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木村拓哉&福士蒼汰&市原隼人
『無限の住人』
もうどうなってもいい、それが第一条件
『無限の住人』木村拓哉&福士蒼汰&市原隼人 インタビュー

取材・文:森田真帆 写真: 奥山智明

人気を誇る沙村広明の同名漫画を、木村拓哉主演、三池崇史監督のタッグで実写化した映画『無限の住人』。不死身の肉体を持った剣士の万次が、杉咲花演じる剣客集団「逸刀流(いっとうりゅう)」に親を惨殺された少女・凜とともに終わりの見えない戦いに身を投じていく姿を圧倒的な迫力で描いた、全く新しい“ぶった斬り”エンタテイメント。「逸刀流」を率いる天津影久を演じる福士蒼汰と、残忍な人殺し尸良(しら)を演じる市原隼人が、主演の木村とともに作品への熱き想いを語った。

■覚悟を持って挑んだそれぞれの役柄

Q:ご自身の役柄への印象は?

木村拓哉(以下、木村):まず原作がとてつもなく面白いので、その面白さを自分たちが具現化することへのワクワク、高揚感はもちろんですが、あまりにも原作が面白かったので同時にハードルも感じました。万次を演じさせていただく上では、八百比丘尼(やおびくに)のババアによって蟲を仕込まれて不死の肉体となる万次になるわけですから、万次の着物に袖を通した瞬間から「もうどうなってもいい」という気持ちで撮影現場にいました。その気持ちを「覚悟」と呼ぶならば、美しいものに聞こえるかもしれませんが、自分にとってはその気持ちが三池組の一員になる第一条件だったんです。

福士蒼汰(以下、福士):僕が演じた天津影久は、原作で万次にとって最強の敵として描かれています。でも彼は、自分の祖父の敵討ちを果たすということを目標に据えている。ですから自分自身が演じるにあたっては、「善」「悪」の区別をつけずに演じました。彼自身が信じている道を「善」として貫いているという姿勢でいたかったんです。

市原隼人(以下、市原):脚本を読んだとき、キャラクターたちの疾走感にワクワクして早く撮影現場に入りたかったです。尸良(しら)は、本当だったら死罪人であり表に出ることはできない身。だからどの集団にも属していなくて、現代でいうチンピラのような存在です。何をしても許されてしまう一方で、帰るところのない寂しさがあると思います。自分の中にあるどうしようもない気持ちを、残忍な殺しという快感で自分自身の中に深く沈めていく、そんな部分を表現できるように演じました。

■俳優としての新たなチャレンジ

Q:この映画に出演して、最も新しい経験は何でしたか?

木村:素晴らしい出演者の人たちと一緒に、撮影現場の中の一人でいられること。そして三池監督の撮影現場で、本気でぶつかっていけたので、全く加減することなく、常に自分の最大限を出すことができる。そういう事実としての幸せを噛み締めていられていたことは、新しい経験でした。

福士:悪役という面では新しいチャレンジではありましたが、役柄へのアプローチは普段と変わりませんでした。というのも天津という男は、今まで演じてきた役柄と一見違って見えても、頭のおかしい殺人鬼ではないんです。天津という男が、自分自身の中に確固たる信念を持っていて、行動にも理由があったからこそ、自分が何を求められているかを考えながら演じることができました。

市原:今までは少し道を外れた役であっても、「何かのために」「誰かのために」というものがあって、それが現代でいう正義だと思います。でも尸良(しら)にはそれがなく、ただただ自分自身の快楽のためだけに生きている。つまり、己自身のためだけに生きている反面、彼には守るべきものすらいない切なさ、哀愁があるんです。そんな気持ちで役に挑んだのは、初めての経験でした。

■俳優・木村拓哉のカッコ好すぎる印象

Q:木村さんと共演する前の印象と、実際に一緒に仕事をされた印象を聞かせてください。

福士:自分自身、実際にお会いして感じた印象、それだけしか信じていないんです。でも初めてお会いしたときは、ど緊張してしまいました。もう「何話そう」って緊張してしまって、逆に木村さんに気を遣わせてしまいました。もちろん芝居が始まれば、面白いくらいそういう気持ちは飛んでいくんですが、やはり撮影現場でも木村さんから与えられてばかりだったので、自分の至らなさをただただ感じて反省していました。

市原:こんなに撮影現場で周りを見る方はいないと思います。それが全てです。撮影が終わってから食事に連れて行っていただく中でも、教えていただくことが本当に多くて。こういう風に振る舞いたいな、こういう人間になりたいなって単純に憧れました。昔、中井貴一さんとご一緒したときに中井さんの素晴らしさに感動したことがあったんですが、木村さんは中井さん以来「こういう先輩っているんだ!」と思えた方です。貴重な出会いができて、とてもうれしかったです。

木村:隼人が言った中井さんは僕も同じようにかっこいいと思っているとても憧れる先輩です。そういう自分から見て魅力を感じる役者というのは、演じている瞬間だけではなく、役から離れた後の姿もまた素敵な方だと思います。その方が出演されているだけで、その作品を観たくなると思わせてくれる先輩はたくさんいらっしゃいます。真似はできませんが、僕もまだまだ頑張っていきたいです。

■懐に忍ばせておきたい武器

Q:万次はいつも懐に個性的な武器を忍ばせています。皆さんは、どんなものを普段から懐に忍ばせておきたいですか?

福士:ベッドです(笑)。

木村:ドラえもんかよ(笑)!

福士:ちょっと眠たくなったら、ポーンってベッド出せて寝ることができたら気持ちいいだろうなって。撮影の合間とかに(笑)。

市原:僕はカメラです。映像とは違い感情を一コマごとに焼き付けることができるので、カメラはいつも持っておきたいです。

木村:持つ物によってポジティブにもネガティブにもなれますよね。今回作品の中では相手を殺めるための武器を持っていますが、自分だったら自分自身がブレないための一太刀を持っていたいと思います。もちろんその一太刀は抜くことはないけれど、そういう刀は常に持っていたいと思います。

極寒の京都で薄い衣装のまま撮影現場にい続け、万次と同じように雪駄を履いたままスタントなしで全ての殺陣を演じたという木村。身も心もボロボロにしてまで挑んだのは、本作への並々ならぬ覚悟があったから。その熱い想いは、市原隼人、そして福士蒼汰という共演者にも受け継がれているようで、全員が作品について口を開くと言葉があふれて止まらなくなる。十分なはずのインタビュー時間も、三人の熱い語らいにより一瞬で過ぎ去ってしまった。その情熱は、スクリーンに映る万次の目に宿った鋭い眼光から間違いなく伝わってくるはずだ。

(C) 沙村広明/講談社 (C) 2017映画「無限の住人」製作委員会

映画『無限の住人』は4月29日より全国公開

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