週末に公開される話題の映画の中から、気になる人物をご紹介します。今週は1月20日公開の『ディパーテッド』でマフィアに潜入した警官を演じる、レオナルド・ディカプリオをクローズアップします。マーティン・スコセッシ監督と3度目のタッグを組んだ本作。アイドルアクターから見事脱皮し、演技派としてキャリアを着実に重ねているレオ。これまでのスコセッシ監督との仕事ぶりをおさらいしてみましょう。 |
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レオ&スコセッシ監督の初仕事は2001年製作の『ギャング・オブ・ニューヨーク』。『スター・ウォーズ
エピソード1』の出演に興味を示したというレオでしたが、『ギャング~』との撮影スケジュールがダブることが判明。どちらに出演するのか、ファンはヤキモキ……そして、レオが選んだのはスコセッシ監督との仕事でした。
スコセッシ監督というと、『タクシードライバー』で1976年カンヌ映画祭パルム・ドールを受賞して以来ロバート・デ・ニーロとのコンビで数々のヒット映画を製作。1986年『アフター・アワーズ』で同映画祭で最優秀監督賞を受賞。1990年『グッドフェローズ』でヴェネツィア映画祭銀獅子賞を受賞。2003年には『ギャング・オブ・ニューヨーク』でゴールデングローブ賞最優秀監督賞に輝きました。アカデミー賞ノミネートは6回。代表作は数知れず、泣く子も黙るアメリカ映画界の巨匠ですが、まだオスカーを手にしていません。
そんな巨匠と初仕事をしたレオ。当時、監督は「彼はマーロン・ブランド、モンゴメリー・クリフト、ジェームズ・ディーンらの流れをくむタイプの役者だ。彼ほど膨大な感情の範囲を演じられる俳優はいないよ」と大絶賛! 見事な演技をみせたレオでしたが、アカデミー賞主演男優賞には主演のレオではなく、まさかまさかの共演者ダニエル・デイ=ルイスがノミネート。そのほかの映画賞もしかり。ダニエルがスクリーンにカムバックした作品であったことと、その演技力が圧倒的だったことが理由でしょう。
『タイタニック』以降、レオ本人が商品扱いされてしまい「アイドルアクター」から抜け出せない日々……そこから、ひょいっと抜け出すきっかけをくれたスコセッシ監督。レオにとっては救世主。そして、スコセッシ監督の寵愛はロバート・デ・ニーロからレオへ変わったのでした。
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「ぼくの新しいパパです」
Jim Smeal / WireImage.com / MediaVast Japan |
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レオ&スコセッシ監督、2度目のお仕事は2004年製作の『アビエイター』。映画監督、実業家、パイロットといった顔をもつ、実在した大富豪ハワード・ヒューズの半生を描いた伝記映画。レオは少年時代にハワードの伝記小説を読んで以来、この映画化を切望していたそうです。自身が2001年に設立した映画製作会社「アッピアン・ウェイ」が手掛けた第1作目の映画でもあり、主演だけでなく製作総指揮にも名を連ねました。しかし、この映画の製作にはスコセッシ監督はあまり乗り気ではなく、自らを「雇われ監督」と言い、「お仕事」として監督をしたようです。
そんなレオの暴走する熱い熱~い思いを乗せて『アビエイター』は公開。俳優陣の演技、監督の演出、作品自体の評価も高く、第62回ゴールデン・グローブ賞の作品賞、主演男優賞、音楽賞に輝き、レオにとってはゴールデン・グローブ賞主演男優賞を受賞するのは初めてのこと。それはそれは、大喜びのレオ。次に狙うは、やはりオスカー。
1994年、19歳のときに『ギルバート・グレイプ』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートして以来、10年ぶりに2度目のオスカー候補となったレオ。しかし、オスカーの女神は彼のもとへは降りて来ませんでした……。大本命と言われていただけに、そのショックはかなり大きかったようで、その後レオは映画からしばし遠ざかってしまったのでした。
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30歳の名演技
Miramax / Warner Bros. / Photofest / MediaVast Japan |
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19歳の名演技
Paramount Pictures / Photofest / MediaVast Japan |
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1月20日から公開される、レオ&スコセッシ監督、3度目のタッグは2006年製作の『ディパーテッド』。マフィアに潜入した捜査官と警察に潜入したマフィアの攻防を描き大ヒットした香港映画『インファナル・アフェア』シリーズのリメーク。レオは潜入捜査官にふんし、マット・デイモン演じるマフィア幹部と対決! そのほか、監督に「おれの出番を多くしろ」と要望し、念願かなってスクリーンに出まくっているジャック・ニコルソンと、『バスケットボール・ダイアリーズ』(1995)で共演し、長年の友達でもあるマーク・ウォールバーグらと共演しています。
ジャックとの共演は、かなり刺激的だったようで「ジャックには圧倒されたよ。彼の演技は予想不能なんだ。カメラの前の彼は何をするか分からない。彼との共演はすばらしい経験だった」「ジャックの役をやってみたかった」と語るレオ。
オスカー3度目の正直なるか? も気になるところですが、『ディパーテッド』『ブラッド・ダイヤモンド』(春公開)と、レオの完全復活を見逃さないように! ちなみに、『The
Rise of Theodore Roosevelt』(原題)ではレオ&スコセッシ監督は4度目のタッグを組んでいます。公開が待ち遠しいですね!
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「そろそろ欲しいな……オスカー像」
Lester Cohen / WireImage.com / MediaVast Japan |
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文・構成:シネマトゥデイ編集部 |
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