カンヌが認めた癖の強い短編コメディー映画『微妙なプレゼント / Present Imperfect』

10分の極上無料短編映画体験

ブリリア ショートショートシアター オンライン × シネマトゥデイコラボ企画

 季節は6月。青々と茂った木々や、しとしとと降る雨。自宅やその周りで過ごしていると小さな自然の変化にも目が行くようになった。季節の移り変わりはお祭りやイベントでも知ることができるが、今年は新型コロナウィルスの流行を受けて中止や延期が相次いでいる。イベントごとがなくなってぽっかり空いた週末に、お家でしっとり映画を楽しむのも豊かな時間の使い方かもしれない。

 ショートフィルムが無料で楽しめるオンライン映画館「Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE(ブリリア ショートショートシアター オンライン)」では、今月も世界から選りすぐりのショートフィルム3本を紹介。1作品はカンヌ国際映画祭ノミネート作品、他2作品は東京で毎年開催されている「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」の受賞作品などをピックアップ。短いけれど長編映画に負けない重厚感ある作品を、お見逃しなく。

カンヌが認めた癖の強い短編コメディー映画『微妙なプレゼント / Present Imperfect』

微妙なプレゼント
『微妙なプレゼント / Present Imperfect』より

『微妙なプレゼント / Present Imperfect』
監督 イエア・セイド
製作年 2015年
製作国 アルゼンチン
上映時間 約16分
配信期間 6月3日より

 カンヌ国際映画祭をはじめ世界中の映画祭で上映されたシュールなコメディー。誕生日に友人宅でサプライズパーティーを開いてもらった主人公のマルティン。受け取ったプレゼントの中に、女性ものの洋服という微妙なプレゼントが入っていて……。勘違いから始まる数日間の恋を巡るお話。

 微妙なプレゼントを受け取った経験をお持ちの方も多いだろう。誕生日プレゼントは選ぶ方も悩むもの。特によく知らない相手だと何を送っていいのかわからない。そうすると無難な実用品を送るか、ちょっと冒険してしゃれに走ることもある。プレゼントの背景にはどんな物語があるのか、想像を膨らませると楽しいかもしれない。オンライン飲み会のトークテーマにお勧めの一本だ。

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喪失を乗り越える父子の物語『窓から見える世界 / THE WORLD IN YOUR WINDOW』

窓から見える世界
『窓から見える世界 / THE WORLD IN YOUR WINDOW』より

『窓から見える世界 / THE WORLD IN YOUR WINDOW』
監督 ゾーイ・マッキントッシュ
製作年 2017年
製作国 ニュージーランド
上映時間 約15分
配信期間 6月17日より
SSFF&ASIA 2017オフィシャルコンペティション・インターナショナル部門優秀賞

 8歳の少年・ジェスはトレーラーハウスに父親と二人で住んでいる。父親はアルコールにおぼれ、抑うつ状態でほぼ寝たきり。その原因は少年の母が死去したことにあるとわかってくる。けなげなジェスは母が亡くなって自身も辛いが、父親を励まし、前を向かせようと手を尽くす。そんなジェスの前に風変わりな隣人が現れて……。

 ニュージーランドの若手女性監督ゾーイ・マッキントッシュは、打ち捨てられた世界に生きる人々を主題にドキュメンタリーと劇映画の両方を製作してきた。本作は5年前にドキュメンタリー映画としてトレーラーハウスで生きる人々を記録したことが背景になっている。

 どん底の状態にある人々が、どのようにして社会とのつながりを回復し、生きる希望を取り戻していくのか。長い時間をかけて観察した現実のエッセンスを、劇映画として15分に結実させた。キャストは3名。うち子役を含む2名は演技初経験。余分なセリフは用いず、その人の人生に裏打ちされた「顔」や「身のこなし」を引き出すことに注力した監督の演出法にも注目をいただきたい。いい映画を観た。そんな充実感を持つ一本だ。

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難病の弟のために、仲間が一致団結!モンゴル発・少年たちのヒューマンドラマ『ワンダフル・フライト / The Wonderful Flight』

ワンダフル・フライト
『ワンダフル・フライト / The Wonderful Flight』より

『ワンダフル・フライト / The Wonderful Flight』
監督 バット・アムガラン・ルカグジャヤフイアン・アラダイス
製作年 2015年
製作国 モンゴル
上映時間 約15分
配信期間 6月24日より

 舞台は1996年のモンゴル。社会主義から市場主義経済への急激な転換がはかられていたこの時代は、地域医療の仕組みにほころびが生じていたという。そんな折、主人公の少年は耳が聞こえなくなる病を患う。地域の医者は、病院でも治療ができず、大好きな民族楽器の馬頭琴もやがて弾くことができなくなると母親に告げる。それを聞いていた少年の兄は、自分たちで少年の耳を治そうと、友人たちとありとあらゆる手を尽くす。そして、最後の手段としてWonderful Flightへと旅立つことになる。

 共同監督の一人、モンゴル出身で韓国で映画制作を学んだバット・アムガラン・ルカグジャヤフは、ショートフィルムや短編ドキュメンタリーを多く制作し、各地の映画祭で受賞経験を持つ実力派。もう一人の監督イアン・アラダイスはロンドンの有名広告エージェンシーでディレクター兼編集者として10年以上のキャリアを持つ人物。現在はウランバートルを拠点に映像や映画の製作を行っている。

 世界を舞台に経験を積んだ制作者が、獲得した映画手法を丁寧に使って、その地域ならではの映画を作る。わたしたちがまだ知らない世界を伝える良作が、これからも生み出されていくだろう。モンゴルの自然。そして少年たちの素朴なたたずまいが印象的な作品だ。

 緊急事態宣言が解除され、国内での移動制限は徐々に緩和に向かっているものの、海外旅行が可能になるのはまだまだ先の話。こんな今だからこそ、世界のショートフィルムで妄想世界旅行に出かけてみたい。(大竹悠介)

今回紹介した各作品は「Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE」で配信予定。

Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE公式サイト

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