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「ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ」第4話:異色の展開!リック&ミショーンが本音でぶつかり合う

今週のウォーキング・デッド

 海外ドラマ「ウォーキング・デッド」のメインキャラクター・リックとミショーンのその後を描くスピンオフ「ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ」第4話「私たちの生き方」が、U-NEXTで日本配信された。今回は、ミショーン役のダナイ・グリラが初めて手がける脚本に注目だ!(文・平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ」第4話をまだ観ていない方はご注意ください。

ほぼ全編リック&ミショーンの会話劇

 ミショーン役のダナイが初めて脚本を担当した第4話は、リック(アンドリュー・リンカーン)とミショーンの2人しか登場せず、ほぼ全編2人の会話だけで構成されているという、ユニークかつ贅沢なエピソードになった。彼らのさまざまな思いが描かれ、アンドリューとダナイの演技力をじっくり見せつけるエピソードにもなっている。

 冒頭で流れている曲は、トニー・オーランド&ドーンの大ヒット曲「幸せの黄色いリボン」(1973)。歌詞は、刑務所からの出所が近づいた男が、妻に手紙で「もし自分が帰ることを望むなら、木に黄色いリボンを結んでほしい」と書き、その後、出所した男が家に近づくと、木には黄色いリボンがたくさん結ばれていたという内容。この歌詞の元ネタとなった伝承に関する小説家ピート・ハミルのコラムを元に、日本映画『幸福の黄色いハンカチ』(1982)が製作され、この歌が映画の挿入歌になったので、日本人にもおなじみの曲だ。ミショーンがやっと再会したリックは、黄色いハンカチを結んでくれてはいないようなので、2人の状況を考えると皮肉な選曲だ。

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 メインストーリーでは、2人がようやく離れていた時期の情報交換をするので一安心。リックはミショーンに、ジェイディス(ポリアンナ・マッキントッシュ)によって市民連合軍に連れられてきた経緯や、彼女に脅迫されていることを話し、ミショーンはリックに、彼の息子RJが生まれたことを伝える。リックが見つけるミショーンの新しい傷は、リックが去った後、「ウォーキング・デッド」シーズン9第14話「消せない傷痕」で描かれたものだ。

 しかし、この情報交換以外はほぼ全編、リックとミショーンの気持ちのすれ違いと和解を描く思い切った構成。ダナイはかなり技ありだ。まず、お掃除ロボットの使い方がお茶目。冒頭から登場し、途中でリックを驚かせ、ラストの建物崩壊の直前にも埃を被りながら動いている。シリアスなシーンが多い中、お掃除ロボットが息抜き的なアクセントになっている。

リックの本心に感動!

 また、リックとミショーンのやりとりが、売り言葉にかい言葉で話がこじれていくのも、長年のカップルらしい雰囲気。途中で、2人がウォーカーを倒しながら、悪口を言い合うというシーンで、ユーモラスな雰囲気もプラスされる。2人が最初に入った部屋と、ウォーカーとの戦闘後に入った部屋がそっくりな仕様で、そこで「2人の出会い」を初めからやり直すというアイデアも効果的だ。

 そして、何より感動するのは2人の関係の描き方。ミショーンは、リックが彼女1人を逃がそうとしていることを知ると、最初からそれがリックの本心ではないことを見抜き、「あなたは嘘をついている」と言う。そして、彼がなぜそう言うのか、リックを問い詰めていく。最後に判明する本当の理由は、リックがもう一度ミショーンを失うことに耐えられないから。ミショーンが見えないところにいれば、彼女が生きていると信じられるからだった。このリックの本心に、胸を打たれずにいられない。グリラの脚本は、ミショーンとリックの関係を見事に描いている。

 こうしてやっと一緒に旅に出たリックとミショーンだが、これから何が待ち受けているのか。振り返れば、本作のストーリーは、いい意味でこちらの予想を裏切ってくれている。2人が出会うまでを描くのかと思ったら、第1話で再会するし、それでは市民共同体から脱出するまでを描くのかと思ったら、第4話で脱出した。このシーズンも残すところあと2話だが、まだまだどんな展開が待っているのか油断できない。

「ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブ」第4話はU-NEXTで独占配信中(全6話、毎週月曜日に1話ずつ追加)

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