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『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』警察学校組って?注目ポイントはココ!

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警察学校組 - (C) 2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 劇場版『名探偵コナン』の第25作『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』が、4月15日に劇場公開を迎える。「佐藤美和子刑事と高木渉刑事がついに結婚!?」「世界で暗躍する爆弾魔が日本襲来!?」「安室透が首輪型爆弾を装着されて絶体絶命!?」などトピックてんこ盛りの本作だが、ファンを歓喜させている要素がもう一点。「警察学校組が集結」だ。

 「警察学校組」とは、黒の組織に潜入捜査中の公安警察・安室透(本名:降谷零)を含めた警察学校の同期生5人組の通称なのだが、“ガチ勢”からすると嬉しい反面、ライト層&前提知識がない方にはかなかハードルが高いという側面も……(恒例のチュートリアルパートで説明はされるものの)。

 そこで「警察学校とは何ぞや?」を中心とした、事前に知っておくとスムーズに楽しめるポイントを見どころと共に紹介! 劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』観賞時のガイドとして活用いただければ幸いだ。(以降の文章には、「名探偵コナン」原作漫画&TVアニメ、劇場版シリーズ、公式スピンオフ漫画「名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story」の内容が含まれます)

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『ハロウィンの花嫁』ってどんな物語?

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降谷がピンチに…! - (C) 2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 まずは『ハロウィンの花嫁』のあらすじを簡単に説明しよう。3年前に世間を震撼させた連続爆破事件の犯人が脱獄。その犯人とは、かつて佐藤刑事の想い人であり、降谷(※一般的に知られているのは安室だが、公安警察としての表記=本名は降谷のため、今回は便宜上「降谷」で統一する)の同期である松田陣平の命を奪った人物でもあった。親友の敵を討つべく、犯人を追い詰めた降谷だったが、突如出現した謎の人物に首輪爆弾をつけられてしまう……。降谷から助けを求められた江戸川コナンは、身動きが取れない彼の代わりに事件の真相を追うのだった。

 その中で浮上するのが、プラーミャと名乗る国際的爆弾犯。そして、プラーミャと警察学校組がかつて渋谷で遭遇したという事実が判明し、3年前の過去と現在を行き来する形で物語は進んでいく……とこういった形なのだが、原作&TVアニメとも密接に結びついた、なかなかに入り組んでいるつくりとなっている。近年の劇場版『名探偵コナン』の方向性として、劇場版だけで完結するものではなく、原作とのリンクを強めに張るようにスライド。そのため、必然的にキャラクターの過去や内面に踏み込む“ファン向け”の意味合いが強くなっているのだ。ならばこそ、周辺情報を整理しておけばより楽しめるはず。

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警察学校組を知ればもっと楽しめる!

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3年前に一体何が…? - (C) 2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 本作の重要人物である警察学校組のメンバーについて解説しよう。

【警察学校組】

伊達航:同期から「班長」と慕われるリーダー。刑事部捜査一課に配属され、高木刑事の教育係だった。職務中に事故死。

降谷零:警察学校卒業後、警察庁警備企画課に配属。「バーボン」のコードネームで黒の組織に潜入中。コナンたちの前では安室透を名乗る。

諸伏景光:降谷の幼なじみで、公安部に配属。潜入捜査官として黒の組織に潜入中、正体がバレて自決。

松田陣平:機動隊の爆発物処理班→捜査一課へ。捜査一課では佐藤刑事と組んでいた。爆弾解体中に殉職。

萩原研二:松田の幼なじみ。機動隊の爆発物処理班に所属し、任務中に殉職。

 必要最低限の情報としては、こういった形だろう。「警察学校組」は全部で5人だが、現在では降谷以外は死亡している。時系列は以下の通り。

7年前:萩原が爆弾解体中に殉職
3年前:伊達・降谷・諸伏・松田がプラーミャと遭遇。その後、松田が殉職
~この間に諸伏が潜入捜査中に自決~
1年前:伊達が殉職

 つまり、今回描かれる「プラーミャとの対決」は、萩原を除く警察学校組が集結した最後のタイミングのできごととなる。原作では各々の活躍、「警察学校編」では学生時代は描かれていたが、卒業後に4人そろっての共闘は初めて。そのため、ファンにとっては垂涎ものなのだ。警察学校組VSプラーミャはかなりがっつり尺を割いて描かれ、アクションシーンや緊迫のサスペンスも熱量高く盛り込まれているため、期待していただきたい。

 そのほか、各々の警察学校時代の詳しいエピソードは「警察学校編」に掲載されており(上下巻の2冊のため、すぐ読めるはず。もしくは3月より放送中のアニメ版をご観賞されたし)、降谷/安室と赤井秀一の因縁や、諸伏が自決した際の詳細などは原作やTVアニメを参照いただければ把握できるため、気になった方はぜひチェックを!

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抑えておきたいポイントは?

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松田刑事 - (C) 2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 次に、今回もキーとなる松田刑事が殉職した事件について。松田刑事が命を落としたのは3年前の11月7日だが、彼はその1週間前に捜査一課に異動となり、佐藤刑事と組んでいた。

 そのなかで、ショッピングモール内の大観覧車に爆弾が仕掛けられる事件が発生。松田刑事は爆弾解体中、佐藤刑事の目の前で爆死してしまう。その犯人は3年後に「延長戦」を起こすが、コナンや高木&佐藤刑事の活躍で逮捕。松田刑事に密かに想いを寄せていた佐藤刑事は、いまだ彼の死を引きずっている……という流れだ。

 本作では、警視庁の前で外国人の男性が持っていたタブレットが発火し、焼死するという事件が発生。彼の所持品の中に、松田刑事の捜査一課版の名刺があったことから、謎が深まる……という展開が用意されている。上記の通り、松田刑事が捜査一課に所属していたのは1週間。その期間に、なにがあったのか? さらには爆弾事件の犯人が脱獄するという衝撃展開も待ち受ける。

 本作の脚本は、推理作家であり『から紅の恋歌』『紺青の拳』の脚本も手掛けた大倉崇裕だが、原作の間を縫い、整合性もきっちり担保するという離れ業を披露。また後述するが、各セリフの端々にキャラ愛がにじんでおり、「ハイキュー!!」で知られる満仲勧監督のシリーズ愛あふれる演出との相性も抜群だ。

 ちなみに、『ハロウィンの花嫁』の中に「佐藤刑事が死神のイメージを見る」という描写があるが、これは彼女の“大切な人の死の予感”。亡き父親や、恋人である高木刑事に死相が見えるとこの状態になるのだ。また、高木刑事が髪型を変え、サングラスをかけると松田刑事にそっくりという原作のネタも採用されている。その辺りも押さえておくと、より感動の度合いが上がってくることであろう。

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コナン愛に溢れた傑作

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降谷 - (C) 2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 以上が、警察学校組の紹介に絡んだ『ハロウィンの花嫁』の注目ポイントだが、当然ながら本作の魅力はそこにとどまらない。近年の劇場版『名探偵コナン』シリーズはシンガポールやアメリカが舞台になるなど、より「世界シェア」を意識したスケール感やド派手なアクションシーンを取り入れてきたが、本作においてもコアファン向けのディープなネタとのバランスが絶妙だ。

 『ハロウィンの花嫁』は、スクランブル交差点を中心とした渋谷の主要エリアが爆弾魔の標的になるという話であり、クライマックスにはパニック超大作もかくやと思わせる大規模なシーンが用意されている。予告編でも確認できるが、建物の屋上にあるヘリポートから飛行中のヘリコプターに向かって降谷がジャンプする展開も。今回は渋谷ヒカリエほか実在の建物も多数登場し、背景の描き込みなどもより微細に進化した印象だ。前作『緋色の弾丸』のカーチェイスシーンに盛り込まれたようなリアリティーが下地にあり、そのうえでアニメーションならではのスペクタクル描写にチャレンジしている。

 そして、先ほど軽く触れたが、そうした画的に映えるシーンに、作品愛が存分に盛り込まれているのも大いに注目いただきたいところ。例えば本作の劇中には爆弾解体のシーンで「赤のコードを切るか、青のコードを切るか」という描写がさりげなく登場するが、これは第1作『時計じかけの摩天楼』を観ているファンならニヤリとするはず。また、件のヘリポートの部分の演出(360度回転カメラ)は『14番目の標的』を彷彿とさせ、プラーミャは『世紀末の魔術師』に登場するスナイパー「スコーピオン」と重なる。佐藤刑事と高木刑事の物語という点では『瞳の中の暗殺者』を汲んでいるし、本作における少年探偵団の活躍は『天国へのカウントダウン』好きにはしっかり刺さるだろう。

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『ハロウィンの花嫁』より - (C) 2022 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 さらに、短いシーンにも各キャラクターへの理解度の高さを感じさせる点も興味深い。少年探偵団や灰原哀を邪険に扱いながらも、保護者として皆の安全を守ろうとする毛利小五郎、佐藤と高木を見守る白鳥任三郎警部など、古参のキャラクターにしっかりと「この人物だったらこうする」という行動とセリフを託しているのだ。「蘭!」「新一!」のお約束の展開や、劇場版『名探偵コナン』シリーズのオールドファンなら知っている“あの曲”も登場するのも嬉しい。また、恒例の「原作者・青山剛昌先生がどのシーンを描き下ろしたか?」という楽しみも。実においしい場面で美麗な絵が拝めるため、それだけでも観賞料金分の価値はあるのではないか。

 細々としたポイントを書き連ねてきたが、ファンのツボを完璧に押さえつつ、1本の映画としての満足度も追求しているのが『ハロウィンの花嫁』のスゴさ。終盤でコナンが起こす“ある行動”は、いまこの時代において特別な意味を持ち、観る者の心を震わせることだろう。予備知識を蓄えつつ、劇場の大スクリーンで進化し続ける劇場版『名探偵コナン』の現在地を楽しんでいただきたい。(文・SYO)

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