「仮面ライダーカブト」佐藤祐基、加賀美新との出会いは「人生最大の幸運」20年後も変わらない天道総司との関係性

平成仮面ライダーシリーズ第7作「仮面ライダーカブト」(2006~2007)で加賀美新/仮面ライダーガタック役を務めた俳優・佐藤祐基。加賀美は、地球外生命体ワームとの戦いの中で、主人公・天道総司/仮面ライダーカブト(水嶋ヒロ)と絆を深め、数少ない彼の理解者となった。放送開始から20周年を記念して製作されたVシネクスト『仮面ライダーカブト 20th 天を継ぐもの』では、高校生になった息子を育てる父親として新たな一面を見せる。テレビシリーズのその後の世界で加賀美を再演する佐藤が、20年経っても変わらないキャラクターの魅力、「カブト」の物語を象徴する天道との関係性について語った。
『仮面ライダーカブト 20th 天を継ぐもの』ついにお披露目!キャスト集結で“天道ポーズ”披露
「仮面ライダーカブト」の正統続編であること
『仮面ライダーカブト 20th 天を継ぐもの』は、今年4月に「仮面ライダー生誕55周年発表会」で第一報が発表された。今年1月に行われた「仮面ライダームービープロジェクト」のファン投票では、先に公開された『アギト-超能力戦争-』を抑えて第1位に輝くなど、多くのファンが新作を待ち望んでいた。
プレゼンターとして企画に参加した佐藤は「投票の時はしらを切り通すのが大変でした(笑)。『ちゃんと撮っているよ、ごめんね』と思いつつ、(1位は)ありがたかったです」と結果を振り返る。20周年新作を発表した当日は「大勢の方がいる場だとは想像していなくて『すごい場所に来ちゃった』という気持ちでしたが、しっかりと情報をお届けできてよかったです。ようやく製作が発表されて、みなさんに隠し続けてきた罪悪感から解き放たれました」と肩の荷が下りたという。
仮面ライダーやスーパー戦隊シリーズの“周年作品”は、俳優の動きがきっかけとなり企画が実現するケースが多い。本作も、東映のプロデューサーとつながりがある徳山秀典(矢車想/仮面ライダーザビー役)が中心となり、かつての共演者たちに話が伝わっていった。
「周年作品というものは、非常に重みがあります。『仮面ライダーカブト』はファンの方が本当に大切に思ってくださっている作品です。だからこそ、ただのお祭り企画的なスペシャルとしてやるのであれば、意味がないという思いが強く、『カブトの正統続編であること』という点は、こちらからの要望としてお伝えさせていただきました。その思いに応えた形で(脚本家・米村正二が)脚本を書き上げてくださったので、『あとは僕たちの番だな』とすごく気合が入りました」
実の父を思いながら演じた20年後の加賀美
対ワーム秘密組織「ZECT」に所属し、仮面ライダーガタックとして戦った加賀美は20年後、父親となり家庭を築き、高校生の息子・結(荒木飛羽)と平和に暮らしている。
20年という歳月が過ぎたが、「加賀美新はずっと自分の中にあり続けています」と佐藤。「カブト」の世界観を離れた後も、加賀美と一緒に人生を歩んでいた。正義感が強く、考える前に行動する真っ直ぐな彼の魅力は、20年経っても変わらない。
「加賀美の素直さは、今も変わらないです。人に気に入られようとしたり、評価を得ようとしたりする承認欲求に流されない。見方を変えれば、頑固でマイナスに思われるかもしれませんが、周囲の評価を気にせず、自分であり続ける加賀美の姿勢は、すごく大事だと思います。その頑固さゆえに、息子への接し方に困っている場面もありますが、根底にある部分は、良い意味で20年前と全く変わっていません」
父親になった加賀美を演じるにあたっては、実の父親のことを考えながら演じていたと話す。「僕自身、父親とは体育会系の厳しさもあってすごく仲良しという関係性ではなかったんです。子どもにとって、父親は最初から『父親』ですが、父親側からすると、子どもによって“父親にならせてもらっている”ものなんです。父親として背伸びしすぎない不器用さやジレンマーー息子の結に寄り添いたいけれど、寄り添い切れないもどかしさを大切にしようと思いながら演じました」
不思議な縁で結ばれた加賀美新&天道総司
加賀美の物語を語るにあたって欠かせないのが、ライバルであり戦友である天道総司の存在だ。佐藤は「加賀美と天道は、タイプは全然違うけれど、不思議な縁で結ばれている存在です」と改めて二人の関係性を振り返る。
「加賀美は天道に『お前を越えてやる!』と言っていましたが、越えようとする感じはなかったんですよね。むしろ、喰らいついてやろうという感じ。直情型で騙されやすく、全体を見るのが少し苦手な加賀美にとって、天道は『物事の本質を突いてくれる存在』なんです。親から言われるより、悔しいけど天道から言われた言葉の方が正しく感じてしまうような関係性。『ありがとう』なんて絶対に言わないけれど、お互いを深く理解し合っているんです」
天道を演じた水嶋とは「カブト」以前から交流があった。「ヒロとは『ごくせん』第2シリーズ(2005)時代から、よく二人でご飯を食べながら台本を読んで『どう演じたら一番面白くなるか』を考えていました」
佐藤と水嶋の交流は「カブト」放送後も続いており、「仮面ライダージオウ」のカブト編が放送された2019年には、水嶋のYouTubeチャンネルに佐藤がゲスト登場した。「加賀美が『ジオウ』で仮面ライダーカブトに変身することについては、事前に(水嶋へ)『変身するよ』という連絡はあえてしませんでした。細かく報告し合わなくても、成立する関係性ですから。YouTubeでのやり取りも含めて、ヒロとだからこそ出てくる空気感ですし、お互いに『仮面ライダーカブト』という作品の世界観やファンを大切に思っているからこその関係だと思っています。1年に1回連絡を取るかどうかくらいの間柄だとしても、天道と加賀美みたいに、太い絆でつながっている。二人の関係性は、20年経った今も変わっていません」
加賀美に出会えて本当に良かった
佐藤にとって、加賀美新との出会いは「僕の人生において最大の幸運」だという。「今も自分の中に加賀美が存在するので、20年ぶりに役に戻るのは大変でしたか?という質問にも『全然苦労しなかったです』と答えるくらい、新作でも自然体でいられました。20年前、オーディションで加賀美に出会えて本当に良かったし、キャスティングしていただけたことも光栄に思っています。そして、加賀美を20年間ずっと愛し続けてくださったファンのみなさんには感謝しかありません」
親から子へ、「仮面ライダーカブト」の物語は次世代へと語り継がれていく。「これからVシネクストを観に行くお子さんたちは、当時テレビシリーズを観ていたお父さんやお母さんと一緒に観て、テレビシリーズを観てみるという流れがいいのかな。(最終話まで)観終わったら、まだ劇場上映をやっているから20周年新作を観に行こうと。その人たちと近しい人の会話が熱くなればいいなと思います」
当時のキャスト・スタッフが再集結し、20年分の感謝を込めて完成させた『天を継ぐもの』。佐藤は「本当に自信を持ってみなさまにお届けできる作品に仕上がっています。当時ご両親と一緒にテレビを観ていた世代の方々も、20年を経て成長し、環境が変わった中で観ていただくことで、また新しい自分との対話や熱い思いを感じていただけるはずです。スクリーンでお会いしましょう」と「カブト」ファンに呼びかけていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)
Vシネクスト『仮面ライダーカブト 20th 天を継ぐもの』は11月6日(金)より新宿バルト9ほか期間限定上映、Blu-ray&DVDは2027年2月10日(水)発売



