込んでもいなさそうだけど、本当に生き残れるのか?』と思ってもらえるようなね。この役にとって、それこそが重要な要素だったと感じています」(オースティン)
最悪なタイミングで最悪な状況に巻き込まれてしまったブライアンのサバイバルは、最後まで手に汗握る展開の連続。『バイオハザード』ファンでなくとも、恐怖の一夜を最高に楽しめる一本となっているが、もちろんゲームファンに向けたネタも満載だ。
「ブライアンが入手するショットガンの弾の箱は、ゲームの『バイオハザード4』に登場するデザインを採用しています。あとは机の上に置かれている(ゲームでセーブに使用する)タイプライター。シリーズを通して登場する、あの黒いタイプライターが大好きなんです」(クレッガー監督)
クレッガー監督のゲーム愛がのぞくのは、小ネタだけではない。「私にとって最もゲームをオマージュしているのは、武器の進化ですね。最初はハンドガンから始まって、次にショットガンを入手し、その後で……といったような形。主人公がゲームと同じように、(進行に合わせて)強力な武器を入手していくプロセスは、ファンに楽しんでもらえると思います」
「バイオハザード」といえば、ポール・W・S・アンダーソン監督&ミラ・ジョヴォヴィッチ夫妻のアクションシリーズや、2022年のリブート版『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』(ヨハネス・ロバーツ監督)など、幾度も実写化されている。だが、クレッガー監督は「これまでの映画は、あまり『バイオハザード』らしくない感じがしていたんです」と一言。
だからこそ、本作にはゲームへの愛を込めた。「“ゲームそのもの”をスクリーンから感じてもらえたら嬉しいですね。シリーズを愛し続けてきましたし、ずっと自分が観たいと思える『バイオハザード』映画を作りたかったんです。だからゲームへのラブレターのつもりで脚本を書き、撮影しました。もちろん『バイオハザード』を一度もプレイしたことがなくても最高に楽しめる作品になっています。そして、ゲームをプレイした方なら『これは俺たちの映画だ』と感じてもらえるはずです。(編集部・入倉功一)
映画『バイオハザード』は10月9日(金)全国の映画館で公開



