この夏は屋外でショートフィルムを楽しもう！
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ブリリア ショートショートシアター オンライン × シネマトゥデイコラボ企画
いよいよ夏本番。夏休みの予定を立てている方も多いのではないだろうか？ 夏といえばアウトドア。キャンプに出かける方もいれば、家の庭や近所の屋外スペースに集まって、家族や友人とBBQなどされる方もいるかもしれない。そんなアウトドアシーンに今年は「野外上映」をプラスしてみてはいかがだろうか？ スクリーンは白い布や白い壁でOK！ パソコンにプロジェクターとスピーカーを接続すれば、プライベートシアターとしては申し分ない仕上がりになる。そして、重要なのが作品選び。短くサクッとみられて、野外で観るのにふさわしい作品を選びたいものだ。となれば、1本15分ほどのショートフィルムは、野外プライベートシアターに適したジャンルだといえるだろう。
世界のショートフィルムを無料配信しているオンラインシアター Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE（BSSTO）では、7月～8月は「夏休み！アウトドア・ショートフィルム特集」として、野外で観たい夏のショートフィルムをラインナップしている。今回はその中より3作品を紹介する。
※ご注意 この記事は作品についてのネタバレが含まれる内容となります。
少年少女の夏の思い出『海辺のオクトパス / Octopus』
『海辺のオクトパス / Octopus』
監督 エンギン・エルデン
製作年 2019年
製作国 トルコ
上映時間 約13分
配信期間 7月6日～9月14日
8歳と9歳の幼馴染エジェとエフェ。海辺の街で二人が過ごす暑くて緩い夏の1日。大人たちに振り回されることに嫌気が差した二人は、自分達の力を証明するためにある計画を思いつく。しかし、それがどんな結果を招くものか二人は知らなかった。
日本初公開となるトルコの作品。子供時代の夏休み、親戚や従兄弟たちと遊びたいものの、歳下というだけで軽くあしらわれてしまう。そんな経験をお持ちの末っ子の皆さんに親近感を持っていただける作品だ。釣りに行きたいけれど、「お前たちににはまだ早い」と船に乗せてもらえなかったエジェとエフェ。「わたしたちだってできるもん！」と二人なりに行動できるのは、心強い相棒がいるから。この年代の少年少女の友情は、ピュアでほほ笑ましいものだ。海辺の避暑地が背景に描かれる爽やかなドラマとしてみていると、ラストは意外にブラックユーモアな展開に。予定調和に終わらせない、ユニークなショートフィルムだ。
夏の湖で起きるドタバタ劇『夏とボートと生配信 / Two Girls and a Boat』
『夏とボートと生配信 / Two Girls and a Boat』
監督 アレクシ・デリコラス
製作年 2021年
製作国 フィンランド
上映時間 約14分
配信期間 7月6日～8月31日
フィンランドの美しい夏の日、双子のジェイドとカイサはボート漕ぎに湖に出かける。ソーシャルメディア・インフルエンサーのジェイドは、実はカイサには秘密の計画を持っていて、旅は予定通りには終わらない。
こちらも日本初公開。湖と森の国、フィンランドのショートフィルム。主人公がSNSインフルエンサーという点が、人物設定のポイント。どうやらデジタルデトックスが趣旨の旅行らしいのだが、生配信に人生を捧げる妹がそう簡単にスマホを手放せるわけはなく、湖上のボートでドタバタ喜劇が展開される。仲の良い姉妹が、ひたすらマシンガントークを繰り広げる変わり種映画だが、言葉が途切れない、常時接続……というはSNS時代への風刺なのかもしれない。
不器用な父の愛を描く『誕生日おめでとう / Happy Birthday』
『誕生日おめでとう / Happy Birthday』
監督 バジル・シャルパンティエ
製作年 2020年
製作国 フランス
上映時間 約20分
配信期間 7月6日～8月31日
40歳のパスカルは離婚後、引きこもってエキセントリックな生活を送っている。今日は息子の誕生日。愛犬とモペットに乗り、息子のプレゼントを探しに行く。
世界最大の短編映画際クレルモン・フェラン国際短編映画祭が開催されるなど、ショートフィルム文化が生活の中に息づく国・フランスから届いた作品。ショートフィルムをたくさん観ていると頻繁に見かける俳優がいるが、本作で父親役を務めるフランスの個性派俳優フィリップ・レボは、冴えない父親役としてBSSTOの過去配信作にも何度か出演している。
妻子と別れ、田舎の掘立て小屋で生活する主人公パスカル。昼寝から起きて、2時間後に息子が訪ねてくることを思い出す。消防車が好きな息子のために村の売店まで消防車のおもちゃを買いに行くのだが、急いでいる時こそ、事はうまく運ばないもので……。
『夏とボートと生配信 / Two Girls and a Boat』 とは対照的に、ほとんどセリフがなく、表情やジェスチャーで登場人物の気持ちが伝わる作品。国境や言語を超えて共感を呼ぶ、普遍的な父の愛を描いている。また、パスカルがまたがるモペット（ペダル付きの原動機自転車）が、チャーミングな魅力を持ち、夏らしい爽やかな疾走感を演出している。観終わったら、あなたもモペットに乗りたくなるはず!?
ショートフィルムの魅力は、なんと言ってもその短さ。友人たちと集まったら、ホスト役がお気に入りの作品を何作品か紹介して、一緒に鑑賞してみよう。合間合間に感想のトークを挟めば、DJのような楽しさを味わえるはずだ。この夏は、ショートフィルムで楽しいひと時をぜひ味わっていただきたい。（大竹悠介）
今回紹介した各作品は「Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE」で配信中。
