Q:ばかな質問ですが、なぜタイトルにスーパーマンの文字を使わなかったのですか? |
(アレン・コールター)それは、スーパーマンではなく、1人の人間の映画だからだ。われわれは、一人の人生の悲劇をあつかったんだ。
その悲劇の一つが、彼が亡くなった際、すべての新聞のヘッドラインがスーパ-マンが自殺したと、冷やかし半分のばかげたものだったことなんだ。
なぜ、『ハリウッドランド』(原題)(セレブリティを追求した町)というタイトルが気に入ったかと言うと、タイトルに不釣り合いなのではなく、人の精神状態を指しているためなんだ。確かに議論を呼ぶかもしれないけど、今回のケースは、人々がセレブリティ(有名になること)を追求している精神状態が引き起したものなんだ。今では、良く見かける光景だけど、ジョージ・リーブス自身もそれを追求していたんだ。今では、われわれ皆、このハリウッドランドに住んでいると言っても過言ではないでしょう。
Q:ベン・アフレック(ジョージ・リーブス)のキャストには、好印象を受けたのですが、この役自体がベン自身の人生に似通っていて、浮き沈みがありますよね。これは無意識のうちに選考されたものなのですか?
(アレン・コールター)ベンもそのことに気付いていて、彼自身も、ゴシップなどで苦境のときにマスコミから一定の人物像を作り上げられていたよね。
本当のところは、本人に聞かなければ分からないだろうけど、誰かが自分の感情を理解してくれるという幻想を持つことに関して、ベンは深い部分で理解してくれていたんだ。その上、彼は非常に教養が高く、愛嬌を振りまくことなど、ジョージ・リーブスの持つ性格も兼ね備えていて、彼に会ってからはっきりとこの役に適していると思ったんだ。ジョージは実際鼻腔が広がっているため、ベンは鼻に継ぎ足しを入れ、その上に20ポンドも役のため太ってくれたんだ。 |
Q:探偵ルイス・シモは、ジョージと感傷的な部分で共感を得たのでは? |
(エイドリアン・ブロディ) 探偵のシモは多少、同情的な見方をしていたが、彼らには、似通った部分がたくさんあった。その中で明らかなのは、もっと良い状態(生活)を望み、成功し有名になることで、自分の中で足りていなかった部分を埋め合わせようとしたことなんだ。
家族という形態には、彼らは十分準備ができていなかった。探偵シモは、息子を愛していても、どうコミュニュケーションを取っていいか理解してなかったしね。ジョージに対する印象が変化し、それが多くの人の印象と同じだと気付いたとき、ジョージ(スーパーマン)の本当の人間性を、誰も気にしてはいないことを悟ったんだ。
そして、探偵シモは成長し始めていくんだ。
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現在この事件現場に居た人々は、全員亡くなっているため、真相は暗闇に閉ざされたままである。鑑賞の際に自分自身でこの謎を解いていただきたい。その謎解きの援助をするのに適した本がある。それは、ジョージ・リーブスの死は陰謀だと告発したノンフィクション「Hollywood Kryptonite」だ。さらに追求してみようと思っている方はぜひご覧になって欲しい。 |