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イディ・アミンは1971年にアフリカ・ウガンダの大統領に就任した実在の人物。強烈なカリスマ性を持ちながら、妄想にとりつかれ、数百万人の人々を虐殺したともいわれているが、本当のアミンは果たしてそんな人物だったのだろうか? 本作はそのアミンに翻ろうされる若い医師の悲劇を描く。この医師はなぜアミンの魅力にとりつかれていったのか? 二人の関係から徹底検証する。 |
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新米医師ニコラスが初めてアミン新大統領に出会ったのは、彼の演説を聞きに行った後のこと。軍事クーデターを成功させ、独立後間もないウガンダの未来を託すに値する人物として、大声でまるで威かくするかのように民衆に訴えていた彼の姿は、若いニコラスの目には理想的に見えた。演説の帰り道に大統領の車と牛が接触するというアクシデントが起き、ニコラスは偶然アミンのケガの手当てをすることになる。そのとき思いもよらない出来事が起きる。以前からスコットランドに親近感を抱いていた大統領は、ニコラスがスコットランド人だと知ると、サッカー選手がするようにTシャツの交換を申し出たのだ。大統領の気さくな人柄に深く感じ入ったニコラスは、国民と同じように“アミン熱”に冒され始める。 |
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自分の医師としての技術を、困っている人たちのために使いたいと思い、はるばるウガンダまでやって来たニコラスだったが、アフリカの現実はそう甘くはない。ろくな医療設備もない村で自分の力不足を思い知らされ悶々(もんもん)としていたとき、いきなりアミン大統領とその家族の主治医になるという、夢のような話が舞い込んでくる。さらに住宅街の中心に家まで提供され、まさに彼にとっては渡りに船のような好条件付き。最初は「診療所との契約があるから」とその話を断ったものの、甘い誘惑に負けた彼は、結局その話を受けてしまう。 |
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大統領の右腕的存在になったニコラス。大統領の代理で会議に出席したり、政権を左右したりするような重要な相談まで持ちかけられるようになる。もちろん、主治医としての腕も確かな彼はアミンの息子の命を救い、そのお返しとしてベンツのスポーツカーを贈られる。まさに順風満帆の人生を送っていたある日、前政権の支持者たちにアミンが襲撃され、あわや危機一髪という事件が起きる。側近の中に密通者がいると疑い始めたアミンは、事件当時自分と同じ車に乗りあわせて危険をともにしたニコラスに絶大な信頼をよせる。 |
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大統領襲撃事件以来、アミンはもちろん側近の誰もが神経をぴりぴりと尖らせていた。ある晩、大臣のワッサワがホテルで見知らぬ男性と会っている現場を目撃した彼は、その行動を不審に思い、早速アミンに報告。しかし、彼が発した不用意なその一言で、ワッサワは無惨にも処刑されてしまう。ニコラスは彼がアミンによって不当に殺された事実をイギリス人の高等弁務官から知らされ、大きなショックを受ける。ようやく今まで見ようとしなかったアミンのもう一つの顔に気づいたニコラス。しかし、ときすでに遅く、主治医の仕事を辞めて故郷に帰りたいとアミンに頼むものの拒否されてしまい、パスポートも没収されて軟禁状態になってしまうのだった。 |
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ニコラスは、以前から好意を寄せていたアミンの第二夫人と関係を持ってしまう。やがて夫人がニコラスの子どもを身籠ってしまい、ニコラスの立場はさらに悪くなる。パニックに陥った夫人は、子どもを秘かに堕胎しようとしますが失敗し、その不貞が明るみに出る。そして彼女は見るも無惨な姿に……。ニコラスは、果たしてアミンとの関係をどう修復するのか? それとも決着をつけるのか? |
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