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『インクレディブル・ハルク』エドワード・ノートン 単独インタビュー

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『インクレディブル・ハルク』エドワード・ノートン 単独インタビュー

ハルクはパンツの破れ方がおしゃれだよね

文・構成:シネマトゥデイ 写真:Shuji Kobayashi

感情の高まりがある程度まで達すると、緑色の巨人ハルクに変身してしまう男の苦悩と恋愛を描いた映画『インクレディブル・ハルク』。アクションとともに、制御できない自分のパワーへの苛立ちや苦しみなど、ハルクの内面描写を取り入れ、よりドラマチックになった本作で、繊細(せんさい)な主人公、ブルース・バナーを見事に演じたエドワード・ノートン。脚本にもかかわった彼に、初のヒーローものへの出演となった本作の魅力を語ってもらった。

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新しいことに挑戦したくて出演を決めた

エドワード・ノートン

Q:『インクレディブル・ハルク』のオファーを受けた理由は?

CGを使ったアクション映画を観に行くのは好きだけど、自分が出演するのはちょっと抵抗があったんだ。こういう映画に出演したことのある友人たちに聞くと、CG用の撮影はすごく疲れるって聞いていたしね。でも、ちょうど新しいことをやりたいと思っていた時期に話が来たんだ。CGを多用した作品に出演したことはなかったから、面白い実験になると思ったんだ。起きていることの大半が想像の世界で、後から特殊効果チームが入る作品にチャレンジすることは純粋に興味があったよ。

Q:ハルクやコミックが大好きだったとか?

コミックは好きだったよ。幼いころはバットマンが大好きだった。スパイダーマンとかもね。もちろん僕の世代の人間はみんな、ハルクの番組を見ていたよ。当時、ブルース・バナーを演じたビル・ビクスビーはすごいと思っていた。今見ても彼は素晴らしい。共感させる力があるね。

Q:脚本にもかかわっておられますが、どういう経緯でそうなったのですか。

もっとシリアスに取り組んで違った方向に持って行くべきだって思ったんだ。ルイ・レテリエが監督に決まったとき、彼も脚本に不満を感じていたみたいでね。彼と話し合ううち、僕の意見に賛同してくれたので、アウトラインを書いてみたんだ。そうしたらそれを気に入ってくれて、脚本も任せてくれたんだよ。

Q:近年ヒーロー映画が多く作られていますが、なぜ今ヒーロー映画が多く作られるのでしょうか?

なぜだろ? わからないな。一つには技術が進歩して、コミックのダイナミックさを見せられるようになったこともあると思う。1980年代の技術ではコミックに描かれているものをリアルに見せるには十分でなかった。この10年から15年の間にCG技術が飛躍的に向上して、コミックの世界をリアルに見せられるようになったよね。それが理由の一つだと思う。

ブルースとハルクを演じ分けて

エドワード・ノートン

Q:ブルース・バナーの人間的な魅力は?

彼は強い倫理感を持っていて、人を傷つけたくないと思っているから、みんなに愛されているんだと思う。ブルースは決してハルクになろうとしていない。もっと平和に暮らしたいと思っているのに、周りが彼を追い込むんだ。自分の中から何かが出てきて相手を罰してくれるという、そういうファンタジーに共感する人がたくさんいると思う。

Q:ハルクの魅力や演じる際こだわった点を教えてください。

パンツが最高だね。破れ方がおしゃれだよね(笑)。あと服装にはこだわったよ。彼の生活がいかに苦しいかを見せるためにね。いかにもお金がなくて、古着屋で買ったようなよれよれの服を着て、ずっと逃亡をしている感じを出したよ。内面的には、彼がすごく慎重で孤独なところを表現するようにした。彼は自分の中にあるものを恐れ、ほかの人から距離を取るようになった結果、孤独になってしまうんだ。

Q:ハルクを演じて、一番楽しかったことは?

監督のルイが大好きだった。ナイスガイで、すごくウマがあった。とにかく素晴らしい人だったよ。面白いカメラの使い方をするし、いつもポジティブなんだ。キャストも素晴らしかったね。素晴らしい役者たちがそろっていた。リヴ(・タイラー)との共演も楽しかった。一緒に作品を作っていく人たちに恵まれたと思う。それから特殊効果についてもいろいろと勉強できた。あまり勉強しない作品もあるけれど、今回は学ぶことがあって楽しかった。

Q:逆につらかったことはありますか? 普通の映画の現場と比べて、大変だったところは?

一番大変だったのは、スタジオの人たちにアメコミ映画が知的な作品になり得ることを納得してもらうのが大変だったかな。アクションだけの作品にしたいと言う人たちもいたから、一生懸命この作品に知性を持たせようと頑張ったよ。

素晴らしい共演者たちに囲まれて

エドワード・ノートン

Q:子どもたちには、どんなところを楽しんでほしいですか?

ある意味、これは子ども向けの作品だと思うんだ。こういう作品は子どもにとって最適な作品だと思う。ファンタジックだし想像力をかきたてるからね。これでハルクを初めて見るという子どもたちが、僕たちと同じように、ハルクに同情しハルクを好きになってくれればいいと思う。人々とハルクとの関係が、これからもずっと続いて、皆の好きなモンスターになってくれればいいね。

Q:リヴとの共演の感想を聞かせてください。

彼女は素晴らしい人だよ。絶対に怒らない、ハルクと正反対だね。何をしても絶対に怒らない、すごく優しい人だ。

Q:ティム・ロスは?

彼も素晴らしい人だ。お気に入りの役者の一人だよ。面白いし優れた役者だ。ただ共演するシーンはほとんどなかった。最後の方に彼が僕の頭をつかむシーンがあって、すごく強くぶたれたことはよく覚えているよ。

Q:ウィリアム・ハートは?

今まで共演した中で一番ユニークな役者の一人だ。仕事の仕方がとても激しいけど素晴らしい役者だ。彼がロス将軍を演じるというのは、コミックのファンは意外に思うだろうけれど、最高だよ。でも彼が素晴らしい演技をしたと僕が思っていたシーンの多くは、カットされてしまったんだ。本当に彼、すごかったんだよ。僕の一番好きだったシーンもウィリアムのシーンだったんだけど、それもカットされてしまったんだ。DVDで見られるといいな。


エドワード・ノートン

大阪にある海遊館の建設に関わり、15年前に大阪に滞在していたというエドワード。インタビューでは、大阪での思い出話にも花が咲いた。今でも、「お好み焼きは大好き!」と話すエドワードは、日本語もずいぶんと覚えているようだ。本作には、日本でも有名な格闘家ヒクソン・グレイシーが出演。日本の神社で合気道を習っていたというエドワードの隠れた才能にも注目してもらいたい。

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『インクレディブル・ハルク』は8月1日より有楽町スバル座ほかにて全国公開

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