キスマイ北山宏光、失って気づく大切なものを実感

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トラさん~僕が猫になったワケ~

妻が稼いだお金をギャンブルに使い、娘に呆れられながらも呑気に暮らしていた売れないマンガ家の寿々男。父や夫の役割を果たせぬまま、ある日、あっけなく交通事故で命を落としてしまう。トラ猫の姿で家族の前に現れた彼は心を入れ替えて、ある決断を下す……。『トラさん~僕が猫になったワケ~』で映画初主演を果たしたKis-My-Ft2北山宏光が、猫の仕草を模索するなど研究熱心な素顔や、家族の絆を描く本作の魅力について語った。

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意外とよかった“猫スーツ”の着心地

トラさん~僕が猫になったワケ~

Q:猫を演じると聞いて、どう思いましたか?

最初は、さすがに「えっ! 猫ですか」と聞き直しました(笑)。それから“猫スーツ”を着て演じるということを聞いて、おもしろそうだと思ったのが率直な感想です。役づくりとしては、小さい頃に猫を飼っていたときの記憶を思い出したり、とにかく猫の動画を観たり。ただ、演じるにあたっては、あまりに猫っぽすぎてもうまくいかず、演技に限界があると思ったので、しだいに要所要所で猫を感じさせる動きがあるほうがいいなと考えるようになりました。

トラさん~僕が猫になったワケ~

Q:実際に演じてみて、難しかったところなどはありましたか。

猫は四足歩行なんですけど、僕が演じるトラさんは二足歩行なんです(笑)。だから、どうしても芝居や動きのなかにリアルじゃない部分が混ざってくる。そのとき、自分のなかで猫っぽさって何だろう? と考えて、毛づくろいなどの動作を節々に入れていくほうが、無理なく最後まで猫を演じきれると思ったんですよね。

トラさん~僕が猫になったワケ~

Q:“猫スーツ”の着心地はどうでしたか?

もちろん初めての体験でしたが、寒い時期で本当によかったと思います(笑)。腕の部分が開いているので、そこだけは寒かったのですが、アームウォーマーのようなものを作ってもらったりして寒さをしのぎました。あと、肉球を一つずつ手に着けてくので、スタンバイにはけっこう時間がかかるんです。

Q:ロケ先では多くの人に声をかけられたそうですね。

声をかけてくださる人たちにも猫スーツはウケがいいんです。着ているときのほうが脱いでいるときよりも、みんな優しいんですよね(笑)。猫の格好をしていると手もうまく使えないので、ペットボトルのキャップを開けるのにも一苦労だったのですが、手伝ってくれたりしました。

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生まれ変わるなら猫がいい?

トラさん~僕が猫になったワケ~

Q:猫としての生活を疑似体験してみて、どうでしたか。

やっぱり雨の日に濡れたりするので、猫って意外に大変だなと思いました(笑)。自分が猫になって飛び込んでいく場面は、まわりの景色との対比でサイズ感が不思議でしたが、アンバランスさみたいなものがありつつも映像としては成り立っている。その絶妙さがおもしろいと思いました。

Q:北山さん自身が生まれ変わるとしたら? どんな動物がいいですか。

実は最近、僕のなかで猫ブームなんです。寝る前にも子猫の動画を観ていて、昔からかわいいとは思っていたんですけど、また火が付いた感じです。構ってほしいときに構ってくれない。でも、自由な時間を過ごしたいってときには「撫でてくれ」ってひざの上に乗ってくる。そういうのもいいですね。生まれ変わるとしたら、野良は大変だと思うので飼い猫がいい。高いところからすとんと足音をさせずに落ちてみたり、しなやかな動きをしてみたいですね。

トラさん~僕が猫になったワケ~

Q:今回の映画で、ご自身のなかで挑戦だったことはありますか。

登場人物たちが人間の家族と猫なので、もちろん言葉が通じてないんです。会話のキャッチボールができていないんです。人間の場合とは異なるリアクションが発生するわけですよね。でも猫だから、存在が無視されているわけじゃないんだけれど、気にせず会話が続行されていたりして、そこが新鮮だなと思いました。演技のなかでは、アドリブではないのですが、クスっとなるところもやってみたつもりです。

Q:人間には言えないけれど、猫だから伝えられないもどかしさ。言葉や愛情について考えたことはありますか?

改めて、当たり前だと思っていることが当たり前ではないんだなと感じました。日常のなかでも、いろいろな人に感謝すべきものも当たり前になっていて気づかないものや、失って初めて気づく大切なものについて実感させられましたね。

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過去に戻ってやり直したいことは……

トラさん~僕が猫になったワケ~

Q:ストーリーでは、お父さんのことを大好きだったのに、本人には言えなかった実優ちゃん(平澤宏々路)の告白がグッときますね。

あの思いを伝えるシーンは耐えられないですよね。あの場面は、僕は猫として娘の告白を聞いているわけなんですけど、実は泣いてしまったんです(笑)。本当は堪えなきゃいけなかったんですが、何もしてあげられないという立場で、やるせない思いに入り込んでしまった。(寿々男の妻)奈津子(多部未華子)に対してもそうです。「あんなに好きでいてくれていたのになんてことしたんだ。もっとちゃんと向き合って、やるべきことがあっただろう」って。あのシーンは本当に辛かった。嬉しいけれど、やっぱり辛いですよ。僕は猫で、何もできないんですからね。

トラさん~僕が猫になったワケ~

Q:ダメ夫・寿々男のダメっぷりに対しては?

奥さんのへそくりでギャンブルするなんて、本当にダメだなと思いましたよ。でも、なぜか好きなんです。誰かに甘えられる人間関係も羨ましいし、頼れる絆があるから、ここまでダメになれるのかもしれない。初めに原作を読んだときも台本を読んだときも、ダメだと思いながらもかわいいと感じていました。そんな人、たまにいますよね(笑)。仲間からも呆れられているんだけど、助けてやりたいと愛されてもいる。根が素直だから、そう思われるんだと思います。

Q:北山さんにはダメなところはありますか。

いっぱいあるなあ……。食欲に勝てないところとか。コンビニの前を通ったときに「から揚げ、食べたいな。でも食べたら、1日の摂取カロリーを超えちゃうし……でも、あとでサウナに行けばチャラだ」と思って食べちゃうとか(笑)。

トラさん~僕が猫になったワケ~

Q:そんな北山さん自身、過去にやり直したいことはありますか。

たしかに愚かだったな、というのはいっぱいありますけど、後悔はないですね。でも、やっぱり中学生のときは勉強してればよかった。みんなが思うことだと思うんですが、「あのとき、あんなに勉強する時間があったのに、なんでさぼっていたんだろう。ちゃんと大人たちの言うことを聞いていればよかった」と大人になって思います。勉強はもちろんですが、文化祭や体育祭といったイベントでもちょっと斜に構えていましたね。今となっては学生生活を前向きに楽しんでもよかったなって思います。

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取材後記

トラさん~僕が猫になったワケ~

妻子持ちの売れない漫画家を演じ、猫役もこなすという難役に挑んだ北山宏光。ところが撮影を振り返る彼は、実に楽しそう。まさに天性のエンターテイナーの顔を見ることができた。寒い時期のロケにもかかわらず、妻役の多部未華子、娘役の平澤宏々路とも積極的にコミュニケーションを図り、家族の空気を作り上げるなど、初主演とは思えぬ力強さで周囲を引っ張っていった模様。猫の演技はもちろんのこと、夫や父としての佇まいにも注目だ。(取材・文:高山亜紀)

映画『トラさん~僕が猫になったワケ~』公式サイト

映画『トラさん~僕が猫になったワケ~』は2月15日公開

(C) 板羽皆/集英社・2019「トラさん」製作委員会

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