シーズン9の空白の時間、ダリルにこんな出来事があった!?
今週のウォーキング・デッド
「ウォーキング・デッド」シーズン10、追加エピソード2話目の今回の登場人物は人気キャラ2人、ダリルとキャロル。これまで固い友情で結ばれてきたこの2人に、思わぬ出来事が!?（平沢薫）
※ご注意 なおこのコンテンツは「ウォーキング・デッド」シーズン10について、後半の「もう観ちゃった方向け」はネタバレが含まれる内容となります。ご注意ください。
今週のウォーキング・デッド～シーズン10第18話
＜これから観る方向け：ネタバレなし＞ダリルとキャロルをじっくり描くファン御用達エピソード！
今回は人気のコンビ、ダリル（ノーマン・リーダス）とキャロル（メリッサ・マクブライド）を描くエピソード。長い年月をかけて友情を育んできた2人にいったいどんなドラマが起きるのかが見逃せない。
また、シリーズ初登場のある女性が描かれるのもポイント。演じるのは米女優リン・コリンズ。イングランド、アイルランド、スコットランド、チェロキー族の祖先を持つ彼女は、SFアクション映画『ジョン・カーター』（2012）の火星の女王デジャー・ソリス役や、『ウルヴァリン：X-MEN ZERO』（2009）のシルバーフォックス役でおなじみ。近年ではマックG監督のSFアクション『リム・オブ・ザ・ワールド』（2019）や、ドラマ「BOSCH/ボッシュ」シーズン6（2020）のアリシア役で活躍している。
監督は、人気者2人を描くのにピッタリの本シリーズのベテラン、デヴィッド・ボイド。2010年からカメラマンとして参加、2011年から監督を手掛けるボイドが、ダリルとキャロルの魅力を描き出す。カメラマン出身監督ならではの、秋が深まる森の風景の美しさも見逃せない。
＜もう観ちゃった方向け：ネタバレあり＞サプライズ2連発！ダリルが恋愛!? ダリルとキャロルがケンカ!?
今回はダリルとキャロルにフォーカスした、2人のファンのためのエピソード。メインのストーリー展開には絡まない、こんなぜいたくなエピソードが楽しめるのも「追加エピソード」があるおかげ。噂されているこの2人が主人公のスピンオフ・シリーズもこんな感じになるのだろうかと空想が膨らむ。
その一方で、これまで本編では描かれなかった部分を補完するエピソードにもなっている。その空白部分とは、シーズン9第5話「精算」ラストのタイムリープ。リック（アンドリュー・リンカーン）がコミュニティーを去った後、リックの娘ジュディス（ケイリー・フレミング）が10歳になるまでの6年間は描かれなかった。今回、その間のダリルとキャロルがどんな暮らしをしていたのかが描かれる。すでに、ダリルがずっと川の近くで一人で暮らし、行方不明のリックを探していたことは本編でも明かされていたが、キャロルがときどき様子を見に来ていたとは、この2人らしい。
サプライズなのは、その間に、ダリルとシリーズ初登場の女性リアとの出会いと別れがあったこと。そしてこの出来事が、ダリルの人物像と彼の魅力をたっぷり描き出す。この女性に近づきたいのにぶっきらぼうになってしまう不器用さが、ダリルらしさ全開。中でも、リアに魚をプレゼントしようとするときに、彼女の家の扉をたたくこともなく、声を掛けもせず、無言で家に魚を投げ込んで去る、というシーンが絶品。すると彼女がやってきてその魚を彼に投げつける。彼女もまた不器用なのだ。そんな2人のなかなか進展しないもどかしい関係を「6か月後」「8か月後」というテロップとともにじっくり描くのも「追加エピソード」ならではの演出だ。
また、ダリルと愛犬ドッグがどのようにして出会ったのかが描かれるのもうれしいところ。犬の名前が「ドッグ」なのはダリルの性格にぴったりだと思っていたが、命名者がリアだったとは。2人が似たもの同士なことがよくわかる。
そして、今回はもうひとつ、サプライズが起きる。それは、ダリルとキャロルの言い争い。長い付き合いを経てお互いをわかり合い、固い絆を結んできた2人が、ふとしたことからお互いへの批判を口にする。キャロルが「誰かを失うたびに自分のせいにしないで」「何もかも背負わないで」と言えば、ダリルも「逃げ出したいから逃げ出したんだろ」「いつだって自分が正しいと思ってる」と言い返す。ダリルが「逃げたいなら逃げろよ」と言っても、キャロルがその場を去らないのでほっとするが、この2人はこれからどうなるのだろう。
おそらく、その続きは3話先の第21話「Diverged」で描かれそうだ。この回にもダリルとキャロルが登場することが発表されており、監督も今回と同じデヴィッド・ボイドなのだ。「Diverged＝分岐する」というタイトルも気になるのだが、さて。
