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『あの空をおぼえてる』竹野内豊 単独インタビュー

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『あの空をおぼえてる』竹野内豊 単独インタビュー

明確なテーマがある作品だと思い、出演を決めました

取材・文:福住佐知子 写真:大橋仁

幸せな家族に突然振りかかった不幸を乗り越えようとする夫婦の懸命に生きる姿を描いた感動のドラマ、ジャネット・リー・ケアリー原作の児童書「あの空をおぼえてる」が映画化された。幸せな家族生活から、突然の事故で幼い娘を亡くし、自責の念に苛まれる父親を演じた竹野内豊が、撮影当時の思い出を語ってくれた。

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映画の現場にカムバック

竹野内豊

Q:久々の映画出演になりますが、映画の現場に入られた感想はいかがでしたか?

ずいぶん時間が空いてしまったんですが、率直に楽しかったです。充実していました。今までも何本か映画のお話はあったんですが、タイミングが合わなかったり、テレビの仕事が入っていたりして時間が経ってしまったんです。

Q:本作の出演を決めた理由を教えてください。

脚本を読ませていただいたときに、お話がストレートに伝わってきたんです。最近の子どもたちは行き場がないんだと感じていて、ニュースを見ることすらイヤだなと思うことが多くて……。このお話はシンプルで、それでも伝えたいテーマが明確にあると思いました。今は物質的には満たされていても、心が満たされない世の中なんだと感じていたときに、このお話をいただいて、こういう映画ってあってもいいんじゃないかと思ったんです。

子どもを亡くした父親を演じて

竹野内豊

Q:カメラマンの役でしたが、どのような役作りをされましたか?

基本的なカメラの持ち方や操作の仕方などは教わりました。いつも客観的にカメラマンの方を見ているので、違和感なくできたんじゃないかと思います。劇中の写真は大橋さんというカメラマンの方の写真を使用しています。

Q:子どもを亡くす父親を演じられることについてプレッシャーはありましたか?

自分には子どもがいないので想像の世界でしかないですが……。実際に子どもを亡くされた方々の手記をスタッフの方がいくつか集めてくださって、それを拝見させていただきました。

Q:娘を亡くした後、自責の念と喪失感からあなたが泣くシーンがありました。どんな気持ちで演じられたのでしょうか?

最初に、子どもたちと楽しくたくさん遊んだりして触れ合ったときの気持ちを胸に刻んでおこうと考えていて、実際に感じた自分の気持ちを大事にしました。自分が考えていた父親像があって、それはもう少しだけしっかりしていた方がいいと思っていました。ですが撮影が進むうちに、実際に子どもをなくしたら、雅仁のように心が壊れてしまうかもと思うようになりました。

冨樫森監督、水野美紀、そして犬

竹野内豊

Q:冨樫森監督はどんな方でしたか?

監督は基本的にはモニターのところにいないで、カメラのすぐ横にいるんです。目の前に顔があって、見られているのでうまくできなかったときなんか、空気感がダイレクトに伝わってくるんです(笑)。言葉は少なくても、気持ちがきちんと伝わってくる方でした。

Q:奥さん役の水野さんとは初共演ですが、夫婦役ということで、お2人で相談して演じられた場面はありますか?

どのシーンというのは無いですが。全体的にお互いの父親像だったり、母親像だったりについて話してみると、考え方が近かったので安心して作っていけました。

Q:犬も出演していましたが、どんな犬でしたか?

かわいいやつで、なかなか言うことを聞いてくれなくて(笑)。トレーナーの女性にとてもなついていたんで、その人のところに行きたくてしょうがないんです。その方が前にいると引っ張られちゃうんで、後ろにいてほしいとお願いしました(笑)。

待ち時間は子どもたちとゲーム

竹野内豊

Q:どんな現場だったのでしょう? ロケ地を含め、撮影時のエピソードを教えてください。

ロケ地は素晴らしい場所でした。ああいうところに住めたらいいですね。今回深沢家のモデルになった家は実際にあって、お昼にその家の方が炊き込みご飯を作ってくれて、みんなで“やったあ~”と喜んだら、ハチの子ご飯だったんです(笑)。食べましたよ。すごくおいしかったです。食べられました(笑)。待ち時間は子どもたちとコミュニケーションを取ることを大切にしていました。ルービックキューブとか「これ、できる?」って、持ってくるんです(笑)。いろんなゲームをして一緒に遊んでいました(笑)。

Q:この映画を観る人へのメッセージをお願いします。それと、今後は映画にもっと出演していただけますか?

すべての方々に観ていただきたい作品です。今後もできる限りいろんな映画に取り組んでいけたらいいと思っています。


撮影当時を振り返り、温かなまな差しで丁寧に語る竹野内の姿からは、ピュアで誠実な人柄が感じ取れ、その澄み切った瞳からは優しさがあふれていた。映画『明日への遺言』での初ナレーションやテレビのドキュメンタリー番組への初出演など、活躍の場を広げている竹野内。今後も舞台への挑戦など、まだまだいろんな顔を見せてほしい。その活躍をずっと見続けていたい俳優だ。

(C) 2008「あの空をおぼえてる」フィルムパートナーズ

映画『あの空をおぼえてる』は4月26日より新宿バルト9ほかにて全国公開

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