猫かわいすぎ!人間不信のウーマン村本が癒やされる
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ジブリで宮崎駿監督の出待ちをしちゃうほど映画大好きな村本大輔と、映画に関しては素人同然の中川パラダイスが、あらゆる角度からブッ飛んだ視点で映画トーク。今回のテーマは、パリで生まれた子猫ルーの姿を猫目線で描いた映画『ルー、パリで生まれた猫』。四十路のおじさん2人が猫のかわいさにキュンキュンです。(取材・文:森田真帆)
今回の映画は『ルー、パリで生まれた猫』です。
モーリス・ジュヌヴォワの小説を原作に、少女と子猫の絆を描くヒューマンドラマ。パリと自然豊かな森を舞台に、少女と1匹の子猫が出会い、心を通わせながら共に成長していく姿を描く。メガホンを取るのは『アイロ ~北欧ラップランドの小さなトナカイ~』などのギヨーム・メダチェフスキ。キャプシーヌ・サンソン=ファブレスのほか、『社会の片隅で』などのコリンヌ・マシエロらが出演している。
動物映画にありがちな号泣ものじゃない
中川パラダイス(以下、中川):子猫、めっちゃかわいかったな。でも最初、ひたすら猫が動いとって、全然セリフもないからどうしようかと思ったわ。すぐ慣れたけど。
村本大輔(以下、村本):猫好きにはヤバいな。昔からよく犬の映画は観てんねんけど、動物の映画は癒やされていいよね。
中川:正直、この映画を通じて、何を伝えたいのかようわからへんかってん。なんか淡々と進んでいくしさ。でもぶっちゃけ、変にストーリーなんていらんなって思ったわ。こういう猫が出てくるのって、変に感動シーンとかめっちゃ多いやん。これはそういうのじゃなかったから、逆に観やすかったのかもしれん。
村本:猫の視点がめっちゃ多かったから、それが良かった。人間の視点よりも、猫の視点の方がオモろいもんな。
中川:猫がしゃべらんやん。こういう映画って急に猫が人間みたいに話すのあるやん。おっさんの声で、急にしゃべり出すやつ。
村本:なんか猫って犬よりも自由だからさ、撮影とか絶対大変やったと思う。これ、監督も猫なんちゃうか?
中川:せやねん、しかも子猫って全然言うこときかなそうやん。なんかさ、猫の画角がほんまにぴったりはまってくるのも、どうやって撮ってんねやろってめっちゃ思ったわ。猫やったらバミったり(※目印を付けること)もできんしな。
村本:スタッフが猫好きじゃなかったら無理やろな。オレ、『福田村事件』観た直後やったから、すごい癒やされたわ。
昔飼っていた猫の思い出
中川:昔、ベルっていう猫飼ってたわ。
村本:ベム?
中川:ベラ? いや、ベルやっちゅうねん。僕が生まれた時には、すでにおった猫なんやけど。17年くらい長生きした猫よ。それこそ小学校の時に、あまりにも猫がかわいすぎてさ、犬の首輪を猫に着けて散歩に連れてったことあったんやけど、もうベルが人の多さにびびって、公園の花壇の奥まで逃げてってもうて、最終的にお父さん呼んで大変やってん。あれから2度と猫は外には連れて行かへんって思ったわ。
村本:ベムは何猫やったん?
中川:だからベルな。なんか、日本で飼われてる猫! って感じの猫やったわ。
村本:なんやその猫! 日本で飼われてるって感じの猫ってなんやねん(笑)。オレも昔、猫飼ってたわ。まだ売れてない頃、バイト先の近くの公園に子猫がおって、親おらんくて、毎回コンビニで牛乳とキャットフード買ってあげて。でもある日行ったらおらんくなってて、保護されちゃってさ。むっちゃ悲しかったの思い出したわ。
中川:たぶんさ、子供の頃に猫飼っていたけど、いまいろんな事情で猫が飼えない人ってぜったいめっちゃおるやん。そういう人たちは、この映画観て、自分が飼っていた猫のこと思い出すんやろなぁ。僕も久しぶりにベルのこと思い出したわ。
人間不信になった村本、猫に癒やされる
中川:僕も動物飼いたくなったわ。犬なり猫なり、1人は寂しすぎるやろ。動物いると癒やされるしなぁ。犬か、猫か。うーん、でもなぁ、やっぱり犬やな。
村本:犬なんかい! お前、本当にこの映画観たんか!? なんかルーもめっちゃ自由だったな。自分に懐かない猫のこと大事にできてすごいなって思ったわ。
中川:すぐに逃げ出そうとしてたもんな、そんで秒で捕まんねん(笑)。
村本:お前、でもほんまに猫は好きなんか? だってベルだってお前が生まれる前からおったってことは、自分の意思で飼ってないやん。動物にあんまり興味なさそうやし、コンビ組んでから動物と触れ合ってるの見たことないで。
中川:なんの容疑かけられてるん(笑)? 好きやって言ってるやん! ただ猫アレルギーやねん。犬も猫もアレルギーやねん。だから、近づいたら痒くて目が真っ赤になってまうねん。でも好き。でも近づけないねん。
村本:話は変わるけど、この映画は、出てくる人間たちもめっちゃ良かったな。あの女の子なんて、200人のオーディションから決まったらしいけど、普通の女の子って感じでめっちゃ良かったわ。あと、人間嫌いのおばちゃんも良かった。あの気持ちがめっちゃわかんねん。オレもじいさんになったら人間との関わりを全部切って、森で暮らそうかなぁ。オレ、『バービー』と『福田村事件』観てからこの映画を観てん。もう人間コワって、思った後やったから、この映画めっちゃ癒やされた。ぜひ皆さんにもこの並びで映画を観に行ってほしいな。
※記事内容には個人の意見が含まれています。
『ルー、パリで生まれた猫』9月29日公開
(C) 2023 MC4-ORANGE STUDIO-JMH & FILO Films
ウーマンラッシュアワー・プロフィール
2008年に結成された、村本大輔と中川パラダイスによるお笑いコンビ。2011年「ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2012年「THE MANZAI 2012」決勝進出、2013年NHK上方漫才コンテスト優勝など数々の賞に輝き、4月に東京進出。「THE MANZAI 2013」で見事優勝し、3代目王者に輝いた。
村本大輔
1980年生まれ。福井県出身。自分でも「ネットに書き込まれるうわさはほとんどが事実です!」と認めている、自称・ゲス野郎芸人。だがその一方で、ジブリ作品やピクサーなどの心温まるアニメが大好きで、映画『あなたへ』で号泣するほどのピュアな一面も持ち合わせる大の映画好き。水産高校に通っていたため(中退)、お魚系や海洋ネタにも意外に詳しい。
中川パラダイス
1981年生まれ。大阪府出身。これまで10回もコンビ解散している村本と唯一トラブルもなくコンビを続けている広い心の持ち主。2012年に入籍し、現在1児の子育てを満喫中のイクメンパパでもある。映画に関しては、「王道なものしか観ない」というフツーレベル。