弱者に優しいティリオン・ラニスター~優れた叡智と独特のユーモア感覚が魅力の知将

ゲーム・オブ・スローンズの魅力

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア

 4月15日の最終シーズン放送開始もいよいよ目前! ニューヨークで開催されたプレミアには、ドラマ内ではすでに死去した人気キャラ役の俳優たちも集合して、ますます最終シーズンへの期待が高まる今日この頃。人気キャラの魅力に迫るこの企画も、ついに真打ち、ティリオン(ピーター・ディンクレイジ)の登場だ!(平沢薫)

※ご注意 なおこのコンテンツは「ゲーム・オブ・スローンズ」について、ネタバレが含まれる内容となります。ご注意ください。

ゲーム・オブ・スローンズの魅力 連載:第9回

ラニスター家には珍しく人と信頼関係を築くことが出来る

ティリオン
シニカルな言動が多いが優しさもあるティリオン - (C) 2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.

 先天性の低身長症のため、周囲には“小鬼“や“ドワーフ”と呼ばれるが、高い知性を持ち、独特のドライなユーモア感覚を発揮する、このシリーズでもっとも魅力的な人物の一人が、ティリオン・ラニスター。自分が断首されそうになった時でも「この首は俺も好きじゃないが、まだ胴体にくっつけておきたい」なんて軽口を叩くのがティリオン流だ。

 さらに、酒と娼婦が大好きで、おしゃべり好き。初対面の相手でも、話術とユーモアで魅了する。だから“冥夜の守人“の壁でも、田舎の酒場でも、どこに行っても酒を飲みながらムダ話をする相手を見つけることができる。さらに、それが情報収集につながって、ティリオンの知的財産になってもいる。

 そして、ラニスター家には珍しく、自分以外の人間を大切にすることができる。サンサ(ソフィー・ターナー)と政略結婚させられた時は、サンサの気持ちを思いやり、自分は触れないから安心するようにと言い、その言葉を守る。姉サーセイ(レナ・ヘディ)に自分の命が狙われていることを知ると、自分が逃げる前に従者ポドリック(ダニエル・ポートマン)を逃す。そういう誠意の持ち主だから、兄ジェイミー(ニコライ・コスター=ワルドー)とは昔から仲が良く、互いに信頼し合っている。そして、ジョン・スノウ(キット・ハリントン)やデナーリス(エミリア・クラーク)とも信頼関係を築くことが出来るのだ。

[PR]

ただし、弱点は恋愛!?悲恋が彼の運命を変える

ティリオンとシェイ
娼婦シェイ(右)に惚れたティリオン - (C) 2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.

 そんなティリオンの弱点は、恋愛。娼婦たちにはモテモテの彼だが、恋愛にはまったくツイてない。最初に恋したのは彼が悪漢から救った女性で、結婚もしたが、彼女との出会いからすべてが兄ジェイミーが手配したものだったことが分かって、心に大きな傷を負う。また、相手の女性は実は娼婦だったので、父タイウィン(チャールズ・ダンス)に結婚を無効にされてしまう。

 そして、娼婦シェイ(シベル・ケキリ)との関係はさらに悲劇的。ティリオンは知的で性格も大胆な娼婦シェイを愛するようになる。本気の相手なので、父に「城に娼婦を連れ込んだら、その女を殺す」と言われても、彼女と別れない。そして、シェイもティリオンを愛し、「誰も知らない南の島に逃げてずっと一緒に暮らしたい」と言うようにまでなる。

 しかし、ここで悲劇なのは、ティリオンが明晰さゆえに、シェイの申し出に応じられないこと。申し出を聞いた彼はこう返答する。「そこに行ったら、俺にはやることがない。俺は悪い奴らを扱うのが得意だ。彼らを出し抜いて生きるのが俺なんだ。それが何より好きなんだ」。そして、彼女の誘いを断ってしまうのだ。さすが明晰なティリオン、この自己分析は正しい。愛するシェイが相手だからこそ、公言することが出来た本心だ。しかし、これが悲劇を生む。

 シェイは、ティリオンが申し出に応じなかったことから、彼には2人の愛よりも大事にしているものがあることを知って傷つく。なので、ティリオンが、父から彼女の命を守るために「お前には飽きた」と嘘をつき「この金でどこかに行って暮らせ」と別れを告げるとさらに傷つく。そして、なんと彼女はティリオンの父の愛人になる。確かにそうなれば殺される心配はない。シェイらしい知的な戦略だ。それだけでなく、彼女はティリオンを本気で愛していたので彼の言葉に深く傷つき、その仕返しに彼の心を傷つけたいと思ったゆえの行動でもあるだろう。

 だが、生まれたときから父に精神的に虐げられてきたティリオンは、父の寝室にシェイがいるのを見た瞬間、思わず彼女の首を絞めずにいられない。そして泣きながら彼女を殺してしまう。その直後に父も殺す。そして、ラニスター家に別れを告げるのだ。

[PR]

今はデナーリスの“王の手”!最後の戦いでも叡智を発揮するはず

ティリオンとデナーリス
ドラゴンの女王デナーリス(右)の補佐官として活路を見出したティリオン - (C) 2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.

 この出来事を発端に、いろいろあって、ティリオンはドラゴンの女王デナーリスの補佐官“王の手”になる。これほど彼に相応しい場所もないだろう。デナーリスが作ろうとする新しい世界を実現するため、彼の知性は有効活用されていくに違いない。

 しかしその前にまず、“死者”と“生者”の決戦が待っている。そして、もう一つ、ティリオンには、宿命の戦いが待っているのではないだろうか。それは、彼を生まれたときから憎み、今は父の仇として復讐したがっている実姉サーセイとの戦いだ。この骨肉の戦いの行方も気になる。

気になるサブキャラその1:“全人民のため”だけに行動する策略家ヴァリス

ティリオンとヴァリス
情勢によりうまく立ち回るヴァリス(右) - (C) 2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.

 “策略”を得意としつつ、“義”を尊ぶ。この二面性が魅力なのがヴァリス(コンリース・ヒル)。実は本作中でただ一人、「七王国全体の人民のため」だけを考えて行動する珍しいキャラ。その信条は不変だが、情勢が変わるのに対応して、行動は大きく変わる。シーズン1ではデナーリスの暗殺を計画したのに、シーズン7では彼女が鉄の玉座に座るのを手助けするのだから。

 この“全人民のため”という信条は、奴隷に生まれ、貴族の宗教儀式のために去勢されたという経験から生まれたものだろう。そして奴隷から王都の高官にまでのし上がったのは、彼の賢さと、子供たちを使った情報収集能力の成果だ。

 彼の好敵手として対比的に描かれるのがベイリッシュ(エイダン・ギレン)。どちらも情報の重要性を認識し、その収集のためヴァリスは“子供”、ベイリッシュは“娼婦”という“人間として意識されない存在”を使い、どちらも裏で陰謀をめぐらす。しかし信条は真逆で、ベイリッシュは自分の利益しか考えない。この2人が平穏な会話を交わしながら、内心で火花を散らし会うシーンは見ものだ。

 ヴァリスは今後も方針を変えないだろうが、そのためなら何でもやるキャラ。その意味でこれからも目が離せない。

[PR]

気になるサブキャラその2:生き延びてほしいシリーズきっての癒し系キャラ、ポドリック・ペイン

ペイン
本作では珍しい癒し系キャラのペイン(中央) - (C) 2019 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO(R) and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc.

 登場人物がみな次々に悲惨な体験をする中で、唯一、ほどんど不幸な目にあっていない稀有な存在が、ポドリック・ペイン。それは彼の実直な性格のせいでもあるが、仕えた主人がいい人たちだったという幸運にも恵まれている。

 最初に仕えたのがティリオン。彼に信用され、ポドリックも主人を敬愛し、戦闘中に敵から救う。だからティリオンは自分がサーセイに処刑されそうになると彼に逃げるように言い、ジェイミーが「弟はコイツに借りがある」と彼をブライエニー(グウェンドリン・クリスティー)の従者にする。ブライエニーも彼の実直さにほだされ、彼に従者の仕事や剣術を教えたので、今ではブライエニーの戦闘を手助けするまでに成長している。

 そんな彼の特技は、娼婦たちにモテモテなこと。ティリオンに彼を救った褒美として娼婦3人をプレゼントされるが、ニコニコ顔で代金を持ったまま戻り「お金はいらないと言われました」と言って、ティリオンとブロン(ジェローム・フリン)に「詳しく話せ」と迫られる。

 その癒し系キャラぶりは、シリーズ中で、妹アリア・スターク(メイジー・ウィリアムズ)の元友達で宿屋でパイを焼くホット・パイ(ベン・ホーキー)と双璧をなす。彼らには最後の戦いを生き延びてほしいと願うファンは少なくないはずだが、さて。

「ゲーム・オブ・スローンズ 最終章」はBS10スターチャンネルにて4月15日より<世界同時放送>

「ゲーム・オブ・スローンズ」は、スターチャンネルオンデマンドHuluAmazonプライム・ビデオなどで視聴可能

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア

楽天市場

[PR]