Q.まず、映画初主演の感想を教えて下さい。
K 初主演、というより、アクション映画に出演できたことが一番幸せですね。子供のときから、夢は世界のアクションスターだったから、ようやくアクション映画が撮れる、といううれしさでいっぱいでした。クランク・インしてから、明日はどんなアクションができるのか、毎日楽しみでした。
Q.そんな大変な撮影で、スタントを使わずすべて自分でアクションをこなしたのはなぜですか?
K 憧れのアクションスター、ジャッキー・チェンさんは、昔からすべて自分でスタントを全部やっていましたから、僕も自分でやりたかったです。最近のアクションにはCGやワイヤーが多く使われますが、『マッスルヒート』はあくまで体ひとつでやろう、ということになりました。銃もそんなに使っていません。体だけのアクションは昔の形でしょうが、そのなかで新しいアクションの形を作りたいと思いました。
Q.アクション監督をつとめたのが、ジャッキー・チェンの映画でアクション監督をつとめるサム・ウォン。さらに、ジャッキー映画の敵役として有名なケネス・ローとも共演となりましたね。さらに日本チームからは、加藤雅也、哀川翔という実力俳優と一緒に仕事をして、いかがでしたか?
K サムさんとは、以前ジャッキーの映画で現場に勉強しに行ったときに会っていますから、それほど緊張はしませんでした。僕はジャッキーさんの『酔拳2』が一番好きな映画ですが、その最後でジャッキーと戦っているのがケネス・ローさん。その彼と、この映画では僕が戦うわけですから、緊張しましたね。あ、こんなシーン、映画で見た、って…感動しました。加藤さん、哀川さんは、一緒にいるだけですごく勉強になりました。ぜひまた一緒に仕事をしたいですね。撮り終わった後、もう皆さんと一緒に撮影できないと思うと悲しかったです。
Q.今回、尊敬するジャッキー・チェンからも激励の電話をもらったとか?
K 一言、「がんばれよ」という言葉をくれました。それだけでもう、すごくうれしくて。この映画を見て、ハリウッドで活躍するアクションスターになりたい、と思う人が増えてくれたらいいと思います。僕もハリウッドにチャレンジするにはまだまだ勉強することがたくさんありますから、あきらめずにがんばっていきたいです。
Q.ジョーという役柄は、ほとんど笑顔をみせません。緊張感を保ち続けるうえで、どんな苦労をしましたか?
K ジョーはとてもクールで、マシーンのような人。表情を変えず、目だけで演技することは、アクションより難しかったです。1ヵ月半の撮影でずっと厳しい顔をしていましたから、終わったあとでもそれを引きずっていまして、恐い顔しているよと言われたことも……(笑)。
Q.アクション映画以外で映画の話があれば、どんな役に挑戦してみたいと思いますか?
K 今回はとてもストイックな役ですが、軟らかいアクション映画もやって見たいし、アクションなしの映画もやってみたい。幅広い役者になりたいので、なんでも挑戦してみたいです。ドコモのCMのようなドラマチックなものもいいし、バーモント先生みたいなコミカルな役も好きです。いろいろな役柄にチャレンジするのは、楽しいですから。
Q.ハリウッドを目指すケインさんにとって、映画でアクションを撮る、ということは特別なことなのでしょうか?
K ジャッキーの『酔拳2』は撮影に10ヶ月かかり、最後のアクションシーンだけで1か月半を費やしました。『マッスルヒート』は最後のアクションシーン、1日だったんですけど…。でもドラマでは、時間的な制約もあり、まる1日アクションだけを撮影はできません。いいアクションを、時間をかけて作っていく点で、やはり映画、という気持ちはあります。
Q.ハリウッド映画で好きな作品はありますか?今回、参考にした作品など、教えてください。
K 色々な映画を見ますが、感動する作品が好きです。『マッスルヒート』とはちょっと違うアクションですが、『グラディエーター』とか、『アルマゲドン』が好きです。最近はデンゼル・ワシントンに注目しています。彼の演技はとても参考になりますし、新作の『ジョンQ』は今のところ今年の僕のナンバーワン。もう3回も見ました。
Q.普段、インターネットは使いますか?
K ちょっと遅いけど…去年から始めました。映画情報やスポーツのページを見たり、ホームページに日記を書いたりしています。それまでは、コンピューターは要らない、スポーツとトレーニングだけでいい、って思っていました(笑)。でも、今は誰もが使っていますし、アメリカへメールも出来るので、活用しています。