自主配給ってどうやるの?ミニシアターのリアルな現状に突撃!

若手女性監督に密着!

シネマトゥデイ×ぴあフィルムフェスティバル連動企画連載(第4回)

 PFFアワード2018でエンタテインメント賞(ホリプロ賞)を受賞した、野村奈央監督の映画『からっぽ』が、ポレポレ東中野で12月22日から28日までレイトショー上映されます。実は本作は野村監督とポレポレ東中野のスタッフ小原治さんが、公開に向けて二人三脚で準備した自主配給作品! お二人が自主映画を劇場公開するまでのプロセスを明かしました。(取材・文:森田真帆)

劇場公開を決めるまで

左より、ポレポレ東中野のスタッフ小原治さん、野村奈央監督

 ポレポレ東中野は、これまで多くの自主配給映画をサポートしてきた劇場です。小原さんは、「自主映画には素晴らしい作品がたくさんあります。でも、その中でも映画館での上映がふさわしい作品は限られている。全ての自主映画が劇場公開を目指す必要は全くなくて。それぞれの映画に相応しい表現場所があるはずだから。そんな中で、野村さんの『からっぽ』の魅力が最も弾けるのは映画館の暗闇だと思いました」と話します。

 『からっぽ』は今回が劇場公開デビューとなる新鋭・野村奈央監督の武蔵野美術大学の卒業制作として作られた作品。365日朝昼晩といくつものアルバイトをローテーションする、23歳のスーパーフリーター・渡良瀬まちの日々を描き、PFFアワード2018でエンタテインメント賞(ホリプロ賞)を受賞。その後も続々と映画祭でノミネートされています。

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『からっぽ』場面写真より @NAO NOMURA

 PFFアワードでセレクション・メンバーを務めている小原さんは『からっぽ』について、「観る人を楽しませるポップでカラフルな世界が画面に感じられる。同じ画面に役者の魅力も焼き付いている。何より、物語をラストへと導いていく映画運びが素晴らしい」とその魅力を語ります。さらに、「解釈を観客に委ねるのではなく、観客のいろいろな解釈を映画館の暗闇の中に積極的に作り出していく映画」と劇場公開を決意した理由を明かし、『からっぽ』を大絶賛する小原さんに、野村監督は照れながらもとてもうれしそうでした。

宣伝の始まり

 公開が決まった後、小原さんが最初に監督にお願いしたことは、「ヒントは作品の中にしかないので、自分が作った作品の魅力とまずは向き合ってもらう」こと。野村監督は、その言葉にうなずきながら「作った後に自分の作品とここまで向き合った経験はありませんでした。上映に向けての思いはあるんですが、誰に向けてこの文章は書いたの? 誰に観てほしいと思っているの? と小原さんに言われて、その時にすべての人間と答えました。その思いは今も変わらないのですが、改めて真剣に作品と向き合い、そこから全てが始まりました」と向き合うことの大切さに気付かされたそうです。

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自主配給の醍醐味

からっぽチラシ画像
こちらが、完成したチラシです!

 作品と向き合った結果、野村監督の頭に特に浮かんだのは「ヒロイン・まちのような女の子に観てもらいたい」ということ。いろんな場所にいる、もう一人のまちがこの映画を観て、少しでも軽くなったらいいなと野村監督は願う。

  チラシ作りでは、小原さんと監督で意見が分かれたこともあったそう。悩みながらも進んで行く野村監督を見守りながら、小原さんは「誰かのために撮ったわけじゃなかった彼女の作品が、映画館で上映することによって観客のものに生まれ変わる。それってどういうことなのって考えることが大切」と語り、今後彼女が“映画”という生きものをとらえていく上でも貴重な経験になることを確信していました。

 劇場デビューは映画監督が一生のうち一度しか経験できない。その大切さは、今回のインタビューでもひしひしと伝わってきました! 小原さんはとにかく映画への愛情がとーっても深いので、監督からの信頼が厚いのも納得。こんな風に手塩に掛けて自分の映画を宣伝するということを勉強した野村監督は、きっと素敵な映画監督に成長することと思います! 若手監督の育成の場がまだまだ足りないことに改めて気付かされ、その重要性を考える取材となりました。映画を観るとわかりますが、クリスマスの時期に観る意味のある作品です。ぜひぜひ劇場に足をお運びいただき、監督にエールを送ってくださいね!

ぴあフィルムフェスティバル

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