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おとぎ話を大胆にアレンジした映画特集

今週のクローズアップ

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今週のクローズアップ おとぎ話を大胆にアレンジした映画

 「不思議の国のアリス」をアレンジした『アリス・イン・ワンダーランド』の大ヒット以降、ハリウッドでは童話の映画化ブーム。今年公開のものから、企画中とウワサされる作品まで、ずらっとご紹介!
「不思議の国のアリス」をアレンジ!バートン流『アリス・イン・ワンダーランド』

 2010年に公開されたティム・バートン監督の映画『アリス・イン・ワンダーランド』。「不思議の国のアリス」を基に独創性を爆発させたのがバートン監督。主人公はもちろんアリス。19歳に成長し、婚約パーティーという場面から始まる。まったく現実社会になじめないアリスは、目の前に現れた白ウサギを追い、かつて迷い込んだ世界に再び迷い込んでしまう。そこは以前とは変わり、赤の女王の独裁と化し、ジョニー・デップふんする帽子屋たちは、赤の女王を倒す救世主アリスが来るのを待ち望んでいたというお話。

 赤の女王vs.アリスがメインだが、実際はアリスの成長物語。上流階級の人間にふさわしい振る舞いをすることや、決められた結婚をすることが本当に幸せなのか? アリスはそんなふうに思っているのは一目瞭然(りょうぜん)。不思議の世界に入った最初も「これは夢」「わたしは(救世主といわれているアリスではなく)偽物よ」と逃げている。しかし物語が進むにつれ、自分と向き合い、自ら決断するようになるのだ。救世主としての使命を果たし、そして不思議の国にはとどまらず現実世界に帰ること、結婚はせず、亡くなった父の仕事を継ぐというラストからも、カラフルなファンタジー物語かと思えば、実は結構マジメにアリスの成長を描いているバートン監督なのでした。

 

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© Disney

グリム童話「赤ずきん」をアレンジ!甘~いロマンスで展開の『赤ずきん』

 主人公・赤ずきんが成長した設定で描かれた映画『赤ずきん』。原作の後日談ではなく、童話をモチーフにした作品。

 映画では、成長した赤ずきんの三角関係を軸に、オオカミは人狼にアレンジされていて、村人の誰が人狼なのか? というロマンス+ミステリー・サスペンス調で展開。日本人にもなじみのある童話だけに、「どうしておばあさんの目は大きいの?」という有名なセリフも入っていて、森の奥に住む赤ずきんのおばあさんがめちゃくちゃ怪しいく、観客の先入観を上手に利用した演出がなされている。

 それにしても、真っ赤なずきんが印象的で、赤ずきんふんするアマンダ・セイフライドが、やけに肉感的でエロチック。監督が『トワイライト~初恋~』の女性監督だけあり、少女ゴコロをくすぐりそうな作品だ。また、赤ずきんと相思相愛の木こり・ピーターを演じるシャイロー・フェルナンデスは、『トワイライト』のエドワード役のオーディションを受けていた俳優で、顔の濃さは役を得たロバート・ パティンソンといい勝負かも。

 

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© 2011 Warner Bros. Entertainment. All Rights Reserved.

二つの童話を合体アレンジ!エロスな『禁断メルヘン 眠れる森の美女』

 2月18日よりヒューマントラストシネマ渋谷でレイトショー公開される『禁断メルヘン 眠れる森の美女』。フランス人女性監督カトリーヌ・ブレイヤが、「眠れる森の美女」とアンデルセンの「雪の女王」の二つの童話をミックスした大人のメルヘン(!?)映画。

 「眠れる森の美女」はグリム版などいろいろな解釈で出版されているが、王女に魔女が「王女は16歳で死ぬ」とのろいをかけ、別の魔女が「王女は100年の眠りにつく」とのろいを変えるお話。映画もこの話から始まり、100年の眠りから覚めてからが大胆アレンジ! 16歳に成長したアナスタシアは恋をするものの、セックスへの興味と「まだ若い」という気持ちでなかなか一歩を踏み出せない。ブレイヤ監督はこれまでも女性のセクシャリティーをテーマにした作品を撮り続けており、たとえ世界的童話であろうとその軸はブレない。アナスタシアは眠りの中で出会った少女と再会し、恋の悩みを打ち明けている間に、何とその子と愛のレッスン! その後、「ギャー!」という悲鳴と共に青年と結ばれるシーンも。大胆に官能的なアプローチで、おとぎの世界で生きていた幼少期から現実世界で生きる思春期の少女を恋愛面から描いた本作。その先にあるもっと現実的な出来事とは……?

  ハリウッド映画のような明快さはないが、フランス映画らしいエロスに満ちた作品だ。


女子と愛のレッスン!

愛する男性と初めて……官能的に大胆脚色!
© 2010 - FLACH FILM PRODUCTION - CB FILMS - Marathon - ARTE France

童話が映画化されるか否か?気になる今後の作品ラインナップ

◆グリム童話「白雪姫」
 クリステン・スチュワート主演で大胆アレンジされるのが『スノーホワイト』(6月15日公開)。白雪姫がバトルヒロインとして描かれ、劇場用映画初監督となるルパート・サンダースがメガホンを取る。白雪姫と死闘を繰り広げる悪の女王にはシャーリーズ・セロンがふんし、ダーク・アドベンチャーに仕上がっている。

 そして、同題材で悪の女王(白雪姫の継母)を主人公に物語が進むのはターセム・シン監督作『ミラー、ミラー(原題) / Mirror, Mirror』(全米3月公開)。いじわるな継母を演じるのはジュリア・ロバーツ、白雪姫にはリリー・コリンズ、王子はアーミー・ハマーがふんする。こちらは『スノーホワイト』とは180度違うコメディータッチなのが特徴。本作の豪華でユニークな衣装は、先日亡くなった石岡瑛子さんが担当している。


◆「眠れる森の美女」
 実写版『眠れる森の美女』がヘイリー・スタインフェルド主演候補で進んでいるという。魔女ののろいで眠りについた姫が目覚めるための王子のキスを待つのではなく、自ら眠りから脱出しようとする奮闘劇になるといわれているが、主演など含めまだ詳細は明らかになっていない。

 もう1本、同じ題材で、姫にのろいをかける魔女を主人公にした『マレフィセント(原題) / Maleficent』が企画中だ。ティム・バートンが監督するといわれていたが降板との報道。魔女を演じるのはアンジェリーナ・ジョリーともっぱらウワサされている。バートン監督×アンジーが実現しないのは残念だが、魔女役が恐ろしいほどしっくりきそうなアンジーの姿は見てみたい!


◆アンデルセン童話「人魚姫」
 実写版「人魚姫」が『つぐない』ジョー・ライト監督で実写化を計画されているという。原作に忠実な物語にしたいとライト監督は語っているとか。文学的な作品を得意とするライト監督だけに、いちずに愛する人間の王子と人魚の悲恋をどう描くのか気になるところ。

  同じく「人魚姫」を題材に米ソニー・ピクチャーズが製作する作品もある。こちらは、王子と王女と人魚姫の三角関係が描かれるという。監督はシャナ・フェステに白羽の矢が立っている。


◆アンデルセン童話「雪の女王」
 こちらは3Dアニメだが、2013年全米公開予定で進んでいるのが「雪の女王」の映画化『フローズン(原題) / Frozen』。旧ソ連などで映像化されている話だが、ディズニーでは初めて製作する。

 ほかにも『わたしを離さないで』のマーク・ロマネク監督による実写版『シンデレラ』の企画や、「ピノキオ」関連では前日譚(たん)を20世紀フォックス、実写化作品をワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズ、ストップモーションアニメはギレルモ・デル・トロ監督がメガホンを取る三つの制作があり、今後も童話の映画化は続きそうだ。

シャーリーズ・セロンがいい具合に、意地悪そう。(『スノーホワイト』より)
© 2011 Universal Studios. All Rights Reserved.


素のままでも魔女役ができそうなアンジー
Steve Granitz / WireImage

『つぐない』『ハンナ』とライト監督作に出演のシアーシャ・ローナンちゃんが人魚姫でもカワイイかも!
Matt Carr / Getty Images

文・構成:シネマトゥデイ 片岸朝香

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