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テーブル席は3,000万円以上!? ファッション界のアカデミー賞メットガラの知られざる事実6つ

「メットガラ」って何
鮮やかな黄色の衣装をまとったリアーナ

 こんにちは。“映画で美活する”をモットーに活動する映画美容ライターの此花さくやです。

 アカデミー賞授賞式の熱も収まり、4月ぐらいから海外メディアがこぞって、ファッション界のアカデミー賞ともいわれるメットガラ関連の記事を掲載し始めますよね。すまし顔のセレブが意外にイケてないドレスを着ていたり、大物女優が悪趣味ともいえるような露出をしていたり、ついつい「今年のワーストドレッサーは誰~?」なんて意地悪くファッションチェックしちゃいませんか? とはいえ、「メットガラってそもそも何?」と密かに感じている方も多いのでは? そこで今回は、2015年に開催されたメットガラの裏側に初潜入したドキュメンタリー映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』をより一層楽しむために、「メットガラ」について知られざる事実を6つピックアップしてみました!

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事実その1:そもそも「メットガラ」って何?

「メトロポリタン美術館」
美しいライトアップがされたメトロポリタン美術館。ここで夢の祭典メットガラが開催されます

 「ファッションのアカデミー賞」「パーティー・オブ・ザ・イヤー」などと呼ばれる「メットガラ」は、直訳すると“メット”(メトロポリタン美術館)の“ガラ”(お祭り)という意味。このパーティーの目的は、メトロポリタン美術館の服飾部門による資金集め。毎年5月の第1月曜日(First Monday in May)に、同美術館の服飾部門が毎年開催する展覧会のオープニングパーティーを主催します。

事実その2:パーティーチケットはいくら?

「豪華な入場」
企画展「鏡の中の中国」

 The New York Times によると、2016年はパーティーの席料が3万ドル(約345万円)で、テーブル席が27万5,000ドル(約3,162万5,000円)! (1ドル115円計算)それでも600席あるパーティーチケットは即時完売となるらしいです。ほんっと、お金ってあるところにはあるんですね……。ちなみに、パーティーや企画展の費用はスポンサーが支払うので、パーティーチケットの売り上げがそのまま利益となるのだとか。

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事実その3:タダで行っている人もいる!?

「メットガラ」
メットガラのチケットは政治、ビジネス、アート、ファッション、音楽の世界で一流の人しか呼ばれないという、世界で一番入手困難なチケット

 「345万円払ってキム・カーダシアンやリアーナに会えるなら安いじゃん!」なんて思った大金持ちのアナタ! このパーティーは招待客限定で、ウェイティングリストは毎年長くなる一方だそう。しかも、政治、ビジネス、アート、ファッション、音楽の世界で一流の人しか呼ばれないという、世界で一番入手困難なチケットなのです! そして、“誰が出席できるか”の最終判断は、「VOGUE」アメリカ版の名編集長、そう、映画『プラダを着た悪魔』メリル・ストリープが演じた編集長のモデルと言われる、“あの”アナ・ウィンターに委ねられています。なので、無名でもアナに気に入られたファッションデザイナーならタダで招待されるという噂。どうやら、庶民がメットガラに参加する唯一のチャンスは、ファッションデザイナーになるか、アナのアシスタントになるしかなさそう……。(ハードル高っ!)。

事実その4:謎のサングラスをかけた鬼編集長、アナ・ウィンターが「メットガラ」を成功へ!?

シャネルのサングラスの奥でアナ
シャネルのサングラスの奥でアナはどんな表情を?

 1999年以来、メットの理事としても活動しているアナの役割はパーティーの全てを運営すること。エンターテイナーとの交渉から、招待客の手配、テーブルの席順、パーティーでの人員配置までありとあらゆる詳細をアナが若いアシスタントを従えて即決していきます。その様子はまさに映画『プラダを着た悪魔』そのもの! なんと、1999年から2015年までにアナが集めた資金は総額1億2,000万ドル超(約138億円)にものぼるというから、彼女の手腕と人脈はハンパない!

 本作は、謎のサングラスと氷のポーカーフェイスが超怖いアナの鬼の仕事っぷりだけではなく、彼女が自宅でくつろぐ素顔なども見せていて、彼女の人間的な魅力も垣間見ることができます。

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事実その5:「メットガラ」陰の立役者は?

キュレーター、アンドリュー・ボルトン
服飾部門のキュレーター、アンドリュー・ボルトンの働きに注目です

 アナばかりが注目される「メットガラ」ですが、パーティーでお披露目する春の企画展はメットの服飾部門のキュレーターが担当します。映画が描く2015年の企画展は「鏡の中の中国」。キュレーターはアナと同じイギリス出身のアンドリュー・ボルトン。アンドリューは中国の美に影響された欧米人ファッションデザイナーと、中国の伝統服を西洋のファッションに取り入れた中国人デザイナーの作品を織り交ぜ、訪れる人が「鏡の国のアリス」のように鏡を通り抜けて東洋と西洋の異世界を行ったり来たりできるような“東西融合”をテーマに据えました。

ウォン・カーウァイが芸術監督
ウォン・カーウァイが芸術監督

 また、映画『ブエノスアイレス』や『花様年華(かようねんか)』を監督したウォン・カーウァイが芸術監督を務めており、彼がアンドリューと議論を交える姿も映画ファンには嬉しい! さらには、パーティー開催まで1週間を切っているのに、次から次へと問題が降りかかり設営が一向に進まない……そんな「メットガラ」のスリリングで過酷な舞台裏も覗けます。

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事実その6:ファッションはアートじゃない!?

キュレーター、アンドリュー・ボルトン
アンドリューが伝えたかったこと……

 2015年の企画展を通してアンドリューが伝えたかったのは「ファッションはアート」だということ。芸術界ではファッションはアートと見られないことが多く、メット内でも服飾部門は長らく軽んじられた存在だったといいます。作中では、カール・ラガーフェルド、ジャン=ポール・ゴルチエ、ジョン・ガリアーノらそれぞれが展開するファッションとアート論が、アンドリューやアナの主張と違っている点も必見です! メットでは服飾部門だけが自分たちで資金集めをしなければいけないのも、こういった政治的な背景があるのでしょうか?

セレブ
セレブの素顔も見放題

 豪華なドレスとファッション史を堪能しながら、ファッションとアートの深遠なるテーマについて考えさせられる……まさに“心の美活”にぴったりな映画! ほかにも、ビヨンセがリアーナのライブでノリノリになっているところや、ジェニファー・ローレンスが超つまんなそうにしているところなど、セレブの素顔も見逃せません。

 日本人として誇らしいことに、2017年5月の「メットガラ」企画展は、「川久保玲/コムデギャルソン」展に決定! 現存デザイナーの展覧会が開催されるのは、1983年のイヴ・サンローラン以来だそうです。

映画『メットガラ ドレスをまとった美術館』4月15日(土)Bunkamuraル・シネマヒューマントラストシネマ有楽町新宿シネマカリテほか全国公開

写真:(C) 2016 MB Productions, LLC 【参考資料】What Is the Met Gala, and Who Gets to Go? - The New York Times

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此花さくやプロフィール

此花

 「映画で美活する」映画美容ライター/MAMEW骨筋メイク(R)公認アドバイザー。洋画好きが高じて高3のときに渡米。1999年NYファッション工科大学(F.I.T)でファッションと関連業界の国際貿易とマーケティング学科を卒業。卒業後はシャネルや資生堂アメリカなどでメイク製品のマーケティングに携わる。2007年の出産を機にビジネス翻訳家・美容ライターとして活動開始。執筆実績に扶桑社「女子SPA!」「メディアジーン」「cafeglobe」、小学館「美レンジャー」、コンデナスト・ジャパン「VOGUE GIRL」など。海外セレブのファッション・メイク分析が生きがいで、映画のファッションやメイクHow Toを発信中!

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