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第64回:『舞妓はレディ』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『フランシス・ハ』『猿の惑星:新世紀(ライジング)』『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』

今月の5つ星

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名作『猿の惑星』の前日譚(たん)を描いたSF大作の続編『猿の惑星:新世紀(ライジング)』、『Shall we ダンス?』の周防正行監督が舞妓(まいこ)を題材にしたドラマ『舞妓はレディ』、『イカとクジラ』のノア・バームバック監督が、不器用なヒロインの自分探しを描く『フランシス・ハ』など、大作からツウ好みのミニシアター系作品まで、バラエティー豊かなラインナップを紹介します!

『舞妓はレディ』

『舞妓はレディ』
©2014 フジテレビジョン 東宝 関西テレビ放送 電通 京都新聞 KBS京都 アルタミラピクチャーズ

新星・上白石萌音がキレキレのダンスで魅了
周防正行監督の最新作は、近年シリアスな作品が続いていた同監督にとって久々の娯楽作。田舎育ちの世間知らずな少女が、言語学者や周囲の人々の協力を得て舞妓となっていく姿をミュージカル風に描いた楽しい作品だ。実は脚本作りの難しさなどから約20年間休止していた企画だったそうだが、前作『終の信託』終了後に再起動し、慎重な周防監督には珍しく脚本が未完成の状態でヒロインのオーディションやオープンセットの建設を進めたという。京都の花街(芸妓(げいこ)や舞妓遊びのできるお茶屋などが集まる地域)を舞台にしながらも、架空の街を作り、ミュージカル風にファンタジーとして描いたことも面白いが、ヒロイン役の上白石萌音の新鮮な魅力が光る。素朴な少女が成長し、変化していく姿を見事に表現していて、彼女のキャスティングが本作の大きな成功要因の一つともいえる。また、彼女のキレキレのダンスにも目を奪われることだろう。(編集部・天本伸一郎)

映画『舞妓はレディ』は9月13日より全国公開

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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
©2014 Marvel. All Rights Reserved.

全ての年齢層に向けた笑いネタの数々に圧倒される
トレジャーハンター、暗殺者、賞金稼ぎ……とヒーローとは思えないやつらがチームを組んだ本作。しかしその設定よりも、ジェームズ・ガン監督の「笑いは命!」とばかりに、次から次にぶっこんでくる笑いの要素に圧倒される。ヒーローのおまぬけな姿を見せるなど、お約束をぶち壊すようなまさかのネタまで。全ての年齢層に向けたネタの張り方には、家族みんなで娯楽として楽しんでほしいという監督の願いが込められているようにも感じられる。名優ベニチオ・デル・トロが、宇宙ものの映画に必ず出てくるどこかうさんくさいキャラクターを演じているのにもニヤっとさせられる。またブラッドリー・クーパーが声だけの出演で、彼のセクシーさはどう味わうことができるの? と不安を抱いているファンもご安心。「オウ、イエー」とセクシーな声で、スクリーンを駆け巡るアライグマ・ロケットにほれてしまうこと間違いなし。(編集部・井本早紀)

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は9月13日より2D / 3D全国公開

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『フランシス・ハ』

『フランシス・ハ』
©Pine District, LLC.

人生の岐路に立っている人にはドストライク
謎めいた作品タイトルとモノクロのビジュアルに惹(ひ)かれた人も多いのではないだろうか? アカデミー賞脚本賞にノミネートされた『イカとクジラ』ノア・バームバック監督作なので、良質なドラマは期待を裏切らない。ダンサーとして生計を立てることを夢見る主人公フランシスが20代後半という、誰もがその先の自分の人生に不安を抱くようなシチュエーションの中、壁にぶち当たり、徐々に現実を受け入れて大人になっていく姿を追う。全編モノクロで視覚的に色の情報が入ってこないぶん、よりフランシスを取り巻く事情にフォーカスしているといえるだろう。また、主人公がもがきまくる姿に客観視することの重要性というメッセージが込められているとも解釈でき、人生の岐路に立っている人にはドストライクの映画。ラストシーンには一つの種明かし的要素が用意されており、心地よい余韻に浸ることができる。(編集部・小松芙未)

映画『フランシス・ハ』は9月13日より全国順次公開

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『猿の惑星:新世紀(ライジング)』

『猿の惑星:新世紀(ライジング)』
©2014 Twentieth Century Fox

権力闘争社会に心を痛める猿の哀愁漂う表情は演技賞もの
SF映画の金字塔の前日潭(たん)を描くという、誰もが不安を抱く企画を熱い感動のドラマとして送り出し、猿のシーザーという新たなヒーローまで生み出してしまった『猿の惑星:創世紀(ジェネシス)』の続編。前作の観客の期待に応えるのは至難のワザだと思われたが、前作以上に丹念に練られた人間ドラマとVFXの粋を集めたアクションで、そのハードルを軽く越えてしまった。舞台は前作から10年後。シーザーは、リーダーとして、そして家族を持つ大人へとすっかり成長を遂げており、平和を願いながらも、権力闘争へと突き進む進化した猿の社会に心を痛める哀愁漂う表情は演技賞もの! 自分の運命を全て受け入れ戦いに臨むクライマックスには心が熱くなること必至だ。もちろん大量の猿が入り乱れる人間たちとの戦争は前作を超える迫力。人間との絆を描く感動のドラマは少々鳴りを潜めたが、傑作の跡を継ぐのに十二分の仕事がなされた一本。(編集部・入倉功一)

映画『猿の惑星:新世紀(ライジング)』は9月19日より全国公開

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『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』

『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』
©Universal Pictures

人生を肯定的に捉えるカーティス監督の集大成的作品
何げない日常がいかに幸せなものであるかをタイムトラベルという非日常の能力を通して映し出した本作は、耳を澄まして観るべき映画だ。『ハリー・ポッター』シリーズのビル・ウィーズリー役で知られるドーナル・グリーソンのモノローグから、ビル・ナイの結婚式のスピーチ、そしてリンゼイ・ダンカンが口にする夫への思いまで、シンプルだからこそズドンと響くセリフの数々は名脚本家でもあるリチャード・カーティス監督ならでは。また『ラブ・アクチュアリー』『パイレーツ・ロック』とポップソングの歌詞に思いを託してきた彼の選曲センスは本作でもさえ渡っており、特にベン・フォールズの「The Luckiest」の使い方の心憎いことといったらない。人生を肯定的に捉えるカーティス監督のまさに集大成というべき作品。こんなにもチャーミングでこんなにも胸が苦しくなる映画には、そうそうお目にかかれない。(編集部・市川遥)

映画『アバウト・タイム ~愛おしい時間について~』は9月27日より全国公開

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