タフで怖いもの知らずな妊婦がハリウッド映画に登場することは滅多にない。例外と言えば『ファーゴ』のフランシス・マクドーマンドぐらいだろうか。
『トラフィック』で逞しい妊婦を演じたキャサリン・ゼタ=ジョーンズもその例外に加わった1人だ。マクドーマンドと違って、本作品撮影中に実際に妊娠していたゼタ=ジョーンズは、つわりやむくみと格闘しながら撮影に臨んだ。しかし実際に妊娠していたという事実が、ポジティヴなホルモンを与え、演技に良い影響も与えたのだという。妊娠中の6ヵ月間を撮影現場で過ごした彼女は言う。「エネルギーが満ちていて、体調はとても良かったわ」
昨年8月に息子ディランをもうけたゼタ=ジョーンズは、妊娠の事実に気がついた時、役を降りようとは考えなかったと言う。この役のオファーを受けた後に妊娠を知ったのだが、パスするにはもったいない素晴らしい役柄に思えた。現在の夫で当時はフィアンセであり、本作品に出演もしているマイケル・ダグラスとも相談した結果
、この役を演じることは、観客が彼女に持っている先入観を取り除くいいチャンスかもしれないと考えたのだ。
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