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ディカプリオ史上最強のクズが犯した最悪の罪…『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』がヤバイ!

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

 今年5月のカンヌ国際映画祭でお披露目されるやアカデミー賞有力とたたえられ、早くから映画ファン注目の1作だった映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』がついに10月20日に日本公開を迎えます。6度目となるレオナルド・ディカプリオ×巨匠マーティン・スコセッシ間違いないタッグで、石油利権と人種差別を背景にした人類史上類を見ない大量殺人事件の顛末を意外な視点から映し出した本作は、スリリングで美しく、おかしくもグロテスクに人間の闇をあぶり出す、ヤバすぎる魅力が満載のまごうことなき傑作でした!(編集部・市川遥)

ディカプリオ史上最強のクズ野郎でオスカーノミネート確実!

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

 『タイタニック』で一世を風靡した“美少年イメージ”を打ち破って真の名優となるべく、これまでもさまざまな難役に挑んできたレオですが、本作で演じたアーネストはそんなレオ史上でも最強のクズ野郎です。アメリカ南部オクラホマ州の先住民オセージ族の土地へ、人々から“キング”と呼ばれる有力者の叔父を訪ねてやって来たアーネストは、大好きな金のためなら手を汚すこともいとわない小悪党。オセージ族の女性モリーと恋に落ちて結婚するも、叔父には逆らえない小心者であり、かつ持ち前の強欲さゆえに、この先住民大量怪死事件において進んで重要な役割を果たしていくことになります。

 最低のクズ野郎なのにどこか愛嬌を感じさせるのは、レオが持ち前のカリスマ性を発揮しつつ、卓越した演技力で人間の残酷さ、軽薄さ、情けなさをすさまじくリアルに体現しているがゆえでしょう。まさにレオだからこそ演じられた役柄といえ、アカデミー賞主演男優賞ノミネートは確実であり、『レヴェナント:蘇えりし者』以来となる2度目のオスカー獲得も現実味を帯びています。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

 叔父“キング”役は名優ロバート・デ・ニーロで、ついに実現したスコセッシ監督作品におけるレオ×デ・ニーロの長編映画初共演は映画ファンには至福のひと時。全てを掌握しようとする策士のキングとちょっと頭が足りないアーネストの掛け合いには、時に笑わされ、時に戦慄させられ、気付けば二人の名優が発散するエネルギーにのみ込まれ、歴史の闇に葬られた大量殺人事件の恐ろしさを肌で感じさせられます。

戦慄の実話!人類史上類を見ない大量殺人

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

 本作のヤバさは、何と言ってもこの大量殺人が1920年代にアメリカで本当に起きた事件だという点です。先住民オセージ族はもともと暮らしていた豊かな土地から、荒れたオクラホマ州の保留地へと追われた部族。そこには白人たちも知らなかった大量の石油が眠っていたことからオセージ族は巨万の富を築きますが、富は邪悪な白人たちも引き寄せ、石油利権をめぐって二十数名の先住民と関係者が次々と不審死を遂げる事件(総数は数百名とも……)が発生しました。

 この巨大な陰謀を捜査したのは後にFBIとなる組織であり、もともとスコセッシ監督は捜査官視点でこの大量殺人事件を描こうとしていましたが、オセージ族との会合やレオとの対話を経て路線変更。“この事件がオセージ族にどう影響を与えたかこそ、語るべき物語である”との指標を得て、石油利権を持つ裕福なオセージ族の女性モリーと、彼女と結婚した強欲な白人アーネストの二人をメインに据えた物語に書き直したのですが、これが大当たり。レオ、そしてモリー役リリー・グラッドストーンのその瞳だけで心の機微を雄弁に伝える名演によって、単なる捜査官モノにとどまらない、人の業に満ちた愛と裏切りの悲劇の物語が誕生することになりました。

3時間26分があっという間!圧倒的テンポの良さ

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

 上映時間3時間26分という大長編ぶりも話題の本作ですが、さすがスコセッシ監督だけあってあっという間にスリリングな物語の虜にさせられ、体感時間は2時間ほど! 俳優陣から引き出した繊細かつダイナミックな名演から、膨大な情報を必要な箇所に必要なだけ的確に配置した緻密な脚本、シームレスに変わるアスペクト比に生と死のコントラストが鮮やかな映像、スコセッシ監督とのタッグで知られ、先住民の血を引くロビー・ロバートソンさん(今年8月に死去)ならではの唯一無二の音楽、さらには意外性に満ちた映画ファン歓喜のラストまで、「これぞ映画!」というべき魅力に満ちあふれているのです。

 いち早く巨大スクリーンかつ最高の音響で観なければ、後悔することになるのは必至の超絶クオリティー。一体アカデミー賞では何部門ノミネートされてしまうの!? というレベルの、今年一番の傑作となっています。

映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』は10月20日より全国公開
公式サイト 劇場情報

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