間違いなしの神配信映画『ダンプリン』Netflix

神配信映画

コメディー編 連載第1回(全7回)

 ここ最近ネット配信映画に名作が増えてきた。NetflixやAmazonなどのオリジナルを含め、劇場未公開映画でネット視聴できるハズレなしの鉄板映画を紹介する。今回はコメディー編として、全7作品、毎日1作品のレビューをお送りする。

単なる“自分さがし”の青春コメディーにあらず!南部女性の魅力あふれる音楽映画

ダンプリン
Netflix映画『ダンプリン』独占配信中

『ダンプリン』Netflix

上映時間:110分

監督:アン・フレッチャー

キャスト:ダニエル・マクドナルドジェニファー・アニストンオデイア・ラッシュ

 全米で2番目に面積が広く(日本の約1.8倍!)かつては牧畜、20世紀初頭に油田が発見されてからは工業系が発展し、近年は航空宇宙産業やハイテク企業の本社などが集まるテキサス。

 良くも悪くも「南部」そのものであるこの州は、独立独歩で超保守的な気質。伝統と格式を重んじて信心深く、家族の絆を大切にする人が多そう。何となく往年のテレビドラマ「ダラス」(1978~1991)に出てきそうな白人の大富豪一族が幅をきかせているイメージだが「Southern Belle(南部美人)」という言葉があるように昔から、洗練された美しさを持つゴージャスな女性が尊ばれるお土地柄なのだとか。

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ダンプリン
Netflix映画『ダンプリン』独占配信中

 そんなテキサス州の田舎町を舞台に、元ミスコンの女王で現在はその主催者としてコンテストの運営に命をかけている母親を持つ、見た目“ぽっちゃり体型”の女子高校生ウィローディーン(愛称:ウィル)の、ある挑戦を描いた本作。

 ざっくり言えば、イケてない容姿の女の子が、恋愛や友情の危機を経てコンプレックスを克服し、最後には「本当の自分を見つける」的な、笑って泣けて最後にはほっこりとした気持ちになれる王道・青春コメディーのひとつにカテゴライズされる作品ではあるが、個性的で魅力あるキャラクター陣と“こだわり”の設定が最高で大いに楽しめる、素敵な作品に仕上がっている。

ダンプリン
Netflix映画『ダンプリン』独占配信中

 登場人物でひときわ目をひくのは何と言ってもウィルの母親ロージーを演じるジェニファー・アニストン。米NBCの伝説の大人気シットコッム「フレンズ」(1994~2004)のレイチェル役で(他の出演たちと共に1話あたり100万ドルの出演料を稼ぐ)スター女優の仲間入りを果たし、プライベートでもブラッド・ピットジャスティン・セローとの結婚&離婚で常に刺激的な話題を提供しつつ、映画界に進出しても『モンスター上司』シリーズなどでコメディエンヌとしての才能を開花させた彼女も、今や50歳代に突入。

 かつて米ピープル誌の「最も美しい50人」のトップに選ばれ表紙を飾った、輝かしい美貌はまだ失われてはいないものの、劇中のロージーと同様に、どこか過去の栄光をさびしくにじませている感を出しているのが絶妙。しかも自分とは違うタイプである娘のことを「Dumplin’(プニプニちゃん)」と呼びつつも、決して母親として愛していないわけではないところがポイント。そのあたりのどこか不器用で憎めないキャラが、実にジェニファーらしくて見事なキャスティングなのだ。ちなみに本作を日本語吹替版で観ると、彼女の声を「フレンズ」でレイチェルとファンを二分したモニカ役の深見梨加が担当しているのが、ちょっと面白い!

ダンプリン
Netflix映画『ダンプリン』独占配信中

 そして“こだわり”の部分では、単なるヒロインの「自分さがし」がテーマだけでなく、母と娘の関係や、ウィルの良き理解者で同じように大柄な体形だったルーシー叔母さんを登場させることで、姉と妹との関係など、家族の在り方を巡る物語が描かれているのも、古い価値観を大事にする南部のお話にとてもふさわしい。

 加えてこの映画の“真の”主役として、カントリーミュージック界のディーバ(歌姫)ドリー・パートンが大々的にフィーチャーされているのも見どころのひとつ。ホイットニー・ヒューストンのヒット曲「I Will Always Love You」の作者でオリジナル歌手としても知られる彼女は、もちろん南部(テネシー州)の出身で「Southern Belle」を体現する象徴的な存在。

 日本の音楽ファンにはド派手な外見とハリウッドでの活躍ゆえに、真っ当な評価を与えられていない気がするのだが、本作を観れば、彼女がいかに女性の生き方を現実的に描くメッセージ性を持った偉大なソングライターであること。そして「ゲイ・アイコン」として、特にドラァグクイーンと呼ばれるオネエさま方から絶対的に崇拝されている、神聖な女神であることがわかるはず。

 全編にドリー・パートンのヒット曲が散りばめられ、第76回ゴールデングローブ賞の主題歌賞にもノミネートされた書き下ろしの主題歌「Girl in the Movies」も必聴な本作は、素晴らしい「音楽映画」でもあるのだ!(東端哲也)

Netflix映画『ダンプリン』独占配信中

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