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『アンフェア the answer』篠原涼子 単独インタビュー

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『アンフェア the answer』篠原涼子 単独インタビュー

裏切られると余計に真実を追究したくなる

取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美

2006年に連続ドラマが放送されて以来、ハードボイルドで予測不可能なストーリー展開で人気を博した「アンフェア」シリーズが、映画『アンフェア the answer』としてついに完結する。今回は、北海道・紋別で連続殺人事件の容疑を掛けられた主人公の女刑事・雪平夏見が、国家を脅かす巨大な陰謀に巻き込まれていく姿をスリリングに描く。検挙率ナンバーワンを誇るクールビューティー・雪平役ですっかりおなじみとなった篠原涼子が、2007年の劇場版から4年ぶりとなる本作について、見どころや撮影秘話をたっぷりと語った。

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サイコ・サスペンスがプラスされた今回の『アンフェア』

篠原涼子

Q:毎回、予測できない展開が楽しみな「アンフェア」シリーズですが、篠原さんご自身は、今回の展開についてどう感じましたか?

最初に台本を読んだときはびっくりしました。途中で雪平がすごいことになってしまうので、「え? こんなふうに物語が終わっちゃうの!?」って思ってしまって……。でも、次のページではまったく違う展開になっていて、わたしもすっかりだまされました(笑)。これまでのシリーズは、派手な銃撃戦やアクションが多かったんですけど、今回は心理戦を中心に描いているんです。恐怖感のあるサイコ・サスペンスにもなっていたりして、これまでとは雰囲気がガラッと違う作品になっていると思いました。

Q:前作から4年ぶりの撮影ということで、プレッシャーもあったのではないですか?

観てくださるお客様の持っている雪平や作品に対するイメージを壊さないようにしなければいけないというプレッシャーはありました。でも、撮影自体はすごく楽しみだったんです。現場に入って、雪平の定番アイテムの黒いロングコートを着ただけで、すっと役に入っていけました。

Q:その黒いロングコートが、北海道のシーンでは黒のダウンコートになっているところも新鮮でした。

そうなんですよね。東京で衣装合わせをしたときに、「やっぱり、雪平がダウンなんておかしいですよ!」とスタッフさんに言ったんですけど、「それは東京だから言っていられるのであって、北海道に行ったらダウンにしたくなると思うよ」と言われたんです。一応、いつもの黒いコートも持っていって、現場で考えるつもりでいたんですけど、実際はあまりにも寒過ぎて、考える間もなくダウンを選びました(笑)。

女性監督ならではの描写が満載!ラブシーンにも注目!

篠原涼子

Q:これまでのシリーズで脚本を手掛けていた佐藤嗣麻子さんが、今回は監督も務めていらっしゃいますが、女性の監督ならではの良さなど実感されたことはありますか?

今回の雪平は、これまでの冷徹で強いイメージよりも、人間としての弱さや女性らしさを強調しているのですが、それは女性監督だったからだと思います。脚本を手掛けてきた嗣麻子さんは、雪平を誰よりも知っているから、指示も具体的でわかりやすいんです。体を露出するシーンもありましたけど、女性の体をどう撮ったらきれいに見えるのか、同性だからこそわかっていてくださる部分もあって、すごくやりすかったです。

Q:香川照之さん、加藤雅也さん、阿部サダヲさん、寺島進さん、など、久々のアンフェア・チームの再会で、皆さんのテンションも高かったのではないですか?

皆さん、すごく力が入っていらっしゃいましたね。でも、現場では世間話ばかりしていて、お仕事の話なんて全然しなかったんです。「会っていない間に何をしていたの?」みたいなたわいない話ばかり(笑)。レギュラー陣だけでなく、ゲストの佐藤(浩市)さんも山田(孝之)くんも大森(南朋)さんも、本当に面白い方たちで、「芸能人って、こんなにいい人ばかりなの?」って思ったくらいでした。

Q:雪平と一条刑事(佐藤浩市)とのラブシーンも見どころですよね。本番前に監督と部屋にこもって打ち合わせをしたそうですが、ご自身でもアイデアを出されたのですか?

最初の台本では、「見つめ合ってほほ笑む2人」とか、すごくストレートなベッドシーンだったんです。でも、雪平ならもっと違う感じになるんじゃないかなと思って、監督にわたしの希望を伝えてシーンをつくっていきました。普通ではない、雪平ならではの「上から目線」のラブシーンにしたかったんです。ベッドでは、雪平が一条の下にいるのではなくて、上にいるような……。

ヌードにも挑戦!もっと大胆に見せてもよかった?

篠原涼子

Q:アクションシーンに関しても、篠原さんなりのこだわりがありそうですね?

実は、もっと複雑なアクションがやりたかったんです。今回の雪平は、誰かに攻められる側の動きが多いんですよね。もう少し相手を攻撃するアクションもやりたかった。「アンフェア」シリーズでアクションをやるようになってから、どんどんハマっていって、「こういうふうにアクションをやったら強い女に見えるのではないか」とか、強さをアピールしたくなってしまったんです。まあ、今回の映画は今までとは違うところがポイントなので、それはそれでいいと思っているんですけどね。

Q:ほかにも、もっとやりたかったことはありますか?

いろいろあります。例えば、シャワーシーンも、「もっと大胆に見せてもいいんじゃないかな」って思いました。あのシーンでは、もちろん下着だけは着けているんですけど、あとは全部脱いでいるんです。もちろん、せっかくあそこまで脱いでいるのだから、背中などももっとバーンと見せちゃっていいのに、と思ってしまって……。とは言っても、自分の体をアピールしたいわけではないんですよ(笑)。もっと大胆にしても、面白そうだなと思ったりしたんですが。

Q:なるほど、観る側の感覚で撮影に臨んでいたのですね。

そうですね。自分が観たときに面白いものにしたいというのは、常に考えているような気がします。

役者一人一人の表情に秘密が隠されている!

篠原涼子

Q:誰も信じられない状況に追い込まれても、決してくじけない雪平ですが、あのタフさの秘けつはどこにあるのでしょう?

雪平は本当に芯が強いですよね。人間って、裏切られると余計に真実を追究したくなるものなのかもしれませんね。あと、雪平の場合は、「誰が父親を殺したのか?」というドラマからの謎が映画でも続いているので、その正義感や強さがベースにあるのだと思います。ただ今回は、初めて雪平を「守ってあげたい」という感覚になりました。本当は純粋で素直な人なのかな……なんて思うシーンもあって。

Q:そんな雪平と、ご自分が重なる部分はありますか?

まったく重ならないです。むしろ真逆ですね。雪平は、かなりつくり込んで演じる必要がある役でした。少しでも自分を出したら大変なことになってしまったと思います(笑)。でも、つくっていく役のほうがやりやすいんです。自分をリアルに出すと、どこか普通の人になってしまうので、雪平のようなキャラものの方が演じていて楽しいし、やりがいもありますね。

Q:最後に、ここは絶対に見逃さないでほしいという本作の注目ポイントを教えてください。

全部見逃さないでください! 役者さん一人一人の表情の中に秘密が隠されているので、一瞬たりとも気が抜けないですし、1回だけじゃなくて2回3回と観ることで、より楽しめる作品になっていると思います。エンドロールにもヒントが隠されているので、最後まで絶対に目を離さないでほしいです!


篠原涼子

誰もが惹(ひ)きつけられてしまうチャーミングな女性であると同時に、肝の据わった素晴らしい女優でもある篠原涼子。「アンフェア」シリーズと雪平夏見という役へのこだわりは相当なもので、衣装や細かいしぐさに至るまで、徹底した役づくりをしていたことがうかがえた。彼女自身が「すっかりだまされた!」と語った本作は、「なるほど、そう来るか!」と思わずひざを打ってしまうドンデン返しの連続。本当にアンフェアなのは誰なのか、最後の答えをスクリーンで確認してもらいたい。

(C) 2011 アンフェア製作委員会

映画『アンフェア the answer』は9月17日全国公開

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