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【ネタバレなし】名探偵コナン『100万ドルの五稜星』観る前に!知っておきたいこと

名探偵コナン
(C) 2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

 劇場版『名探偵コナン』第27作となる『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』が、4月12日より劇場公開中。本作は「ついに明かされる、“キッドの真実”」がテーマのひとつとなり、ネタバレを避けるため事前の一般試写会等を行わない措置が取られた。また、公開初日4月12日0時からの最速上映にはファンが押し寄せ、各劇場で完売が続出。早くも大盛り上がりを見せている。

 『100万ドルの五稜星』では、北海道を舞台に新選組副長・土方歳三にまつわる刀をめぐる争奪戦が展開。江戸川コナンと服部平次の探偵コンビが怪盗キッドと対決する物語になっている。本稿では、知っておくともっと楽しめる基礎知識やコアな情報をネタバレなしで紹介する。(文:SYO)

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怪盗キッドがなぜ刀を狙う?

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 『名探偵コナン』シリーズのファンであれば、今回のキッドの獲物が日本刀と聞いた瞬間に違和感を覚えただろう。というのも、予告編等で「普段はビッグジュエルを狙うキッドが~」という説明がなされる通り、彼はビッグジュエルと呼ばれる特別な宝石を専門にしている。その理由は、キッドの単独作品「まじっく快斗」で描かれるがーー父親の死の真相を突き止めるため。つまり、本来の目的と食い違う行動の裏には、何かしらの個人的な理由があると考えられるのだ。ちなみに過去には、ある人物のためゴッホの絵画『ひまわり』を狙った劇場版第19作『業火の向日葵』等があり、「キッドの真実」と照らし合わせることで「キッドの掘り下げが行われるに違いない」と予測が立てられる。公開前からファンが盛り上がっていたのには、そうした根拠もあるのだ。

「100万ドル」の意味と服部平次・遠山和葉の歩み

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 本作のもうひとつの見どころが、幼なじみで両思いだがまだ告白には至っていない服部平次と遠山和葉の関係に進展はあるのか?という部分。平次は工藤新一/コナンが英ロンドンのビッグベンの前で毛利蘭に告白したことに対抗心を燃やしており、「絶景スポットで告白しよう」と心に決めている。その活動の一環が、今回のタイトルである「100万ドル」に関わってくるのだ。今回の舞台である北海道・函館山から見る夜景は実際に「100万ドルの夜景」と呼ばれており、平次は告白場所の候補にするというわけ。

 ちなみに本作では、和葉の“耳の良さ”が描かれる。これは百人一首をテーマにした劇場版第21作『から紅の恋歌』から引き継いだ設定であり、2人の恋を邪魔しようとする大岡紅葉も登場。優秀な執事・伊織にも実は驚きの過去があるため(コミックス第104-105巻に収録)、気になった方はチェックしてみてほしい。

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キッドと平次の因縁……「キスの恨み」って?

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 キッドの真実、そして平次&和葉の恋ーーこの2本柱が『100万ドルの五稜星』の見どころだが、そこに絡んでくるのがキッドと平次の因縁。実はかつて和葉に化けたキッドを本人と勘違いし、平次がキスをしかけるという失敗をしでかしており、平次はキッドに積年の恨みを抱いているのだ。詳細はアニメ第983-984話「キッド vs 高明 狙われた唇」(コミックス第98巻)を参照いただきたい。ちなみに、キッドはかつて蘭にも化けているがその際はコナンに早々に見抜かれている(アニメ第76話「コナンVS怪盗キッド」/コミックス第16巻)。

 なお、劇中には平次がキッドと刀で戦うシーンも登場。平次×和葉×刀という意味では、劇場版第7作『迷宮の十字路』とのリンクも感じられる。平次の初恋の人が明かされるなど、必見のエピソードといえるだろう。

かつてない「青山剛昌ユニバース」が展開

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 サービス満点の『100万ドルの五稜星』だが、実はそのほかにもコアファンを歓喜させる細かな仕掛けがごまんと用意されている。そのひとつが、原作者・青山剛昌ユニバース。そもそも怪盗キッドは青山の別作品「まじっく快斗」を「名探偵コナン」に輸入する形で生まれたものであり、劇中では中森警部やその娘・青子も登場(キッド/快斗にとっては中森警部は思い人の父であり大切な存在のため、劇中で彼が撃たれた際に激しく動揺する)。そして青山のもう一つの代表作「YAIBA」のキャラクターまでもが本作には現れる。ポスターに写っている沖田総司がそうで、既に第263話「大阪ダブルミステリー 浪花剣士と太閤の城」(原作コミックス31-32巻)でコナンの世界に登場済みだが、「名探偵コナン」「まじっく快斗」「YAIBA」3作のキャラクターが1本に集結するのはオールドファン的にはたまらない演出。しかも、函館は新選組最後の地ともいわれており、新選組の一番隊組長だった沖田総司の名を継ぐ彼がこの地で戦う展開は、歴史ロマンとしても心憎い。

 本稿では観賞前の興を削がぬよう基礎的な部分に留めたが、『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』には今回挙げたもの以外にも「このキャラとこのキャラがこういう話をするのは熱い!」「このチームアップ/共闘が観られるのか!」といったキャラ推しの面々を高ぶらせる演出や、劇場版ならではのド派手なアクション、歴史ミステリーとしてのクオリティの高さ、聖地巡礼したくなる名スポットが登場する等々、多角的な楽しみ方をできる“沼要素”にあふれている。二度・三度と観賞するリピーターが生まれることは必至のため、どこまでのヒットを記録するのか興行収入の動向にも注目したい。

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