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映画たて・よこ・ななめ見!

ウーマン村本、セクハラ問題に怒りMAX!

映画たて・よこ・ななめ見!

 ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回はカズ・ヒロがアカデミー賞のメイク・ヘアスタイリング賞を受賞した『スキャンダル』で描かれるセクシュアルハラスメント(以下、セクハラ)問題に、ウーマンラッシュアワーの2人が物申す!(取材・文:森田真帆)

『スキャンダル』2月21日公開

スキャンダル
(C) Lions Gate Entertainment Inc.

 2016年にアメリカのテレビ局FOXニュースで行われたセクシュアルハラスメントの裏側を描いたドラマ。テレビ局で活躍する女性たちをシャーリーズ・セロンニコール・キッドマンマーゴット・ロビー、数々のセクハラ疑惑で訴えられるCEOを『人生は小説よりも奇なり』などのジョン・リスゴーが演じる。

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日本でもセクハラはたくさんあるはず!

セクハラはダメやでっ!

中川パラダイス(以下、中川):セクハラせんとこって思ったわ。あのじいさん、やばかったな! 最後まで悪いことはしてないって言ってたのもやばかった。権力者でエロじじいとなると、パワーハラスメント(以下、パワハラ)とセクハラのダブル攻撃みたいなもんや。ただのエロいおっさんやったらセクハラだけど、権力を使ってセクハラやるって最悪やったわ。

村本大輔(以下、村本):多分この映画、女性が観たらわかるわかるってなると思うわ。特に大きい会社の中で、男の人にセクハラされて言えない人はめっちゃ多いと思う。アメリカとかヨーロッパは女性が強いから、電車内での痴漢が少ないって言うけどさ、それでも男社会で仕事を失うっていうのはあるんやな。この映画で気づかなあかんのは自分の無知さ、教養のなさ、世界的な感覚のなさやと思うねん。あるアメリカの芸人がネタで「おかしいと思わないか? 女性キャスターは白髪やシワが出てきたら老けたと言って落とされる、一方男性キャスターは白髪が出てきたら説得力があると言われる。その時点で不平等だしおかしいやないか」って言ってたんや。芸人がそれをテレビで言うの。こういう感覚を理解できない男は、だいぶ原始時代にいると思った方がいいと思うわ。だから、まともな感覚持った女性が観たら、劇場で舌打ち繰り返しまくるんじゃない?

スキャンダル
ジョン・リスゴー演じるCEOのロジャー・エイルズ。(C) Lions Gate Entertainment Inc.

中川:確かにスカート上げるシーンとか気持ち悪かったわ。会社の上司と部下っていう関係性とかって難しいやろ。心の中ではクソ野郎って思っていても、仕事のためにしかたなく従うとかね。

村本:日本でもめちゃめちゃ多いと思うわ。オレの知り合いが有名な企業で働いてたんやけどさ、飲み会で足触られてパンツの中まで手が入ってきたらしくて、部長を訴えたんやけど、会社訴えるのはやめろって圧力をかけられたらしいわ。結局、部長を転勤させるだけで終わるっていう結末だったらしいんや。でもさ、これ電車みたいな公共交通機関でやったら性的暴行やん。なんで会社やったらセクハラになるの? 部長も普段は信頼あるし仕事もできるから、結局魔が刺したんちゃうか? みたいなことが日本で一番多いよな。就活でもOB訪問で食事とか行った時に手出されることがあるらしいで。

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目に見えないセカンドレイパーたちの存在

スキャンダル
ニコール・キッドマン演じる首にされた元人気キャスターのグレッチェン・カールソン。 (C) Lions Gate Entertainment Inc.

村本:この映画って、訴えた女性に対して金目当てだよっていうヤツとか、セカンドレイパーが山ほどいたやん。みんな本人に話を聞いて事実を確認するよりも、自分と同じ意見の者たちが集まってセカンドレイプをし続ける。劇中のFOXニュースで働く同じ女性の中にもそういうヤツがいる。それは時代錯誤も甚だしい。ロジャーは約20億円という大金を払っていたけど、中には訴えた人の悪口を広めていくやつもいて、飯に集る銀バエみたいでめっちゃ気持ち悪かった。

中川:映画の中で男なんだから、セクハラなんてしょうがないよって言ったセリフあったやん。そういう意見のやつ結構多いと思うねん。

村本:パラダイスも絶対知らんうちにセクハラしてる側やからな! 弱者に対する気持ちはないんか? さっき話したOB訪問に関してもさ、就職チラつかせて脅迫だとは思ってないんだろうね。無自覚っていうか。無自覚のセカンドレイパー無自覚のセクハラもたくさんある。映画の中でもさ、若い子にキレイだねとか言ってたけど、それを聞いた年上の女性たちが不快感を覚えてたことに、言った本人は気付いてないと思うねん。実はすごいセクハラなんだけど、全く気づかずに使っちゃってるんだろうね。

コミュニケーションのセンスが大事!

中川:怖いわぁ。セクハラ! もう何も言えへんし、できへん感じする。

村本:コミュニケーションのセンスがなさすぎるんよ。結婚まだしないの? とか大して仲良くない人にも言うやつおるやろ。キレイ、かわいいとかも言われて喜ぶ相手なのか、喜ばない相手なのかもわからんような。そこの感覚が欠けてるヤツが多い。ダメ、イヤっていうのも信頼関係で意味合いが変わるねん。訴えられるヤツには訴えられるだけの理由がある

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声を上げることは難しい

スキャンダル
シャーリーズはメイクで別人の顔に! (C) Lions Gate Entertainment Inc.

村本:女性が声を上げることによって損をするっていう現実は、日本にもあると思うねん。それって、吉本の芸人たちの中で異論を唱えることの恐ろしさに通じるというか、吉本騒動の時もあんまりそのことに発言するなっていう風潮あったしな。売れている者は権力の蜜を吸ってるけど、下の者は口封じをされてしまうやん。あの時若手が一生懸命自分たちの意見を言っていたけど、売れている芸人たちはそいつらを守ろうともせんかった。おかしいことをおかしいということすら封じられてしまう。映画の中で社長の取り巻き連中が、社長が訴えられたのを擁護するTシャツをを配ろうとしてたのもそう。あれはうまい蜜が出る花の周りに集まっているのと同じ

中川:まあみんながNOって言ってる中でYESって言うことはなかなか大変と思うよ。弱い立場の人間が、1人の為に立ち上がれるかどうかってなかなか難しいやろ。

村本:今、女性たちは男社会の構造を変えようとして活動してるけど、その人たちはフェミニストって言うレッテルを貼られてしまっているやん。本来はジャンヌ・ダルクみたいに誇らしいもんやと思うねんけど、めんどくさいって思われたりしてるもんな。この映画は男が観て学ぶべきやと思う。日本の男は何もしていないこと自体が、ある意味セクハラに加担してることになると思うねん。

スキャンダル
若い子たち。 (C) Lions Gate Entertainment Inc.

中川:女性たちに訴えられた時の男の反応もリアルやったな。反旗を翻された! みたいなさ。女が生意気なこと言いやがってってなるやろ。この映画を観て自分はこんなことやってないと思っていても、無意識でやってる人もいると思う。あと、自分の発言に重みがあると勘違いして、実は自分の後ろにある権力がそれを大きくしていることに気づいていないってこともあるよな。

村本:パワハラ的な同調圧力ってことやろ。滅多に行かんけど、先輩らと飲みに行ったら、先輩が話す全ての会話を肯定することから始まる。ちょっと違うと思ってもヘヘヘッて誤魔化す。弱者が困っているときに、自分の保身のために立ち上がらないってのはゾッとするわ!

※記事内容には個人の意見が含まれています。

映画『スキャンダル』は全国公開中
映画『スキャンダル』公式サイト
(C) Lions Gate Entertainment Inc.

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ウーマンラッシュアワー・プロフィール

2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。

村本大輔 1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。

村本大輔ツイッター

中川パラダイス 1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。

中川パラダイスツイッター

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