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「ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ」第1話:リック帰還!行方不明だった空白の5年間が明らかに

今週のウォーキング・デッド

リックが帰ってきた!

 海外ドラマ「ウォーキング・デッド」後日譚スピンオフの本命、リックとミショーンのその後を描く「ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ」が、ついに日本配信スタート! 第1話「橋の事件から5年後」は、冒頭からかなりの情報量が押し寄せる、攻めのエピソードだ。(文・平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ」第1話をまだ観ていない方はご注意ください。

変わらないリックの姿に感動!

 冒頭から、思い詰めた顔のリックが自殺しようとするというショッキングなシーンが描かれる。オープニングタイトルの直後に「橋の事件から5年後」とテロップが出て、橋の事件(※シーズン9第5話「清算」で、リックがウォーカーの大群の居住地への侵入を防ぐために橋を爆破し、負傷して謎のヘリコプターに連れ去られたあの瞬間)とこのドラマが直結する。そこから、リックの現在と、それまでの5年間に何があったかが凝縮して描かれ、膨大な情報量が押し寄せてくる。また、原作コミックにあるリックが左手を切断するという出来事がついに実現したのも、原作ファンには感慨深い。

 感動的なのは、それを観ている間もリックがまったく変わっていないこと。真面目で一途に努力し、簡単には諦めない。必要な時には大胆な行動をする。それでいて、夢の中ではロマンチスト。その姿に、あぁ、リックが帰ってきたのだなぁと痛感してしまう。

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 それもそのはず、このシリーズのクリエイターには、「ウォーキング・デッド」ユニバースのチーフ・コンテンツ・オフィサーを務めるスコット・M・ギンプルだけでなく、リックとミショーンを演じるアンドリュー・リンカーンダナイ・グリラも参加している。リックとミショーンの人物像は、長年にわたって二人を演じて創り上げてきた俳優本人が描くのだから、ブレがないに決まってる。今回の脚本は、クリエイターのギンプルが担当しており、本家シリーズ直結の内容も納得がいく。

いきなり情報満載!あのAとBの意味も判明

 第1話は、この世界について、市民共同体軍CRM(Civic Republic Military/市民共同体軍)についての情報量も膨大だ。まず、ドラマの時間軸は、スピンオフドラマ「ウォーキング・デッド:ワールド・ビヨンド」シーズン1~2(2020~2021)とほぼ同じ。「ワールド・ビヨンド」でも、アメリカには3つの巨大コロニー、ネブラスカ州オマハ、オレゴン州ポートランド、所在地不明の市民共同体があったが、オマハが壊滅した。「ワールド・ビヨンド」では、オマハのコロニーを滅ぼしたのがCRMだということも描かれている。

 CRMについては、本作で新たな情報が判明する。市民共同体軍は、市民共同体(このエピソードでは秘密都市とも呼ばれている)を守る軍隊だが、共同体とは別の独立した組織として運営されている。ビール少将(テリー・オクィン)のリックへの言葉から、字幕では「ペンシルベニア」が省略されているが、もともとCRMはペンシルベニア州兵軍だったこともわかった。所在地はおそらく、本作の予告編の街並みから判断されて噂になっていた通り、ペンシルベニア州フィラデルフィアだろう。共同体への参加希望者は、6年間の奉仕活動によって、共同体に参加できる。共同体に入ったら街の外に出ることはできない、などが説明された。

 さらに「ウォーキング・デッド」シリーズに何度も登場した「A」と「B」の意味も明らかになった。CRMは発見した人間をAかBかに仕分けすることになっており、「A」は強い意志を持つリーダー候補、「B」は平凡な人間という意味だった。これを当てはめると、シーズン9第3話「A、又はB」の、ジェイディス(ポリアンナ・マッキントッシュ)とCRMとの無線通話の「何がある? AかBか」と聞かれ「何が必要?」「Aだ」や、彼女がゲイブリエルを一緒に逃げようと誘って断られた後のセリフ「あなたはBだと思っていた」も納得。シーズン9第5話「清算」で、ジェイディスが意識不明のリックを連れ去る時に、無線で「Bがある。最初からAはなかった」と伝えるのは、彼女の判断ミスのような気がするが……。

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デルツ、エシュロン…新たなキーワード&謎が続々

 それ以外にも、気になる新用語が続々と登場している。体内が燃えているウォーカーは「発火デルツ」と呼ばれ、CRMはウォーカーをデルツと呼ぶようだが、彼らは新種のウォーカーなのか。兵士の90パーセントは知らず、街の人々は100パーセント知らないという「エシュロン」とは何なのか。

 また、ミショーンとの再会はシーズンの中盤あたりかと思っていたら、第1話のラストで再会するというスピーディーな展開も気持ちいいが、気になるのは、そのミショーンが所属する集団。CRMのヘリコプターを落下させるほどの武器を持つこの集団は、何者なのか。次回はきっと、ミショーンがシリーズを去った、シーズン10第13話「選択」以降の彼女の旅が描かれるはず。今回の日本配信は、アメリカ本国とほぼ同時なので、ネットでネタバレを知る心配がないのも、ありがたいところ。今から次回が楽しみだ。

「ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ」第1話はU-NEXTで独占配信中(全6話、毎週月曜日に1話ずつ追加)

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