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『女帝 [エンペラー]』チャン・ツィイー&フォン・シャオガン監督 単独インタビュー

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『女帝 [エンペラー]』チャン・ツィイー&フォン・シャオガン監督 単独インタビュー

逆境が彼女の強さを生み出したのだと思います

取材・文:シネマトゥデイ 写真:若山和子、シネマトゥデイ

並外れた舞踏の技術、そして最高の演技力で“ゲイシャ”役を見事に演じた『SAYURI』で、巨匠スピルバーグをも唸(うな)らせた、アジア最高の女優チャン・ツィイー。“アジアの宝石”と呼ばれている彼女の才能にほれ込んだフォン・シャオガン監督の『女帝 [エンペラー]』で、彼女は、中国の宮廷に生きる“女帝”の秘めたる愛憎を美しく、高貴に表現した。久々の中国映画に出演したチャンと、シャオガン監督に話を聞いた。

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赤と緑をイメージして生まれた映画

チャン・ツィイー&フォン・シャオガン監督

Q:さまざまな“色”が魅力となっていますが、監督が考える“色”の効果について聞かせてください。

監督:チャン・ツィイーには赤と黒を混ぜたような濃いウイスキーのような赤を、方のダニエルに対しては、お茶のような緑をイメージしました。映画をご覧になれば分かると思うんですが、ダニエルの持つお茶のような緑とツィイーの持つウイスキーのような色が混ざったときに、さまざま火花が出てくるんです。その中に愛もあり、恨みもあり、善もあり悪もある。異なる気質の物、一緒に混ぜることによってまた違うエネルギーを生み出すという考え方をしました。

演じた人物にいろいろな感情を注入していくことができた

チャン・ツィイー&フォン・シャオガン監督

Q:久しぶりの中国映画の現場となったわけですが、撮影に参加されていかがでしたか?

チャン:とにかくとてもうれしかったです。この撮影をしながら監督は編集もやっていたんです。この映画で、自分の役がどのような方向に発展していくか分からなかったので、わたし自身も最初はすごく緊張していたんです。でも、だんだん自信も生まれ、撮影期間中にスタッフやキャストとも仲良くなれたので、全体がリラックスした環境の中で仕事ができました。そして、わたしの演じた人物に、徐々にいろいろな感情を注入していくことができました。

監督:彼女は撮影期間中、『SAYURI』の宣伝であちこち行っていたんですが、とにかく早く戻りたいと言っていたんですよ。「みんなと映画が撮りたい!」って(笑)。

チャン・ツィイーはウイスキーのような女性

チャン・ツィイー&フォン・シャオガン監督

Q:女優・チャン・ツィイーの印象を聞かせてください。

監督:これは本当の話なんですけど、撮影中に彼女の目を見るときは、ぼやけた感じで見るしかないんです。なぜなら本気で彼女の目を見ると、わたしはウイスキーでも飲んで酔っぱらったような気分になるんですよ。だから、毎日彼女の目を見るのは、せいぜい3回までにしていました(笑)。

逆境が彼女の強さを生み出した

チャン・ツィイー&フォン・シャオガン監督

Q:本作では“女性”が持つ精神的な強さが描かれていますが、“女帝”の強さはどこからきたのだと思いますか?

チャン:やはり、逆境が彼女の強さを生み出したのだと思います。逆境を乗り越えて行く……、それこそが彼女に強くなる可能性を与えたのだと思います。

Q:仲良しの仲間と撮った本作の魅力はどんなところでしょうか?

チャン:この映画って、見ごたえがあるだけではないんです。今、おっしゃったように、スタッフとも友だちのような関係だったので、親友と一緒に映画を作っているということがとてもうれしいことでした。そのパワーが伝われば……と思います。


「彼女の目を見ていると酒に酔ったようになってしまう……」と照れくさそうに話した監督と、そんな監督の言葉に無邪気に笑うチャン・ツィイー。絶対的な信頼で結ばれた監督と女優の言葉からは、壮大なスケールの愛憎劇を見事に完成させた自信が伝わってきた。憎しみと深い愛が、古代中国を舞台に美しく絡(から)み合う、チャン・ツィイーの新たな魅力を、映画とともに存分に味わってもらいたい。

『女帝[エンペラー]』は6月2日より有楽座系ほかにて全国公開。

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