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『サクラダリセット 後篇』及川光博&平祐奈 単独インタビュー

悩む暇があったら行動あるのみ!

サクラダ

 河野裕の青春ミステリー小説の実写映画がついに完結する。特殊能力者たちが公的な管理局に監視されている街・咲良田(サクラダ)。“記憶保持”の力を持つ高校生・浅井ケイ(野村周平)と、“リセット”で世界を巻き戻せる春埼美空(黒島結菜)は、2年前に死んだ同級生を再生させるべく奔走するが……? 物語のキーパーソンである管理局対策室室長・浦地正宗を演じた及川光博と、死んだはずのミステリアスな少女・相麻菫を演じた平祐奈。個人的に親しいという2人が軽快なトークを繰り広げた。(取材・文:斉藤由紀子 写真:尾藤能暢)

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深川栄洋監督は物腰の柔らかいドS

サクラダ

Q:及川さんが演じた浦地は、咲良田の街を変えようと画策し、いくつもの表情を見せるトリッキーなキャラクター。ご自身のアドリブや演出なども入っていたのでしょうか?

及川光博(以下、及川):そういうことにしておきましょうか(笑)。ピエロのようでいて、犯罪者のようでもあり、それでいて子供のようでもある。人格に整合性がなくなってもいいという演出だったんです。浦地にはある事情があって、常に“今”しかない人なので、シーンごとに別人の様でいいんですね。そんな風に一人の人物を演じるのは初めてだったので、興味深かったです。

Q:平さんの相麻菫は、何を考えているのか分からない謎めいた少女。難しかったのでは?

平祐奈(以下、平):それが、本当に楽しかったんです。監督に出会えたから、お芝居がこんなに自由で楽しいものだと思えました。「一回一回の芝居を捨てていってください」と言われたんです。「同じ芝居はいらないから」って。だから、常に新しいことをするようにしていました。

及川:それを楽しめるのって、大女優の器ですよ。未来の大女優。だって、何回も同じシーンを撮るのって、芝居の鮮度が下がることがあるし、演者にとっては追い詰められているような気持ちになる状況ですよ。僕も苦笑いしながら監督のことを「物腰の柔らかいドS」って呼んでいましたから(笑)。言っていることはハードだけど、口調が優しい。

:ポエム調ですよね。まるで監督が能力を持っているかのように、私にくれる言葉がすべて魔法の言葉でした。

Q:後篇の注目ポイントを教えてください。

及川:頭脳戦を楽しむ作品となっているので、登場人物それぞれの能力を理解した上で観ていただきたいと思います。浦地に関していうと、クレイジーとインテリジェンスとのコントラストを楽しんでいただければと思います。カタカナばかりですみません(笑)。

:前篇から続くいろんな伏線の回収を楽しんでもらいたいです。相麻菫が何を企んでいるのか、どんな風に計画が進んでいくのか、浦地さんとどう絡んでいくのか、そこをぜひ観ていただきたいです。

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過去の恥話を大暴露!

サクラダ

Q:ケイ役の野村周平さんをはじめ、能力者の高校生を演じた皆さんは平さんと同世代。撮影現場はいかがでしたか?

:みんなでワイワイ楽しく過ごしていました。それぞれ個性豊かで、面白い方が多くて。一緒にお弁当を食べながらおしゃべりをしていました。

及川:皆さんがお弁当を食べているところが、キラキラと眩しいんですよ。神々しかったですね。まさに若さの輝き(笑)。だって、スクリーンにドアップで映っているときも、たとえ演技経験が少なくたって、画が持ってしまうんですからね。美しく生まれてきて良かったねえ。

Q:ちなみに、春埼のようなリセット能力があったら、どんな風に使いたいですか?

及川:ひどい二日酔いのときに巻き戻したいです。で、また飲むんですけど、記憶はとどめてあるから飲み過ぎに注意するとか(笑)。

:恥ずかしいことがたまにあるので、それを巻き戻したい。私、大学に入学したんですけど、初日から恥をかいてしまったんです。学部のみんなで顔合わせがあったんですけど、先生から「立って一分間だけ計って座ってください」って言われて自信たっぷりに目を開けたら、立っていたのが私だけで恥ずかしくて(笑)。

及川:そういえば僕も昔それやった! 大学のとき新入生のフレッシュマンキャンプっていうのがあって、先生のお話を全員がおとなしく聞いている大広間に、一人だけ遅刻してドカーンと扉を開けちゃって。「ミッチー登場!」みたいな(笑)。

:その頃からスターだったんですね(笑)。  

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今は過去の自分が望んだ未来

サクラダ

Q:本作の登場人物たちは、それぞれが望む未来のために行動します。お二人は今、過去の自分が望んでいた通りになっていると思いますか?

及川:その通りですね。若い頃は俳優養成所に通いながらバンド活動もやっていて、どちらでもいいからデビューして、最終的にはどちらもやろうと思っていたので、今はまさにその通りなんです。25歳までにデビューできなかったら、潔く諦めて就職するか家業を継ぐって、両親と約束していたんですよ。とにかく急いでいたので、なかなか芽が出なくても悩む暇すらなかった。大学を卒業してから大慌てでライブと舞台演劇をやっていましたね。だから、「悩む暇があったらステージに立て!」と未来の後輩たちに言いたいです。

:わあ、すごい! 私もミッチーさまのようになりたいです。

及川:ミッチーさまって(笑)。祐奈のお姉ちゃんの(平)愛梨が、僕をミッチーさまって呼ぶんですよ。

:そうなんです。ミッチーさまには姉妹でお世話になっています!

及川:でもさ、祐奈は良かったよね。お姉ちゃんがこの世界の活路を切り開いてくれたから。

:姉のお陰でいろんなことを知ることができたし、俳優さんや芸人さんも「お姉ちゃんと一緒に仕事していたよ」って言ってくださる方が多くて。そういった機会をいただけて本当にうれしいです。

及川:祐奈はみんなから愛されていると思うよ。

Q:及川さんも皆さんから愛されてきたのでは?

及川:僕は愛されたというよりも……みんなを愛してるのさっ!

:ミッチーさま、ステキ!

及川:こんな感じで20年やってきています(笑)。

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【取材後記】

まるで王子と姫! と言いたくなるほど見目麗しい及川と平。「もう中年なんで」と謙遜する及川だが、完ぺきなプロポーションやキラキラスマイル、サービス満点のトークは昔と何ら変わらない。そんな及川を「ミッチーさま」と呼ぶ天真爛漫(らんまん)な平。親戚関係のような親密さが漂っていた2人が、本作ではそれぞれの信念を貫こうとする対策室室長と女子高生を熱演。映画を観た後は、周囲にネタバレだけはしないようにご注意を!

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